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(回答先: Re: 日本に生まれて本当に良かった 投稿者 スパルタコスポノ 日時 2005 年 4 月 16 日 23:28:01)
勝手なお願いに、大変迅速に対応していただき、ありがとうございます。
”お気に入り”に加えました。
何かお返しを、と思いましたが、遅くなってしまいました。(資料、持ってないんです。)
「DAYS JAPAN」の2005・3月号から
特集「中国・河南省のエイズ村」から一部引用させていただきます。
・・患者数が急増している国に、中国と日本の名も挙げられている。特に、中国・河南省では、売血をしたために村民の6割がエイズ感染した村もあり、惨憺たる状況を作り出している。
写真・盧 广(LU Guang) 文・宮田一雄
1990年代中頃、中国東部・河南省の貧しい農村では、500ccの血液は50元(約600円)で売れ、そのお金で肥料を2袋買えた。しかし、複数の売血者の血液を同時に採取し、不要な血液の成分を再び売血者の体内に戻す際に他人のものと混ざってしまうという、ずさんな方法が用いられたため、多くの人々にHIV感染が広がった。ある村では村民の約6割がHIVに感染した。
中国政府はエイズの存在を公にしていなかったため、感染した人々は長い間放置されていた。病院に行くお金がない人々も多く、治療のため、財産をほとんど売り払った家族もある。検査に80元もかかるため、多くの村民が検査さえ受けられないという。
中略・・・中国のHIV感染は三つの感染経路を通じて拡大してきた。雲南省など中国南部、西部の薬物注射による感染、東部大都市圏の売春などによる性感染、そして河南省など中部の7省の農村での売血による感染である。
雲南省はタイ、ミャンマー、ラオスの国境が重なる「黄金の三角地帯」に近く、80年代から薬物注射による感染が指摘されてきた。
東部大都市圏での性感染は、内陸部と沿岸部との経済格差が背景にある。農村から大都市に流入する人が増え、人口の流動化が非合法の性産業の存立基盤とでも呼ぶべきものを強固にしていったからだ。・・略・・
03年の新型肺炎SARSの流行の際に、情報の隠蔽が招いた混乱が苦い教訓となり、中国政府の姿勢はエイズ対策でもかなり変わってきたという。
03年12月1日の世界エイズデーでは、中国保健省と国連が共同で「中国におけるHIV・エイズの予防、治療、ケアに関する合同評価報告書」を発表し、流行の「劇的拡大」を指摘したうえで、「全国平均のHIV陽性率は低いが、特定の人口層や地域では高い陽性率を示している。主要感染経路は薬物注射であり、過去には売血があった」と売血による集団感染の事実も遅ればせながら認めている。
報告書によると、中国のHIV陽性者は推計84万人で「成人陽性者は0.1%未満だが、流行は31省(自治区、特別市を含む)に広がり、報告数は大きく増加している」という。一方で国連は、有効な対策がなければ中国のHIV陽性者数は2010年に1000万人に達すると予測している。
UNAIDS(国連合同エイズ計画)のピーター・ピオット事務局長は04年秋、東京で記者会見を行い、「中国政府には10か月前からエイズに関し情報を公開する姿勢が見られる。その点は希望が持てる」と語った。10か月前とは報告書が発表された日のことだ。ただし、ピオット氏は同時に@省地方政府レベルの指導者は現実を直視せず情報を隠そうとする傾向があるA国民の多くがエイズの知識に乏しくHIV感染の経路も知らないB社会保健、教育などのサービスが機能していないCHIV陽性者への偏見、差別が根強く残るーの4点を中国への懸念材料として挙げてもいる。
現場の情報が中央に伝わらず、事態把握が遅れているのではないかという指摘は、04年の高原病性鳥インフルエンザの時にも聞かれた。必要な情報を国民にきちんと伝えない限り、感染症と闘うことはできない。より開かれた社会に向けて、指導者がどこまでそうした意識をもつことができるのか、対策の成否はこの点にかかっている。
(引用おわり)
ご紹介いただいた論説に比べると、中国の統治機構を分析する記述が、通り一遍な気がしますが、同誌の本領はフォトジャーナリズム、ということでご勘弁ください。