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経済総合
ブラウザ戦線に異変 ファイアーフォックス台頭で
米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は15日、インターネット閲覧ソフト「インターネット・エクスプローラー(IE)」の新版に当たるIE7について、試作版提供を今夏から開始すると発表した。同社はもともと現行のIE6の更新版について、06年に発売する次世代基本ソフト(OS)に含める予定だったが、計画を変更した。無償閲覧ソフト「ファイアーフォックス」が人気を集め、IEが圧倒的だった同ソフト市場に異変が生じつつあることが背景になっている。
「IEの最新版、IE7を出すことを決断しました。さらに高い水準の安全性を提供します」
ゲイツ会長は同日、コンピューターの安全性に関する見本市「RSA会議2005」で講演し、閲覧ソフト最新版を従来より予定を早めて投入する方針を明らかにした。
IE7の試作版を提供する対象は、OS「ウィンドウズXP」の修正版「サービスパック(SP)2」を導入している利用者。金融機関などのホームページになりすまして個人情報などを盗むフィッシング詐欺への防止策など、安全対策が強化される見通しだ。
マ社のIEは米国市場での利用が9割を超え、圧倒的なシェアを保っている。一方で、ウイルス攻撃の標的になり、ソフトの安全面での脆弱(ぜいじゃく)さが指摘されてきた。同社はその都度修正ソフトを提供しているが、導入作業に手間がかかるため利用者の不満は強い。
今回のIE7投入は、より安全なソフトを求める利用者の声に応え、IE離れを食い止める狙いがある。
米調査会社ウェブサイドストーリーの集計によると、IEは昨年6月に米国内の利用シェアが95%台だったが、同年12月には91%台に低下した。逆に利用者を集めているのは、世界の技術者が自由に改良できる「オープンソース型」の閲覧ソフト「ファイアーフォックス」だ。専門家の間では「IEと比べて安全で使いやすい」との評判が高まっており、昨年12月には利用率が4%を超えた。
「ファイアーフォックス」は米モジラ財団が管理している。もともとはマ社にシェアを奪われた米ネットスケープ社が、98年に同社の閲覧ソフトの設計図に当たるソースコードを公開する「モジラプロジェクト」を始め、03年に同プロジェクトがモジラ財団として会社から分離された。
同ソフトの利用シェアはまだ小さいものの、90年代後半にネットスケープが弱体化して以降、IEは圧倒的な地位を占めてきた。それだけに勢力図の「異変」は米情報技術(IT)業界で大きな注目を集めている。マ社もそうした動きを看過できなくなったようだ。
◇
ゲイツ会長は15日、安全対策の強化に関連して「ウイルス対策ソフトの分野で、消費者向けの製品を年末までに投入する見通しだ」と述べ、拡大している同ソフト分野に参入する方針を示した。同会長は詳細は明らかにしなかったが、この分野で大手のシマンテックなどにとって強力なライバルとなりそうだ。
17日00時04分 経済総合一覧
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