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中国 輸入、日本なお最大 貿易赤字208億ドルに拡大
【北京=野口東秀】中国国営新華社通信は十五日、中国税関統計として、二〇〇四年の日本からの輸入額が前年比27・2%増の九百四十三億ドル(約九兆九千億円)に上り、日本が依然として中国にとって最大の輸入相手国となっていると報じた。これに伴い中国側の対日貿易赤字も〇三年の百四十七億ドルから二百八億ドル(約二兆二千億円)に拡大した。
中国にとって日本は〇三年まで十一年連続で最大の貿易相手国だったが、昨年は欧州連合(EU)、米国に抜かれ第三位になった。しかし部品や素材など日本からの調達の勢いは根強いことがうかがえる。
中国税関の統計では中国とEUとの貿易総額は昨年、前年比33・6%増の千七百七十二億ドル、米国とは同34・3%増の千六百九十六億ドルだった。いずれも中国側の出超で、黒字額は対EUが三百七十億ドル、対米が八百二億ドルだった。
日中間の貿易総額は、前年比25・7%増の千六百七十八億ドルと史上最高に達した。中国の対日輸出は同23・7%増の七百三十五億ドルで、中国の対日赤字額は二百八億ドルに上った。中国の貿易相手国・地域の第四位は東南アジア諸国連合(ASEAN)で日本とほぼ同額の二百億ドルの赤字となった。
中国の貿易総額は昨年、前年比35・7%増の一兆千五百四十七億ドルとなり、日本を抜き米独に次いで世界第三位の貿易大国となることが確実視されている。
日中関係については「冷たい政治関係が経済関係発展の障害になる」との声も出ているが、中国の対日貿易が増加している状況は、中国が日本との経済関係を引き続き強化していることを裏付けた形だ。
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■日米中が牽引、アジア貿易
中国にとって日本が最大の輸入相手国となっている理由は、中国が「世界の工場」であり続けるために、付加価値の高い素材を日本からの輸入に依存しているからだ。
中国は、二〇〇一年十二月の世界貿易機関(WTO)加盟を契機に投資環境の整備を進め、安い労働力を武器に世界の一大生産拠点に成長した。
だが、高度な工作機械部品や半導体などは、日本製品が現在も圧倒的に優位に立つ。中国が主力製品を繊維製品などから付加価値の高いデジタル家電などにシフトしようとするほど、日本製の部品が必要になる構図だ。
日本と中国が相互依存を深めるのに対し、米国は中国からの輸入を拡大し続けている。米国にとって中国は五年連続で最大の貿易赤字相手国となり、赤字額は昨年、前年比30・6%増の千六百二十億ドルに達した。
東アジアを舞台にした日米中の貿易トライアングルは近年、均衡発展を続ける日中間の貿易を、世界最大の消費市場を持つ米国が支える構造に変化してきたようだ。
そのなかで、米国企業は、IBMがパソコン事業部門を中国の聯想(レノボ)へ売却を決定するなど、より付加価値の高い産業への転換を図っている。日本貿易振興機構の渡辺修理事長は「米国企業には、日本を研究開発の拠点にし、成功した技術で中国などアジアへ乗り出す動きが出ている」と指摘している。(吉村英輝)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/16iti002.htm