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天眼鏡
http://www.nomura.co.jp/market/shuhou/20050214/tengan.html
米作りから手掛ける、こだわりの日本酒
◆鍋に熱燗で一杯……日本酒のおいしい季節である。新米で仕込んだ新酒も飲みごろだが、日本人の日本酒離れも気になる。ついに2003年、焼酎の出荷量が半世紀ぶりに日本酒を上回ったそうだ。
◆焼酎の勝因は、芋焼酎などの本格焼酎の個性的な味わいが、新たなファンを獲得してブームを呼んだからといわれる。一方、日本酒には話題性が乏しく、味の違いが飲み慣れない人には分かりにくい。いかに比較優位化し、個性を訴えるか。その答えを原料の米に求め、酒米作りを自ら手掛ける酒造会社が増えてきた。
◆先駆者は、大阪北部の山里にある秋鹿酒造(有)。1985年から酒米「山田錦」の栽培を始めた。契約農家の協力も得ているが、苗作りだけは自社が一括して行う。自社栽培のメリットは、効率性に囚われず、理想とする酒米を収獲できること。収量を増やすには、稲を密に植えねばならず、そうなると日当たりが悪くなり、丈夫に育てるために多くの肥料を使わざるを得ない。肥料の成分である窒素が雑味を生み、おいしい酒造りの敵になる。吟醸酒などの高級酒が米を削って中心部だけ使う理由は、周辺部に含まれる窒素分を取り去るためだ。だから、あえて平均的な酒米の収量の7割に抑えている。
◆宮城県の(株)一ノ蔵は、今年から農業特区を利用して酒米作りを始め、他社との差異化を図る。農地法では一般企業が農地を保有して稲作をすることができないため、自家栽培を行う酒造会社は、社長が個人登録した水田を使用している。
◆酒米は育てるのに手間がかかり、酒造りに十分な収量を得るのは容易ではない。95年から酒米「兵庫北錦」の自社生産を始めた兵庫県北部の香住鶴(株)は、これまで他の生産者から購入した酒米も混ぜていたが、今年から100%自社栽培の酒米で純米酒を製造し、夏ごろに売り出す。
◆米作りの原点を見直し、手間暇を惜しまず「本物の味」にこだわる姿勢が、きっと日本酒ファンの心をとらえるはずだ。
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