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インドIT産業の現況とその躍進の秘訣とは
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/02/15/009.html
大川淳2005/2/16
「日本は、インドのIT産業との交流を深めるべき」。アジアITビジネス研究会が開催した「インドIT産業の現状 オフショア開発の強みと問題点」と題するセミナーで、クリシュナクマール・スンタラム氏はこのように強調した。同氏はコンサルティング会社の米ヘッドストロングの日本法人で、ビジネスデベロップメントディレクターを務めている。
インドでは、この30年余りで産業構造が大きく変容している。71年には農業46%、製造業44%、サービス業10%だったが、2004年には農業22%、製造業27%、サービス業51%となっている。生産人口、あるいはその予備軍の若さも見逃せない。25歳以下の人口比率が53%もある。中国では41%、米国が35%、日本は27%にすぎない。
インドのIT産業の内訳をみると、2003-2004年で、国内向けのソフトとサービスが34億ドル、ハード・周辺機器などが37億5,000万ドル。これに対して、ソフト、サービスの輸出は125億ドルだ。
2003-2004年から2004-2005年に向けてのIT市場規模動向の展望は、全体では125億ドルが205億ドルに、輸出は96億ドルが163億ドルに、国内向けは28億ドルが42億ドルにそれぞれ成長すると見込まれている。ソフトへの需要(2003-2004年)を産業別でみると、最多は金融向けで40%、次いで製造業が12%だが、医療、通信、小売、政府機関などの構成比は1ケタ台に留まっている。
輸出相手先として最も大きいのは北米で、2001-2002年には66.7%だったが、2004-2005年には67.7%になると予想されている。これに次ぐのは欧州で、同じく23.7%から21.2%になるとみられている。一方、日本は、2.5%から2%になるとの見通しだ。
このようなインドIT産業躍進の原動力は「教育にある」(同氏)。同国の優秀な人材の多くは、米国の大学に留学する。そのまま現地の有力企業に就職する人々は、米国との橋渡しとなり、米国への輸出が66%以上と突出している背景には、彼らの存在が大きな意味をもつ。さらには、これらの人的資源が帰国して、母国のIT産業の基盤を支えている。米国の大学には、6-7万人が留学している。他方、日本の大学へのインド留学生は264人しかいないという。
同氏は、いま、世界の工場として、インドと同様にIT産業の発展著しい中国との差異にも言及した。インドでは、25社以上の企業が5,000人を超える従業員を擁し、そのうち10社は1万人を上回るが、中国では、8,000社に上るソフトウェア企業の75%は、50人以下であり、2,000人以上の企業は5社に留まる。
また、米国と日本との比較では以下のように指摘している。米国では既存システムを頻繁に新しくしており、金融系では、旧来のシステムからオープンソースへの移行が進んでいるという。コスト削減への志向が高く、精緻なサポートを要する高度な作業は自前だが、ちょっとしたデザイン、開発、試作などの、比較的、水準が高くない業務はアウトソーシングにしている。意思決定が早く、最適な国際的展開をしている。
日本は、主要なシステムはそれほど刷新されず、副次的なシステムの付加に留まる。金融系は、現状システムの革新には消極的だ。高度な作業だけでなく、重要度が低い作業まで自前にこだわる。稟議などがあり、意思決定には時間がかる。
日本からの、インドITに対しての一般的感覚は、「インドは、メンテナンスなどのローエンドの業務への意識が低く、日本語のわかる要員が足りず、インドの現地で作業に当たる形式のアウトソーソングは透明性が低い」(同)というようなものだった。
だが、同氏は、「実際には、インドは、日本語のできる技術者の養成を進め、特に金融向けの仕様への対応力を重視し始めている。日本との長期的な契約関係の樹立を望んでおり、日本の国内事情に依拠した、系列、根回しといったことについても理解が進んでいる」と語る。
逆に日本側には、「インドのITの実情をわかって欲しい。相互的な留学の促進や技術者の交換など人的交流を活発化させ、インドへの発注は、比較的小さな規模のアウトソーシングから始め、徐々に大規模システムへの移行を検討すればいいのでは。日本語が使える技術者は増えており、彼らを活用すべき」(同)と主張する。
同氏は、「インド国内に、日本との事業を拡大する上での拠点となるような『ITパーク』を設置」することも提案、「文化的なやり取りも含め、相互理解を深めることが重要だ。欧米は、インドのリソースをうまく利用して、実績を挙げている。自国内での業務と、海外での業務に任せる部分の比率を最適化すれば、コストはさらに低減化できる」としている。
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