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(回答先: JMM [Japan Mail Media] 超金融緩和政策のメリットとデメリット 投稿者 愚民党 日時 2005 年 2 月 14 日 19:55:33)
http://www.asahi.com/paper/business.html
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■日銀の目標値、曲がり角 金融の量的緩和策
当座預金残高、30兆円維持難しく
日銀当座預金残高の推移
日本銀行は現在の金融政策で採用している量的緩和策について、その運用手法の変更を検討しはじめた。緩和の目標値としている日銀当座預金残高は、いわば銀行がいざというときのために余らせている資金。90年代後半には金融不安が広がってこれが積み上がった。その後、日本経済の低迷で利下げを続けた日銀はゼロ金利を通り越して量的緩和を導入。デフレ脱却のために当座預金残高の積み上げを目標に掲げてきた。だが、金融不安が去り、最近では目標維持が難しくなっている。(多田敏男)
日銀の現在の当座預金残高の目標水準は「30兆〜35兆円程度」。それが数カ月中にも下限の30兆円の維持さえ難しくなるとの見方が強まっている。16〜17日の金融政策決定会合を前に、日銀内には一時的な下限割れは認めてもいい、との声も浮上してきた。
市場の実勢に合わせて目標水準そのものを引き下げる選択肢もあるが、金融市場から「金融引き締めへの転換」と受け止められかねない。そうなっては微妙な景気に冷や水を浴びせかねず、日銀には慎重論が強い。
日銀は01年3月に量的緩和政策を導入。当座預金残高の目標を当初の5兆円から順次引き上げ、昨年1月からは「30兆円から35兆円程度」にした。市場が不安定なときに35兆円を上回って供給することを認めるただし書きはあるが、下限には留保条件はない。このため日銀は買い入れる手形の期間を延ばすなど四苦八苦しながら、毎日、金融調節で30兆円以上を維持している。
とはいえ、金融機関の経営は安定に向かい、大量の手持ち資金を用意しておく必要性が薄れている。日銀が資金供給のために手形買い入れ入札を実施しても、金融機関の応募が予定金額に達しない「札割れ」が相次ぎ、3日には30兆3700億円と、目標の下限近くまで残高が低下した。
日銀の金融政策決定会合のメンバーである須田美矢子審議委員は9日、北海道での懇談会で「資金供給が難しくなった時に一時的に残高目標を下回ることを認めるという考え方もある」と述べた。日銀内にも「入札の技術的問題で一時的に下回るのは仕方がない」という考え方が強まり、日々の残高を目標とするのではなく、「一定期間の平均値をとったらどうか」との案も浮上している。
残高目標水準そのものの引き下げを検討すべきだとの意見も一部にはある。金融不安の払拭(ふっしょく)による金融機関の資金需要後退は本来歓迎すべき動きであり、一時的要因とは片づけられないとの見方からだ。
ただ、日銀はこれまで、残高水準を引き上げれば緩和効果が増すと説明してきた。水準を引き下げれば、ゼロ金利解除以来4年半ぶりの「引き締め」への転換と受け止められかねない。同様に、一時的にせよ下限割れを認めれば、緩和姿勢の後退と見られる可能性もある。
目標水準の引き下げができなければ、現在、毎月1兆2千億円に上る長期国債買い入れの増額が議論の対象になる可能性もある。日銀内には国債の今以上の大量保有に警戒感が強く、増額は避けたいのが本音だ。景気やデフレの動向をにらんだ議論が続きそうだ。
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《キーワード》量的緩和 日銀が01年に導入した前例のない金融緩和策。日銀当座預金残高を高い水準(現在は30兆〜35兆円)に保っている。これは金融機関が日銀や他の金融機関との資金決済などのため日銀に開いている口座の預金で、金融機関は一定額を積むように義務づけられている。金利がつかないため、これを増やしても利益にならない。日銀は大量の資金供給でこの残高が積み上がるように誘導し、金融機関がより有利な運用に資金を回す効果を狙っている。
http://www.asahi.com/paper/business.html