現在地 HOME > 国家破産38 > 947.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
外資系課税で反発 海外メディア「小泉政策とは矛盾」財務省「適正化当然の措置」
海外からの対日投資が高水準で推移している中で、租税回避行為とみられる案件が増えており、財務省が対抗策を強めている。十七年度税制改正では、海外投資家の投資ファンドを通じた利益への課税強化を打ち出した。これに対し、海外メディアは投資縮小をちらつかせて批判を展開しているが、財務省は「日本国民に負担増を求める時代に課税の適正化は当然の措置」と譲らない姿勢を示している。(大塚昌吾)
十七年度改正での課税強化は、海外に居住する投資家が投資ファンドを通じて得た利益に対し、新たに課税できるようにする。
これまでは課税の対象外だったが、関連税法の改正案が今国会で成立する見通しで、政令改正も合わせて行い、四月施行を目指している。
新生銀行を傘下に持つ米投資ファンド、リップルウッド・ホールディングスが昨年二月の同行再上場前に得た二千億円超の同行株売却益に対し、課税できなかったことが、租税回避として国会で取り上げられたのがきっかけだ。同行の前身の旧日本長期信用銀行の破綻(はたん)処理には、公的資金約三兆六千億円が投入されており、「課税逃れではないか」との批判が噴出した。
現行税制では、企業の25%以上の株を保有していて5%以上を売却する場合は、「事業譲渡」とみなして課税できることになっているが、投資ファンドの場合、投資家である個々の組合員が投資組合を通じて投資する仕組みのため、事業譲渡の条件を満たさず、新生銀行のような例でも課税されない不備があった。
今回の改正では、投資組合を通じた投資が事業譲渡にあたるかどうかを組合員全体の保有株数と売却株数の合算で判断。そのうえで個々の組合員の所得から源泉徴収する方法に切り替える。
この改正に海外メディアが噛み付いた。「与党が日本企業を買収する海外投資ファンドをハゲタカになぞらえ、大衆を引きつけるために税制を利用している。直接投資を呼び込みたいとする小泉純一郎首相の政策と矛盾する」(ウォールストリート・ジャーナル)などと批判。海外投資ファンド九社も「先進国では投資家の居住国での課税が一般的」との意見書を主税局長に提出した。
しかし、財務省では「増税ではなく、課税対象なのに課税できなかったものを適正化するだけ」と反論した。
同省では今後も租税条約改正などを通じ、租税回避行為に対する課税を強化する方針で、海外勢との摩擦は今後も強まりそうだ。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/15kei003.htm