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ニセ千円札被害急増ですが… 自販機、刷新及び腰
警察 識別感度アップして/業界 売り上げダウンいや
ジュースやたばこなどの自動販売機で、旧千円札の偽札被害が急増し、警察庁などは自販機の識別性能アップを飲料メーカーなどに繰り返し要望している。ところが、メーカー側は、古い真券が使えなくなり売り上げが落ちることや、改良コストの負担などに難色を示し、改善はなかなか進まないようだ。特定メーカーの自販機で被害が特に多いなどの情報も飛び交うようになった。自販機から偽札が締め出されるのはいつのことか…。
警察庁によると、全国で発見された旧千円札の偽札は、平成十一年はわずか二十五枚にすぎなかったが、十六年は十一月末現在で一万三千四百十枚と五百倍以上に増加。偽札全体の七割前後を旧千円札が占める。
特に十三年に無線マニア向けの雑誌が、市販のコピー機やパソコンで簡単にできる偽造方法を紹介した直後から、出回る枚数は急増したとみられている。
多くは、札をスキャナーで読み取りカラーコピーしただけの簡単な作り。だが、真券に似た磁気インクを使うことで、金融機関のATM(現金自動預払機)などに比べ、識別感度が落ちる旧型の自販機などで通用するのが主な特徴だ。
大阪府警と群馬県警が昨年、通貨偽造容疑で逮捕した男は、自宅のパソコンで作った偽旧千円札約七千枚を三十一都府県の自動販売機で使用、いずれも識別装置をくぐり抜けて、次々と釣り銭を手にしていた。
同様の偽札事件で逮捕されるのも、暴力団関係者から、会社員、美容師、中学生まで、かつて例にないほど、個人でお手軽に偽札作りが行われている現状が明らかになっている。
このため、警察庁や財務省は、自販機で偽札が使われる事件が起きるたびに、業界団体を通じ、飲料メーカーや自販機メーカーに識別装置の改善を要請してきた。
ある警察当局の捜査幹部は「特定の飲料メーカーの自販機で、偽札の被害が多いという情報もある。偽札を使わせないためにも各企業で努力してほしい」と述べる。
ところが、メーカー側の反応は早いとはいえない。最大の言い分は、感度がよくなると売り上げが下がるという皮肉な現象。
識別装置の性能を向上させると、古い札の中には、真券でもしわや汚れで使えないケースが増える。「真券なのに自販機に投入した札がはねられると、他社の自販機へ客が流れる」という。
コストもメーカー側が改良をためらう大きな理由。ある大手飲料メーカーでは、昨年十一月に新紙幣が発行された際にも、十七万台の自販機の識別装置を変えるために数億円をつぎ込んだ。
「自販機の被害は偽札だけではなく、盗難、破損などといった犯罪もある。ジュースなど単価の少ない商品のために、大きな投資はしにくい。頭の痛い問題だ」といった声もあがっている。
<偽千円札などをめぐる最近の主な動き>
13年 無線マニア向け雑誌が、自販機で通用する旧千円札の偽造マニュアルを紹介。以後、パソコンなどを使って簡単に偽造した偽札が全国で出回る
16年2月 偽旧千円札を作り、九州一円で使っていた暴力団組員が逮捕される
3月 全国31都府県の自販機や両替機で偽旧千円札を使っていた会社員らが逮捕される
11月 1万円、5千円、千円の新札発行
同 パソコンなどで偽旧千円札を作って使い、クラスメートにも配っていた東京都内の中学生が逮捕される
17年1月 年始の混雑に紛れ神社、寺院で、偽旧1万円札などが相次いで使われる
http://www.sankei.co.jp/news/evening/15nat001.htm