現在地 HOME > 国家破産38 > 887.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
社保庁どう解体 政府・自民、具体案づくりへ 不信払拭の正念場
政管健保分離/歳入庁創設…
社保庁の組織見直し論が浮上したのは、年金改革議論の中で保険料を職員宿舎やゴルフボール費用などに充てていた無駄遣いや、窓口対応の悪さ、年金納入情報の業務目的外閲覧などの実態が発覚し、年金不信を増大させたため。厚生労働省の調査で、監修料汚職事件などで摘発された業者から、百人に上る職員が金品を受け取るという組織的な腐敗も明らかになり、政府・自民党は組織解体は避けられないと判断した。
社保庁が内部統制を欠き、構造的な腐敗体質を抱えているのは、「三層構造」と呼ばれる社保庁特有の職員組織がある。本庁幹部は厚労省採用のキャリア職員の指定席で、その下に本庁採用のノンキャリア職員が位置し、徴収や年金相談などの現場業務を行う地方採用職員が続くという構図だ。
都道府県単位で採用された地方職員はかつて都道府県知事の指揮下にあり、「気分は地方公務員」といわれるほど。厚労省、社保庁本庁、地方庁と分断された組織はそれぞれに内向きで閉鎖的になり、地方職員の労組が都道府県定員見直しや都道府県を越えた異動の禁止といった人事権、勤務評定、業務の指揮権を縛る内容の覚書を締結させるなど、非効率で硬直化した組織運営に陥った。
政府内では、こうした組織を改革するため、年金と、社保庁が中小企業の従業員向けに運営する政府管掌健康保険(政管健保)の両業務を分離する案が浮上している。
政管健保を都道府県単位に再編し、独立行政法人などの公法人に移管。年金業務については強制徴収など公権力行使を必要とする部分を除いて大幅に民間委託し、運営部門を同じく独立行政法人化するアイデアなどが有力視されている。また、徴収業務を国税庁と一緒に行う「歳入庁」を創設し、保険料と税の一体的徴収をすべきだとの意見もある。
ただ、政管健保の都道府県単位への再編は都道府県の負担増も予想されることから反発が見込まれる。医療費の地域間格差の是正策という、新たな課題の解決も難題だ。
年金業務の民間委託についても、昨年末の社保庁業務の「市場化テスト」(官民競争入札)で情報管理問題が大きな議論となっただけに、加入者の個人情報保護をどのように担保するかが最大の課題となりそうだ。歳入庁構想も、税と保険料では徴収対象人数をはじめ仕事の進め方が異なっており、実現へは乗り越えるべきハードルは多い。
独立行政法人化すること自体への懸念もある。独立行政法人化すれば、国会の監視の目が届きにくくなるためだ。「どのような組織に変わろうが、国会のチェック機能が働くような仕組みを導入すべきだ」(自民党中堅)との声も強まっている。
自民党は四月、政府の有識者会議は五月をめどに最終案をまとめる予定だが、国民の信頼を回復し、国民年金の収納率の改善につなげられるかどうかが最大のポイントになりそうだ。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/13pol003.htm