現在地 HOME > 国家破産38 > 885.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
2005年02月13日(日)
高額洗濯機が人気 乾燥機一体型 技術力で高付加価値、ニーズ掘り起こす
韓国や中国製品の攻勢で価格下落が続く白物家電で、洗濯機だけは高額商品が飛ぶように売れている。昨年には主要製品の中で唯一、平均単価が上昇に転じ、国内メーカーや小売り関係者を喜ばせた。市場を牽引(けんいん)しているのは、衣類乾燥機一体型など十数万円もする高付加価値商品。日本の技術力で消費者のニーズを掘り起こし、新たな利益を生んだ。各メーカーは今春も新製品を相次いで投入する方針で、激戦区の様相となっている。(上野嘉之)
《廉価版と差別化》
日本電機工業会の国内出荷統計によると、白物家電は平成十四、十五年にすべての主要製品が前年より安くなるなど価格下落が進んでいるが、昨年は全自動洗濯機だけが前年を3ポイント上回った。出荷総額も前年を6・2%上回る二千二百八十五億円となり、好調ぶりを見せつけた。
価格を押し上げたのは「洗濯乾燥機」と呼ばれる衣類乾燥機一体型の商品。平成十二年に松下電器産業が発売した後、他社も参戦して市場を押し広げた。通常の全自動洗濯機が三万−八万円なのに対し、洗濯乾燥機は十一万−十八万円と高額だが、小売店では洗濯機全体の売り上げの半分を占めるようになっている。
人気の理由は数多い。乾燥という付加価値の明快さに加え、最近はドラム式と呼ばれる横型の機種が増え、見た目も新鮮だ。他の家電と比べ、高額品と廉価版の差別化がはっきりしている。
「ライフスタイルを変えられる商品。忙しい方に『こんな使い方を』と提案している」(ビックカメラ有楽町店)という小売店の販売努力も奏功し、共働き家庭などに歓迎された。従来は廉価モデルに流れた独身者や単身赴任者も、便利さには出費を惜しまない傾向があるという。
《「家電の主戦場」》
こうした市場の変化をもたらしたのは、別々だった洗濯機と乾燥機を一体化し、省スペースと使いやすさを両立した国内メーカーの技術力だ。
最初に市場を切り開いた松下電器は、十五年にドラムを斜めにして洗濯物を出し入れしやすくした製品を発売し、現在もヒットを続けている。従来製品に対する顧客の不満を技術と工夫で克服した成果だ。同社の高見和徳ナショナルマーケティング本部長は「安さだけでなく、お客さまに機能、性能を正しく評価してもらえるようになった。洗濯乾燥機は家電の主戦場になる」と力強く語る。
「松下さんの独り勝ちだった」とうらやむ三菱電機も今月、使いやすさとエコロジーを打ち出した新製品を発売する。白物家電の発売は通常、夏のボーナス商戦前に集中するが、同社は「少しでも早く市場に送り出して認知度を高めたい」(広報)と意気込んでいる。
《買い替え需要も》
大画面テレビやDVDなどデジタル家電が値崩れした中、小売店からも「価格上昇は率直にありがたい」と喜ばれている洗濯機市場。今春はスギ花粉の大飛散により洗濯乾燥機の需要が増えるとの期待も。さらに、白物家電は平成九年の消費税増税前に駆け込み需要があったことから、今後数年間は買い替え需要の追い風も吹きそうだ。
一方、韓国メーカーにも追随の動きが出始めた。現状では「騒音や省エネ・節水性能、乾燥の仕上がりなどで国産に及ばない」(量販店)というが、改良が進めば脅威だ。激化する商戦の今後は、新たな性能や機能で市場開拓を進めるメーカーの技術力にかかっているといえそうだ。
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/keizai/20050213/m20050213012.html