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経済総合
日本IBM出身者 通信業界でもてもて トップ就任続々
外資系のスピード経営狙う
通信業界で、日本IBM出身者のトップ就任が相次いでいる。ソフトバンク系の日本テレコム、東京電力系のパワードコムに続いて、一月には京セラ系のウィルコム(旧DDIポケット)に日本IBM育ちの社長が誕生した。かつては業界の雄であるNTT出身者が多かったが、業界の競争が激化し、外資系のスピード経営を吸収しようというねらいがありそうだ。(冨岡耕)
「PHS(簡易型携帯電話)のイメージを変えたい」。二日にDDIポケットから社名変更して新たな船出に挑むPHS最大手、ウィルコムの八剱(やつるぎ)洋一郎社長は、こう抱負を語った。
八剱氏は大学を卒業後、日本IBMに入社。その後、日本AT&T社長を務めたあと、日本テレコムの副社長に。さらにDDIポケットに移り、一月十七日に社長に就任した。
パワードコムの中根滋社長は日本IBMを退社後、外資系IT(情報技術)企業を渡り歩いたあと、昨年六月に就任。「通信業界も日本企業も初めてだったが、IBMで学んだ経営手法は役立つ」と強調する。IBM時代に中根社長の上司だった倉重英樹氏は昨年二月、日本テレコムの社長に。五月にはソフトバンクの傘下入りし、通信業界を激震させた。
三者ともにそれぞれの社内では「エネルギッシュで明確明瞭(めいりょう)。判断力が速い」と評判は上々だ。
これまでの通信業界は、NTTが人材供給源を担ってきた。KDDIの小野寺正社長をはじめ、ADSL(非対称デジタル加入者線)大手のイー・アクセスの千本(せんもと)倖生(さちお)会長兼CEO(最高経営責任者)、通信ベンチャーのフュージョン・コミュニケーションズの角田忠久社長…。わずか二カ月で社長交代を発表したボーダフォンの津田志郎氏もNTTドコモ副社長から転じている。
業界の事情に長年精通し、技術動向にも詳しいNTT出身者が重宝されてきた結果だ。
ただ、業界ではインターネットの普及や距離に関係ないIP(インターネット・プロトコル)電話の拡大で、回線を売って安定した収入が期待できたビジネスモデルが崩壊。「顧客提案力や問題解決力が新たに求められるようになっている」(業界関係者)ことが、“NTT離れ”を加速させ、業界外のトップを招く構図を作った。
では、なぜ日本IBMなのか。同社の幹部は「われわれは『野ガモになれ』といわれてきた。だから、野に放たれても強く生きていけるような独立向上心の強い人がもともと多い」と分析。若いころから経営者としての人材育成を受けるなど研修にも定評がある。
実際、コンピューター業界でも、日本オラクルで佐野力氏、新宅正明氏と二代続けて日本IBM出身者が社長を務めているほか、日本SGIの和泉法夫社長や日本HPの高柳肇前社長など、枚挙にいとまがない。
オラクルの新宅社長は「(国内産業色が強い)通信業界でも、海外経験が豊富な人材が求められているのでは」。これに対してNTT東日本の幹部は「(企業向けに強い)IBMの出身者が、通信分野で消費者向けに力が発揮できるかは疑問だ」と牽制(けんせい)する。
日本IBMの出身者が、通信業界に“風穴”を開けられるか、今後に注目が集まっている。
12日02時54分 経済総合一覧
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