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<メキシコ経済相>日墨FTA交渉の舞台裏明かす
メキシコのカナレス経済相は11日までに毎日新聞と単独会見し、今年4月1日に発効する日墨自由貿易協定(FTA)の交渉の舞台裏を明らかにした。経済相は「日本の交渉者にスペイン語を話す者がなく、メキシコ側に日本語が分かる者がおらず、思い込みやすれ違いが目立った」と述べ、03年から04年にかけ交渉が行き詰まった要因の一つは「両国の物の考え方の違い」との見方を示した。また、経済相は米国が05年に締結を目指していた米州自由貿易地域(FTAA)構想について「年内の合意は無理」と述べ、大幅に先延ばしされるとの見通しを示した。
カナレス経済相は日墨FTA交渉の閣僚級の代表で、03年10月のフォックス大統領の訪日1週間前に来日し大詰めの交渉に当たった。この時、日本側は両国首脳による「実質的合意」にこぎつけようと模索したが、結局物別れに終わり、04年初めまで事実上交渉は頓挫した。
日本側は形だけでも合意にこぎつけたいという思いが強く、一時は「9割方合意」といった政府発表が流れた。これに対しメキシコ側は「一つでも納得できない項目があれば合意できない」との姿勢を貫いた。合意事項を積み上げ、細部は後で調整しようという日本側と、一つでも不満があれば合意できないとするメキシコ側がぶつかった形だ。「両国代表は通訳を介したり英語で話し、理解し合った気になっていたが、こうした合意の大前提を誤解していた」と経済相は明かす。
04年1月以降、日本側が肉類、オレンジ、オレンジジュースの無税枠で大幅な譲歩を示し、両国は3月の実質合意に至った。「日本側の急展開に驚きというほどではないが、随分譲歩してくれたと思った」と経済相は振り返る。
「(03年11月の)日本の衆院選や組閣の結果、(農水族ら)反FTA派の声が大幅に後退したのが大きく、つまり日本国民の選択が我々の風向きを変えてくれた」というのが経済相の見方だ。
また、メキシコは米国に押される形で、キューバを除いた米大陸・カリブ圏全域のFTAA構想を進めてきた。これについて、経済相は「米州地域ではすでに2国間でかなりFTAが進められており、FTAAは政治的象徴という意味合いが強く、急務ではない。反対派のブラジルが来年、大統領選を控えており、交渉が大幅に進展する見込みはない」と語った。
米国主導の構想が後退する一方、ブラジルやアルゼンチンなど南米諸国は中国との投資促進やエネルギー協力を急いでいる。「メキシコも昨年9月に閣僚級多数が訪中しており、近く投資を盛り込んだ合意を発表する」と語り、中国との関係強化を訴えた。【メキシコ市・藤原章生】
(毎日新聞) - 2月12日3時5分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050212-00000014-mai-bus_all