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(回答先: JMM:アメリカは「戦時」を続ける力も、新たな平和を創出する力も失った【論点から逃避する政治】 (冷泉彰彦) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 2 月 05 日 19:08:27)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/06kei002.htm
米「双子の赤字」、「世界経済全体の課題」 G7共通認識広がる
【ロンドン=小雲規生】先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は、米国のスノー財務長官が病気で欠席するなか、ドル安要因となっている米国の財政・経常収支の「双子の赤字」への対応に注目が集まった。ブッシュ米大統領は一般教書演説で二〇〇九年までの財政赤字半減を公約したが、その実現性について不安をぬぐい去れないのが各国の本音だ。ただ、米国の財政悪化にはテロ対策やイラク戦争の戦費負担という特殊事情もあり、双子の赤字削減を世界経済全体の課題としてとらえる共通認識も広がってきた。
財務長官の代理を務めたテーラー財務次官は会議に先立ち、「私が伝えたいメッセージは、ブッシュ大統領が財政赤字削減の重要性を言明したということだ」と記者団に語り、ブッシュ政権の財政健全化に向けた決意に理解を求めた。
米国の双子の赤字は巨額だ。二〇〇五会計年度(〇四年十月−〇五年九月)の財政赤字は、追加支出も織り込めば四千二百七十億ドルに達する見通し。経常赤字は二〇〇四会計年度の実績で六千三十二億ドルとなり、八年連続で拡大している。
こうした米国の状況に各国も危機感を強めてきた。G7に出席経験がある国際金融関係者は「どの国にも『これだけ双子の赤字を拡大させた米国が好調を維持できるのか?』という疑問がある。米国が市場からの信認を失えば、ドル急落という最悪の事態も起こりうる」と心境を明かす。
対日貿易赤字や冷戦期の軍事費増加を背景に米国の双子の赤字が深刻にとらえられていた一九八五年には、先進五カ国がドル高是正に取り組む「プラザ合意」を実現。その後、一ドル=二四〇円程度だった為替レートは一年間で一五〇円台まで円高に振れた。
現在、米国の矛先は最大の貿易赤字の相手である中国に向いている。テーラー財務次官は四日、グリーンスパン連邦準備制度理事会(FRB)議長とともに、周小川・中国人民銀行総裁と会談。中国が「できるだけ早期に」柔軟な為替レートに移行するよう要請し、人民元の実質的な切り上げを求めた。
ただ、中国側は人民元改革よりも国内の金融機関強化を重視しているとされ、「今は(人民元切り上げの)時期ではない」(周総裁)との立場を崩していない。
日銀関係者も「実際にはプラザ合意後も双子の赤字は解消されなかった。結局は米国が輸出を増やしたり、国民の貯蓄率を上げるといった構造改革を続けるしかない」と話しており、プラザ合意のような元切り上げの劇的な政策協調は非現実的だ。
市場では、米国と日欧の経済状況を比べれば、経済成長が続き、金利も高い米国のドルが急落することはないとの見方も根強い。世界経済を支える資金の流れを安定させるためには、米国には赤字削減、日欧には経済成長力の回復という地道な政策協調の努力が求められている。
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■声明骨子
一、世界経済の成長は緩やかになったが、依然として力強い
一、持続的な成長のため、米国は財政健全化、欧州と日本はさらなる構造改革が優先課題
一、原油価格の安定には市場の透明性が鍵
一、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、好ましくない
一、為替の柔軟性を欠く主要国・経済地域はさらなる柔軟性が望ましい
一、津波被災国に対して最大二〇〇五年末まで債務の支払いを猶予。次回会合で、さらなる支援の必要性を検討
(ロンドン 小雲規生)