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ロンドンG7で予想されるテーマ
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■双子の赤字削減一致へ 新興国参加は定着 4日からG7
主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が4、5日、ロンドンで開かれる。焦点は米国の「双子の赤字」問題だ。好調さを持続する米経済に対し日欧経済は軟調なのに為替市場で円高ドル安、ユーロ高ドル安が進むのは、背景にその構造問題が横たわるからだ。また今回は準メンバーのロシアに加え、中国、インド、ブラジル、南アフリカの新興5カ国がゲスト参加する。先進主要国クラブだったG7も、急成長する新興国抜きに世界経済を動かせなくなったことを象徴する会合となりそうだ。(中野和郎)
為替市場は昨秋以降、米国の経常赤字と財政赤字の「双子の赤字」を材料に、1ドル=110円から一時101円台まで円高ドル安が進展した。ユーロも昨年末にドルに対して発足以来の最高値をつけ、欧州の金融当局は「ユーロは高すぎる」との不満を漏らした。
2期目に入ったブッシュ政権が「赤字削減」の姿勢を打ち出したことで、最近はドル売り相場は一服した。このため、日欧もG7で米国の姿勢を支持すると見られる。実際にはイラク戦争の戦費負担などが重く、米の赤字削減は簡単には進まない見通しだが、ここは為替市場にG7の協調姿勢を見せておく方が得策、との考えで一致している。
●米と景気に差
昨年10月のワシントンG7では、世界経済を「成長は力強く、05年の見通しは依然として良好」としたが、ここにきてその楽観論に陰りが生じている。日本の04年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)は前期比0・2%増に減速。ユーロ圏12カ国の05年1〜3月期の実質GDP伸び率も0・3〜0・7%と低成長の見通しだ。
これに対し、米国は04年10〜12月期の実質GDPが年率で前期比3・1%増とまだ堅調。米国が今後も景気拡大を続けながら、同時に経常赤字を削減するには、日欧が対米輸出などで米経済に依存する体質を改めなくてはならない。日欧はその点を米国から求められることになりそうだ。
●人民元も焦点
また、G7は今回初めて、中国、インド、ブラジル、南アフリカの財務相も加えた朝食会を設ける。これに他の議題の会合に出席予定のロシアも加わり、新興5カ国が顔をそろえる可能性もある。
中国は前回のG7に続く参加で、金人慶(チンレンチン)財務相と周小(チョウシアオ)川(チョワン)人民銀行総裁が昼食会にも出席する。G7側は中国に人民元切り上げと過熱する経済の抑制を求める模様だ。
これらの新興国は経済規模でG7の下位グループを追い越しつつある。原油価格高騰や温暖化の解決も、エネルギーを大量に消費する新興国の協力が欠かせない。国際金融関係者は「新興国抜きで世界経済は語れない。G7への招待は定番化するだろう」とみる。
●被災国支援は
一方、今回は貧困国の債務削減問題が討議される。スマトラ沖大地震と津波の被災国への支援も議題だ。アフリカ支援は今年の主要国首脳会議(G8サミット)の主題で、各国が支援策を持ち寄って議論を始める。ただ、債務の全額削減を主張する米英と、一部削減にとどめて新規融資の継続を訴える日本の考えには隔たりがある。結論は先になりそうだ。
http://www.asahi.com/paper/business.html