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貨幣量増加分÷物価=利益、ならば、デフレの日本は財政を拡大すべきなのだ。
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投稿者 TORA 日時 2005 年 1 月 27 日 14:15:07:CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu87.htm
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「米国のおいしすぎる基軸通貨特権」貨幣量増加分÷物価
=利益、ならば、デフレの日本は財政を拡大すべきなのだ。

2005年1月27日 木曜日

◆〜米国のおいしすぎる基軸通貨特権〜 2005年1月3週 GCAMS株式情報
http://www.gcams.co.jp/stock/mkt/0501_3.htm

ある機関投資家が、米国の基軸通貨特権について以下のような話をしている。

通貨発行収入とは通貨発行権による利得で、通貨発行者だけが独占的に得ることのできる富のことだ。貨幣を悪鋳すると「貨幣量増加分÷物価」分だけの実物的利益を得ることができる。ローマ時代、軍事費と宮廷費を賄うため、貨幣の金含有量を減らせる「悪貨鋳造」は続き、貨幣による国民の富は搾取された。

貨幣発行権特権は、「国王と財務卿に自己規律がない限り濫用される」というのが本質的な性格だ。例えば金1g=1400円のとき、1 gを使って2000円金貨(通貨)を発行すれば、国王は600円の差益を得ることができる。これが紙幣だとまるまる差益となる。

今、これを世界的に見れば、貨幣発行権特権による利得は「ドル基軸通貨特権」となり、米ドルを発行する米国が持っていることになる。米国は、貿易黒字国から通貨発行収入を自動的に得ていることになる。

貿易で購入した製品に対する対価として米ドルを刷って渡すだけで、貿易黒字国のように汗水流し苦労して輸出先を開拓し商品やサービスを販売して稼ぐ必要はない。ドル札の発行コストは、米連邦準備理事会の人件費や建物設備の維持管理費用、印刷関係費だけだ。米国にとって「マネー」とは汗水流し苦労して稼ぐものではなく、ドル札として印刷するものでしかない。

米商務省が12日に発表した2004年11月の米貿易赤字は約603億ドルと単月で600億ドルを突破し、1−11月の赤字額は5613億ドルとなっており、12月推定値をあわせると2004年で6000億ドル(約60兆円)突破が確実となっている。これで4年連続史上最高の赤字記録を更新する。円換算60兆円の貿易赤字額とは、貿易黒字国がドル紙幣と米国債として受け取る額でもある。

貿易黒字国は、基軸通貨の米ドルなら、米国以外の他の国からも米ドルで商品を買えるという点に「ドルの価値」を認めている。無論、ドルの信用はこうした純経済的なものだけではなく、圧倒的な軍事力や国際政治力もこれを支えている。

特に現在は、米ドルの通貨信用の根底は「軍事力」の色彩が強い。結局、米ドル価値の信用は、米国以外の国々が、米国の通貨を信用することによってドルの国際価値が維持され、背景は何であれ、その国際価値を認めるから米ドルを信用するといった構造で成り立っている。

「信用」は手形の裏書保証のごとく、あちこちに連鎖している。どこかがつぶれると繋がるところは損失をこうむる。米国は米ドルの過剰供給を続けてきたが、5年、6年続いたとなると、その信用もぐらつき始める。

最後にぐらっとくる時は、米国債や米ドルが売られ、極端なインフレーションが起こる。「デフレ」→「インフレ」→「実物資産との通貨リンク(=貨幣価値の再構築)」となる流れは今までの歴史で何度も繰り返してきたことだ。

インフレは、貨幣価値の下落で、100ドル札でありながら、それ以下の価値の(例えば80ドルの)食物や製品しか買えなくなる現象だ。通常、貨幣の総価値は交換できる生産物の総量で計るが、その価値の下落は、生産能力より過剰に貨幣(または国債)が発行されることを原因としている。

貸借対照表で国債と貨幣は区分されてはいても、国債はその換金性から貨幣と一体化し、貨幣の次に信用される準貨幣となっている。なお、米ドルが減価した場合、その被害は貨幣を刷って渡した米国ではなく、その米ドルの価値を信じて受け取った(日本や中国等の)対米貿易黒字国が大きな損失をこうむことになる。

財政赤字のGDP(国内総生産)比率を3%以内と規制しているユーロは、現在も貨幣規律を保っている。2000年にユーロを形成した理由は、米ドルの金融力に支配される経済からの離脱であり、ユーロ諸国は、政治的に反米に傾斜している。

すでに米国のGDPを超える規模となっているユーロ経済は、アジアの国々のように米国輸出に依存していない。東欧とロシアを含みブロック経済を完成し、アラブからの石油が恒常的に確保できるならば、十分に自給自足ができる。そうした背景にユーロ経済圏の確立・維持のため、財政赤字についても厳格な運用との自己規律がある。

一方、基軸通貨特権国の米国の財政赤字はGDP比で5%を越え、貨幣発行高もあわせると米国の自己規律は完全に失われている。ローマのように、米国も国の上層部に自己規律がない限り、貨幣の印刷と国債の増発は続き、基軸通貨特権は濫用され、金貨や銀貨で鋳造されていない米ドルと米国債はその価値を失う運命でしかない。

貨幣は、貯蓄されると金融資産となる。それを金融機関が預かることで、その金融資産は預かった金融機関が「運用権」を持つことになる。金融機関は預金を集め、その運用にあたって経営支配権としての株式を買い、企業を支配することができる。これが金融資本と言われるものだ。

基軸通貨特権国の米国は、こうした金融資本の本質をよく知っていて利用している。今、日銀保有の4000億円の金塊も、財務省保有の8000億ドルの米国債も日本に現物はない。どこにあるかといえば米国にある。8600トンの金も米国債もFRBや金融機関が預かっていて地中の金庫にしまわれている。

米国が署名はしているが、まだ批准していない2つの国際条約がある。その1つが、金融資産の凍結に当たり国際基準を設定するためのものだ。米国は常に、戦争や有事の時の外国資産の封鎖と凍結を準備し、経済の安全保障・ドル防衛策としている。

世界に流出したように見える米ドル米国債も、実はその多くを米国のFRBや金融機関が預かっていて、「運用権」を米国が持っている。もし、米ドルの信用が落ち、貿易黒字国を中心に一斉に各国がドル預金や預けた債券を引き出す動きが見えるならば、米政府は「世界の金融システムを守る」という名目で、即時に預金封鎖、資産凍結をするはずだ。戦争相手のイラクで見ると、90年にイラクの外国資産17億4000万ドル(約1800億円)を凍結し、2003年に米国政府はそれを没収している。

米国が持つ利用金額無制限のクレジットカード「基軸通貨特権」は今後どうなるか。

イラク主権移譲後の現在も、米国は「平時」ではなく、対テロへの非常時「戦時体制下」にあるとしている。チェイニー副大統領もラムズフェルド国防長官も「こんな非常時に財政赤字など何が問題か」と平気で発言している。このことからブッシュ政権の重要な戦略は、他国に優れた軍事力を「自国の安全保障」と「米国経済」に有利になるように使うことだと考えられる。

国力の3要素は、(A)金融力を含む経済、(B)軍事力、(C)政治力であり、どの面でも米国が優れていることは事実だ。しかし、2000年以降は(A)の金融力を含む経済が危うくなっている。その背景が、円換算50兆円規模の財政赤字と60兆円規模の貿易赤字だ。通貨信用の根底の大きな一要素「経済」に赤信号が点滅している。

「財政赤字」は国債発行を必要とし「貿易赤字」は米ドルでの海外支払いを必要とするが、どちらも米ドルの弱体化の要因だ。財政赤字の削減には(1)減税政策を増税政策へ転換し(2)軍事費を削減し(3)医療費を中心とした社会福祉費を減額することが必要となる。

しかし、この3つは実行困難を伴う。また、貿易赤字(=経常赤字)を減らすには、(1)ドル安政策の進展(2)輸入の制限(3)貯蓄の増加(=消費の削減)が必要とされる。現在のドル安政策をより一層進めることは、米ドルにリスクを感じている世界各国のドル売りに火をつけることになりかねず危険なことだ。輸入制限は、部分的には可能であっても、消費の削減は難しい。多くで実現不可能となると、米国が財政赤字と貿易赤字を続けることは確定的となる。

ITバブル崩壊までは、貿易黒字国は輸出の対価として米国債と米国株式を買い、株価が上がることによってドルベースでの金融資産が増えるという好ましい循環構造があった。しかし、その結果、米国の対外純債務は、1997年から急増している。米国債の外国人保有も米国人保有の40%を超えた。

基軸通貨特権国以外の国は貿易赤字が続けば、通貨が下落して金利が上昇し、輸入に歯止めがかかるが、米国だけは貿易黒字国が米国債や米国株式に流入したため、対外支払いに困ることはなく、経済を縮小させる必要もなく、むしろそれをうまく利用することで拡大させた。

米国の金融市場は約30兆ドル(約3000兆円)にまで大きくなっているが、金融資産の額=金融負債の額で、貸手と借手の立場で異なるだけ。株式も発行する企業にとっては、資本としての負債にあたる。米国はドルの海外への通貨発行権つまり基軸通貨特権をフル活用し、「輸入品消費」「財政赤字」「金融負債」の経済を続けてきたことになる。基軸通貨特権で、利得を享受できる米国のみが唯一可能な技だ。

米国の純債務国への転落は9年前の1996年にはじまったとても新しい現象でありながら、米国の対外純債務は2004年末で約400兆円にのぼると推察されている。そして米国の対外純債務は、毎年50兆円の規模で増えていると推計される。

国際政治の駆け引きを含み、通貨政策はおよそ30年単位で見なければならない。今から34年前の1971年に、ニクソンにより突然の「金ドル交換停止」の一大通貨政策が発表された。それ以降、米ドルも他の通貨も同時にペーパーマネーとなっている。

その後30年、米国は海外への純借金が増えると、変動相場制の中でドルを切り下げることによって、実質的な債務を減らしてきた。71年以前360円だった1ドルは、現在100円で1/3以下となっている。1兆ドルの借金も、360円なら360兆円、100円なら100兆円に減価する。これが借金を減らす方法だった。米国は1985年のG5プラザ合意で「円」に対し米ドルを約半分に切り下げた後は通貨調整をしていない。

米国にとって「円」との関係が重要だったのは、対米黒字の最大国が日本で、そのため米国債を含む米ドルを一番多く貯めていたことによる。しかしこれも2003年、対米黒字で中国が日本を超えた時点から、人民元の切り上げ、つまり元に対するドルの減価策が、米国政府内部から執拗に出されるようになってきている。

次の2005年2月4、5日にロンドンで開かれるG7には、中国とロシアも参加する見通しとされる。ユーロ寄りとされるロシアもアジアの雄の中国もその経済的な影響力が大きいためとされるが、米国にとっては最大黒字国の中国の方が重要だ。中国の輸出企業は、その60%を華僑(外資)が支配している。

米国にとって、中国華僑が多額の米ドルの受手に加わったことは、相当にやっかいな問題となっている。下がる米ドルをG7が容認する、あるいは米国のドル安政策に、中国華僑が嫌気し、米ドルでの運用をユーロ等にシフトする可能性があるためだ。その意味からは、人民元切り上げ(元の対ドル高=ドルの減価)は危険な策と言える。

ニクソンショック以降の米ドルの価値は、貿易黒字国の日本が受け取った米ドルを価値が減るにもかかわらず貯め続けることで維持されてきた。しかし中国華僑の今後は、まったく不明だ。中国のユーロへの分散投資もすでに開始されている。G7構成のユーロ諸国は、もともと米ドル離れのため地域通貨統一を戦略としていることから、政治的なポーズはしても安くなる米ドルを買い支える姿勢などあろうはずもない。

2月のG7では、(1)米国の通貨政策が出るかどうか(2)中国の反応はいかなるものかに注目せざるを得ない。中国華僑が米ドル離れを起こすなら米ドルの崩落は近い。基軸通貨米ドルの崩落は、一夜で世界の大不況をもたらす。

米ドルの崩落の日本への影響で言えば、米国債を100兆円もつ金融機関が自己資本を消滅させ、80兆円をもつ財務省も更に膨大な赤字を抱える。中国、日本、そしてアジア諸国は対米輸出で経済を維持しているため、輸出がダメになり、景気は冷え込む。そして、過去から積み上げられた過剰貨幣の清算に向け、インフレが起こって、痛切な世界の痛みのなかから実物資産との通貨リンク(=貨幣価値の再構築)が行われる。

乱暴にはなく長期でゆっくりと調整するためには、米国が「基軸通貨特権」を棄て(A)世界の主要3通貨である米ドル、ユーロ、円等をGDPの割合でお互いが持ち合う一種の固定相場制とされる「通貨バスケット制度」を採るか、(B)グローバル銀行を設立し貿易通貨を発行する必要がある。

しかし、米国がおいしすぎる基軸通貨特権を棄てることは考えにくい。そうなると米ドル基軸通貨体制の終焉を無事に済ませることはできない。経済は事実だけでは動かず、人々の事実の解釈で動き、その人々の解釈は、ある日急に変わる。71年のニクソンショックから34年を経過し、軍事で支える米ドルのターニングポイントが2月のG7で見えてくるかもしれない。

さて日本株だが、短期的には高い状況を続ける可能性が高い。ECB(欧州中央銀行)総裁が「(G7では)アジア新興諸国が秩序立った為替上昇に向けて動くべきとのコンセンサスがある」とアジア通貨高を希望する発言をするなど、為替市場では2月のG7に向け円高圧力が強まる可能性が高い。その円高は輸出企業の2005年度の業績に不安を投げるが、一方で日本株に投資する海外の立場からすると、(円高による)為替差益が目論める。

この円高予想のもと、潤沢な国際マネーが日本の株式市場に流入して来る可能性がある。米国の流動性の過多が巡り巡って東京市場の大商いにつながっている。2004年12月の米国のマネタリーベースが前月比で減少したことから、日米とも足元の大商い相場は一旦終息する可能性もあるが、依然日本株は欧米株に比べて出遅れ感が強い。

そこに加えて11月の機械受注は前月比+19.9%と爆発的な伸びを示し、ファンダメンタルズの好転も認められた。これに1月28日発表予定の(1)12月の雇用統計と(2)家計調査の統計が援護射撃を行う可能性がある。11月の鉱工業生産が前月比+1.7%に上方修正された状況から考えると(1)の雇用環境が改善している可能性は高く、そして雇用改善では(2)の家計消費も盛り返しているかもしれない。

マクロ経済指標(ファンダメンタルズ)の改善基調が明らかになれば、日本の株式市場が海外から見直される可能性は十分にある。なお、2月4、5日のG7以降、ドル安・円高が短期に一気に進展すると、日本のデフレ再燃の恐れが市場に広がり、日本株は反転下落しやすくなるので、この点には注意が必要だ。(F.H.)


(私のコメント)
昨日の続きになりますが、小泉・竹中内閣は財政再建と称して緊縮財政と大増税によって赤字の垂れ流しを止めようとしている。しかし緊縮財政と大増税をすればするほど、かえって財政赤字が大きくなる。大増税をすればそれだけ可処分所得が減り消費もそれだけ減る。消費が減り緊縮財政で公共事業が減れば景気は悪化して税収が落ち込む。

小泉内閣が発足して以来そのような金融政策を行ってきた結果、財政赤字が30兆円ほどだったのに3年足らずで40兆円にもなろうとしている。3年経っても小泉首相と竹中大臣はこの関連がわからないようだ。あるいは財務省の主計局のエリート官僚が馬鹿なのか。

冒頭の論文のようにアメリカ政府は基軸通貨特権で通貨発行権で莫大な利益を得ている。その利益を支えているのが日本政府であり、対米貿易黒字以上の金額のドルを買い支えている。その資金はどこから出ているかというと国債を発行した資金をつぎ込んでいる。つまり日本政府は我々の金を使ってアメリカ経済を支えている。

日本の景気の低迷が長く続いてなかなか景気が回復しないのは、政府・日銀が構造改革と称して馬鹿なことをやり続けているためである。金利が限りなくゼロにへばりつき、為替が円高基調であるという条件が続いている限りにおいて、日本も通貨発行権で日本をより豊かにすることが出来るのに、馬鹿な財務省と日銀の官僚たちはその仕組みが理解できないのだ。

日本のエコノミスト達もほとんど政府日銀官僚レベルの見識であり、大増税をして消費税を大幅に引き上げるのもやむをえないとか主張している。そもそもバブルが崩壊したのも平成2年からの消費税の導入が期を一にしていることからも税制の改悪が日本経済の低迷の元になっているのだ。しかし財務省はそれを認めようとしないのは、日本経済の現状がよくわかっていないからだ。

しかし昨日も書いたように、いずれは財政再建をしなければなりませんが、その方法としては、増税ではなく景気回復による税収の増大しか財政再建の道はない。小渕内閣の時はその政策に基づいて大減税と景気刺激政策が行われましたが、途中まで上手く行きかけたのに、竹中大臣が登場してから景気回復の芽は摘まれてしまった。

日本国内に金はだぶついているのだから国債を買う資金は十分あるにもかかわらず、馬鹿な財務省は外国に日本国債を買わせようと努力している。国内で買ってくれる人がいないのならわかりますが、どうして財政資金を外国から調達しないといけないのか。その意味で昨日の古館伊知郎と幸田真音の「漫才」を載せましたが、財務省の馬鹿役人はやってはならないことばかりやっている。

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