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三菱東京、UFJ統合比率合意へ本格交渉 思惑交錯し難航も
来月にも公表、システムも焦点
十月の経営統合を予定している三菱東京フィナンシャル・グループとUFJグループは来月中の統合比率の合意を目指して近く本格交渉に入る。三井住友フィナンシャルグループが昨年夏にUFJとの合併に動いた際、「一対一」の統合比率を提案しており、公表時期を前倒しして海外を含めた株主の理解をいち早く獲得、三井住友側の出方を封じ込めたい考えだ。システム統合の方向性も詰める。ただ、ともに新グループの根幹にかかわるだけに交渉は難航も予想される。(渡辺浩生)
統合比率は双方の株主が持つ株式を新会社の株式と交換する比率。統合決定前の株価に加え、フィナンシャルアドバイザー(FA)が行う資産査定をもとに算出した実質的な将来収益などを加味しながら判定する。
その資産査定がほぼ終了し、FAが作成したたたき台をもとに近く三菱東京とUFJは本格折衝に入る。当初は五月公表を予定していたが、大幅に前倒し、二月中の合意・公表を目指す。
三菱東京の首脳陣は三月上旬に海外でのIR(投資家向け広報)活動を予定しており、その説明会の場で統合比率を示したい考え。UFJ側も「中身次第で早期合意も可能」(関係者)とするが、交渉は難航するとの見方も周辺にある。
両行の最近の株価を単純比較すれば、三菱東京の一に対しUFJは〇・六程度。一方、三井住友が提案した比率は、昨年八月時点の株価比率にUFJ側へ三割の優遇幅(プレミアム)を上乗せした「一対一」。
株価に忠実な内容となればUFJ側の株主には不利な比率となるが、三菱東京と三井住友の株価も一対〇・七程度の開きがあり、単純比較はできない。「比率が一方に不利でも統合後に株価が上昇すれば十分カバーできる」(三菱東京幹部)との指摘もある。
UFJの株主が比率に不満を持てば、三井住友は六月のUFJの株主総会で統合議案の否決を目指し、株主からの委任状争奪戦の準備に入る可能性がある。しかし、UFJの株主が比率に満足すれば、三井住友はあきらめざるをえない。
救済合併の色彩が強いとはいえ、「落としどころを模索する薄氷を踏むような折衝となる」(UFJ幹部)見通しだ。
一方、銀行業務の“心臓部”システムの統合も大きな焦点。スタートの十月時点では、国内業務用は双方のシステムを接続して当面併用する。
問題はいつ、どちらのシステムに一本化するか。三菱東京は日本IBM、UFJは日立製作所のシステム。前者は安定性に、後者は柔軟性に定評がある。新銀行の事務プロセスを決定づけるもので、ともに自陣のシステムへのこだわりは強い。メーカーにも死活問題なだけに、今後の火種となる懸念もある。
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■UFJ首脳の報酬を一部復活
UFJホールディングスは二十六日、業績悪化の責任を取って昨年十月から役員報酬を全額返上していた玉越良介社長らグループ三首脳への報酬を、一月から四割程度復活させたことを明らかにした。昨年末までにダイエーなど大口融資先の不良債権処理にメドがついたためという。
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■三菱東京、2500億円規模で増資
三菱東京フィナンシャル・グループが三月末までに総額二千五百億円規模の増資を実施することが二十六日、分かった。十月のUFJホールディングス(HD)との経営統合を控え、財務基盤を強化するとともに、UFJが抱える一兆五千億円の公的資金の早期返済を図る狙いがある。
増資は、普通株に転換できない優先株を発行。東京海上日動火災保険と明治安田生命保険がそれぞれ一千億円、日本生命保険が五百億円を引き受ける方向で調整しており、早ければ二月末までに、遅くとも今年度内には実施する。
三菱東京は昨年三月に消費者金融大手のアコムと資本提携したことに加え、昨年九月にはUFJ銀行に七千億円増資したことなどが影響し、自己資本比率が低下していた。今回の増資で昨年九月末時点で10・92%の自己資本比率は0・5ポイント程度上昇する見通し。三菱東京は公的資金を完済しているが、UFJHDとの統合で一兆五千億円の公的資金を抱えることにもなり、資本充実を図るべきだと判断した。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/27kei001.htm