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【社債市場】ペイントハウスのデフォルト問題、低格付け企業に波紋か
1月20日(ブルームバーグ):社債市場では、住宅外壁塗装大手のペイントハウスがUFJ銀行からデフォルト(債務不履行)状態を意味する「期限の利益喪失」の通告を受けたことが波紋を呼んでいる。投資家が低格付け債に求めるスプレッドが拡大することなどの影響を指摘する声は多い。同社は19 日に東京地裁にUFJ銀行の通告を無効とする訴訟を起こしており、今回のデフォルトを巡る問題は異例の事態を招く公算が出てきた。
低格付け企業
日本格付研究所(JCR)がペイントハウスの2002年3月発行の転換社債に付与した格付けは投資適格級で最下位のBBB−。同転換社債は2004年4月にCCC(債務不履行に陥る危険性がある状態)に格下げとなった後、UFJ銀行によるデフォルト状態の通知で14日にはD(債務不履行に陥っている状態)となった。
メリルリンチ日本証券の後藤文人クレジットアナリストは以前から、「CBやシンジケート・ローンでは、低格付けか無格付けの企業が急速に増加しており、こうした企業では普通社債(SB)での資金調達は難しい。2005年はSBのデフォルトは生じるリスクは小さい半面、CBやシンジケート・ローンでデフォルトが生じる可能性は比較的大きい」と指摘していたが、今回のペイントハウスの件で同氏の予想が現実のものとなった格好だ。
しかし、BNPパリバ証券クレジット・リサーチの古阪ペギー・コ・ヘッド氏は、低格付け企業のデフォルト問題への対応について「再建が困難な企業に対して銀行が厳しい態度で臨むのは、銀行経営としては、むしろ正常で健全な対応。今後も銀行が今回のような態度で企業に対応するケースが増えるだろう」と語る。
ペイントハウスのCBに対して求められているスプレッドは、昨年4月に格下げとなった時点から急速に膨らんだ。格下げが明らかになった直後には、国債利回り+25%と既にデフォルト状態の水準に達した。現在では、国債利回り+150%とさらに膨らんだほか、価格は27円程度と合理的な投資水準からかけ離れている。
「期限の利益喪失」をめぐる訴訟
今回、問題となっているペイントハウスの債務は、借入金や保証債務(元金合計71億2700万円、延滞金額2億円3400万円)と、同社が2002年3月に発行した期間4年5カ月の転換社債(発行額130億円、残存額130億円)。転換社債の社債管理会社は、UFJ銀行となっている。公募社債がデフォルト状態に陥ったのは、無担保では2003年3月のセザールの転換社債(残高5億円)、担保付では2003年9月のマツヤデンキの転換社債(残高27億3400万円)以来のこと。
ペイントハウスは19日、主要取引銀行でCBの社債管理会社でもあるUFJ銀行が「期限の利益の喪失」を通告したのを受けて、東京地裁に期限の利益喪失は無効であるとする訴訟を起こした。債務の支払いについては、従来の債務履行期限に基づいた返済と償還を考えているとしている。
同社は14日に発表したリリース資料のなかで、UFJ銀行との債務減免の「話し合いのなかでの不当な要求に対する対応の最中でもあり、事前の期限の利益の喪失の通知は無効であるとの認識を持っており、UFJ銀行に対して、法的対応を含めて検討する」としていた。
また、資料では「ペイントハウスの業績悪化の大きな理由となった殖産住宅相互株式会社(現ホーメスト)の買収をUFJ銀行から紹介していただいた経緯もあり、債務の減免については、好意的な感触を得ていた」とも指摘している。
記事に関する記者への問い合わせ先:
東京 上野 孝司 Takashi Ueno tueno@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:
東京 崎濱秀磨 Hidekiyo Sakihama ksakihama@bloomberg.
Bill Austin billaustin@bloomberg.net
更新日時 : 2005/01/20 14:07 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html