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地方建設業、農業に活路 農協と協力/遊休地再生/農作業も請負 (産経新聞)
http://www.asyura2.com/0411/hasan38/msg/487.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 1 月 20 日 05:29:04:ogcGl0q1DMbpk
 

地方建設業、農業に活路 農協と協力/遊休地再生/農作業も請負

http://www.sankei.co.jp/news/morning/20kei002.htm

 農業に新規参入する地方建設会社が相次いでいる。公共事業の減少で苦境に追い込まれ、新分野に活路を見いだしたい中小建設会社と、後継者不足で衰退の一途をたどり、新たな担い手を必要とする農業とが結びついた格好。長く放置された農地を、持ち前の土木技術で復活させるなど、建設会社ならではのノウハウも生かされている。二十一日には、農業に参入した十二社の経営者などが都内で報告会を行う。(原口和久) 

 建設会社の参入が目立つ地域は北海道や東北、北陸、山陰など。均衡ある国土の発展を背景に公共事業が多かっただけに、厳しい財政事情で公共事業削減の影響をもろに受けた地域だ。加えて、高齢化のため後継者がなく、耕作放棄地の増加など農業も危機的状況に陥っている。

 地方の建設会社の場合、経営者や従業員の多くは農家出身者でもある。建設関係の仕事が減るなか、従業員の働く場所を、新たな担い手を要する農業に求める形となった。

 参入の形態は、(1)建設会社のままで農業を始める(2)有限会社など農業生産法人を設立する−の二通りに大別される。

 建設会社のままでの参入は、大建工業(福島県喜多方市)や頸城(くびき)建設(新潟県上越市)などのように、一般の企業でも農地を賃借できる構造改革特区の活用が目立つ。

 このうち大建工業は、喜多方市の「アグリ特区」認定を受け、農地を借りて平成十五年秋からトマトなどの栽培を始めた。長い間、耕作が放棄され、農家だけでは元に戻せないような土地を、重機を使って農地に整備し直し、地元の農協の指導のもと、社員が農作業を行っている。

 同社の建設本業の売り上げは約一億五千万円と、ピーク時に比べて半減。農業の方は昨年の売り上げが七十万円程度しかないが、遠藤広社長は「あと四年のうちに農業の黒字化を果たし、建設業と農業の比率を五割ずつにしたい」としている。

 特区以外では、芙蓉建設グループ(北海道美幌町)のように、一般企業でも可能な農業コントラクター(農作業の請負)を行う建設会社もある。

 一方、金亀建設(松山市)は、社員の約二割が兼業農家のため、平成十二年に農業生産法人である有限会社「あぐり」(愛媛県松前町)を設立。担い手不足の地元農業の新しい働き手として社員を活用し、無農薬栽培でコメや野菜、果物作りに着手した。

 売り上げは約三千万円で、賃借した農地は二十五ヘクタール。もともと遊休地だった農地は山間部に広く散らばっているため、作業効率が低下しがちだが、「本業で培った工程管理のノウハウが役立っている」(金亀建設)という。

 「建設帰農のすすめ」(中央公論新社)などの著書がある米田雅子・建築技術支援協会常務理事は「都市部と違い、地方の建設会社はほかに雇用の場がなく、簡単に社員を解雇できない。建設業が農業に参入することで、建設業も農業も地域で自立再生できる」と農業参入を推奨する。

 ただ、米田常務理事は「既に参入している会社も苦闘中。これらが成功すれば、後に続く会社が多く出てくるので、参入企業が失敗しないよう、行政などの支援をお願いしたい」としている。


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