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【マネーアングル】銀行窓販で投信業界に明暗−主役交代で構造変化も
http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html
1月18日(ブルームバーグ):銀行での投資信託販売(銀行窓販)が、投信会社の運用資産額に与える影響が大きくなってきた。2004年の1年間に公募投信の資産残高が増えた投信会社をみると、国際投信投資顧問や三菱投信、フィデリティ投信など銀行経由の販売が好調な会社が多い。
一方、大手証券会社を有力な販売会社とする野村アセットマネジメントなどは残高減少に直面した。まさに、銀行での取り扱いで明暗を分けた格好となった。
だが、そればかりではない。販売主体の動向を仔細に見ていくと、都市銀行など大手と比較して地方銀行の頑張りが目立つのも特徴。銀行預金など安定した金融商品をより好む日本人の投資性向は依然として保守的だが、預金という形で銀行に滞留されているマネーがその銀行を通じて、資本市場に流れる構造が徐々に形成されつつある。
ペイオフ(預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)全面解禁はこの春。銀行窓販が日本の金融・資本市場を変えつつあるのは確かなようだ。
銀行販売が投信残高を押し上げ
投資信託協会が17日発表した12月の投信概況によると、公募投信の純資産総額は昨年12月末時点で、3兆5600億円増えて40兆9967億円と、02年5月以来2年7カ月ぶりに40兆円の大台を回復した。
特に、株式投信が6兆959億円増の27兆4352億円と大きく伸び、1992年2月以来の27兆円台に乗せたことが投信全体の残高も押し上げた。また、設定から解約・償還額を差し引いた「資金純流入額」も4兆9435億円に膨らみ、大量の資金が入った。これは1988年以来のことで実に16年ぶりのことだ。
残高増加をけん引したのは銀行経由の販売。銀行窓口など証券会社以外の金融機関で販売される、いわゆる窓販の04年末残高(公募投信のみ)は03年末より3兆6400億円増えて13兆8793億円となり、公募投信全体に占める窓販比率も27.3%から33.9%に上昇した。
うち株式投信でのシェアは39.1%から46%(公募のみ)に、私募を含めた株式投信のシェアは5.1ポイント上昇して51.6%と、5割を超えた。
地銀が頑張る、さらに上積みも
運用会社別の純資産をみると、国際投信投資顧問が1兆2248億円増やしたことが目を引く。この結果、同社は純資産ランキングで03年の4位から日興アセットマネジメントを抜いて3位に浮上した。
看板ファンドで、すでに大横綱の風格さえ漂わせている「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」が、1兆1347億円を積み増して3兆6269億円になったことが寄与した。
国際投信によると、同社が運用する定期分配型ファンド9本の窓販比率は 12月末現在75%。4月末の71.7%から上昇し、銀行の存在感が一段と増しているという。
特に、地方銀行での販売増加が顕著だ。2002年以降、都市銀行・信託銀行などの比率が40%前後であまり変わらない半面、01年末に5%未満だった地方銀行や信用金庫などの構成比が3分の1を超えた。
一方、同投信が6月末時点で9本を取り扱う銀行について、個人預金残高に占める9ファンドの純資産比率を調べたところ、都銀・信託銀の2.4%に対し、地銀が1.0%、第二地銀は1.3%にとどまった。
地銀における比率が今後都銀・信託銀並みに高まる余地があることを示しており、4月に実施されるペイオフの全面解禁を機に、さらに販売額が膨らむ可能性がある。
フィデリティは日本株ファンドで1兆円超え
国際投信以外では、昨年中に純資産総額1兆円の大台を突破したフィデリティ投信、三菱投信、ニッセイアセットマネジメント、第一勧業アセットマネジメントの4社も、銀行経由の販売好調が残高を押し上げた。
銀行の売れ筋商品は、定期分配型の外債ファンド。残高を伸ばした投信会社の大半が大型の外債ファンドで保守的な性格の資金を取り込んでいる。
このようななか、日本株ファンドで健闘しているのがフィデリティ投信だ。主力商品である「フィデリティ・日本成長株・ファンド」の純資産総額は、1年間で1017億円増えて4469億円になり、野村アセットマネジメントの「ノムラ日本株戦略ファンド(愛称:Big Project−N)」を抜き、アクティブ運用型の日本株ファンドでトップの座に就いた。
「銀行窓販が大きく寄与」
フィデリティ投信の蔵元康雄副会長は、同ファンドについて「販売ネットワークの拡大と、中長期的に安定した運用成果を挙げてきたことなどにより、資産残高が着実に伸びてきた。とりわけ銀行の窓販は、直近1年間の資産残高の増加に大きく寄与している」と説明する。
フィデリティ投信によると、設定から解約を差し引いた年間の資金純流入額は741億円と、03年の159億円を大きく上回った。月間の純流入額が100億円を超えた月が3回あった。
1998年4月にフィデリティ証券のみを販売会社として設定された「日本成長株・ファンド」は、98年12月の窓販開始と同時に旧住友銀行や旧あさひ銀行など10行余りが取り扱いを開始。以後徐々に採用行が増えて現在70行(確定拠出年金での採用行を含む)になった。証券は34、保険12。04年に販売会社に加わった銀行は12行。
野村や大和は資産減
対照的に、証券会社を有力な販売先とする投信会社がシェアを落とした。野村アセットは純資産で断然トップの座を守ったものの、公社債投信の減少が著しく金額は10兆8113億円から10兆140億円に減少。シェアも28.8%から 24.4%に低下した。
株式投信の伸びも鈍く、シェアが19.9%から16.2%に下がった。野村アセットによると、同社の窓販比率は2.8%。
同2位の大和証券投資信託委託や日興アセット、新光投信なども順位が後退。ただ株式投信は新光投信を除いて増加した。
【投信会社別純資産総額ランキング】単位:億円
順位、投信会社、04年末純資産(年間増減)、昨年順位、株投純資産(増減)
1.野村 100140(-7973) 1 44458(+1948)
2.大和 57889(-2008) 2 20643(+4904)
3.国際 48811(+12248) 4 41586(+12345)
4.日興 37745(+383) 3 23171(+3199)
5.UFJパートナーズ 20109(+1876) 5 14304(+2604)
6.三菱 12419(+3286) 8 11067(+3621)
7.フィデリティ 11010(+1489) 7 11010(+1489)
8.ニッセイ 10918(+2433) 10 10638(+2472)
9.新光 10673(-2284) 6 5681(-29)
10.第一勧業 10216(+1157) 9 6094(+1866)
11.ゴールドマン 9173(+3135) 11 9115(+3330)
12.三井住友 7300(+2156) 12 7300(+2156)
13.興銀第一ライフ 6854(+1876) 13 6791(+2070)
14.大和住銀 5039(+2548) 20 5039(+2548)
15.日本 4695(+1115) 14 3341(+950)
16.クレディ・アグリコル 4440(+2247) 22 4440(+2247)
17.J.P.モルガン 3950(+888) 16 3950(+888)
18.フランクリン・テンプルトン 3902(+1255) 19 3902(+1255)
19.富士 3438(+221) 15 2279(+349)
20.アライアンス 2945(-88) 17 2945(-88)
21.ピーシーエー 2930(+2404) 43 2823(+2461)
22.シティ 2815(+706) 23 2815(+712)
23.住信 2482(+661) 25 2482(+661)
24.中央三井 2351(+1473) 33 2351(+1473)
25.農林中金全共連 2325(-389) 18 1637(-70)
26.ソシエテジェネラル 2165(+107) 24 1727(+215)
27.AIG 2032(+869) 28 2032(+869)
28.ドイチェ 1615(-131) 26 1493(-124)
29.シュローダー 1532(+765) 34 1532(+765)
30.安田 1439(+479) 31 1439(+491)
31.メリルリンチ 1423(-792) 21 1423(-197)
32.トヨタ 1275(+344) 32 536(+323)
33.T&D 1175(-26) 27 644(+65)
34.東京海上 1072(+423) 39 890(+267)
35.インベスコ 956(+291) 38 924(+296)
36.モルガン・スタンレー 913(-92) 29 913(-92)
37.明治ドレスナー 912(+292) 40 889(+294)
38.ピクテ 897(+190) 36 897(+190)
39.クレディ・スイス 855(-119) 30 855(-119)
40.ユービーエス 850(+154) 37 850(+181)
41.さわかみ 816(+230) 41 816(+230)
42.スパークス 727(+480) 50 727(+480)
43.プルデンシャル 659(-92) 35 659(+50)
44.ユナイテッド 589(+17) 42 589(+17)
45.HSBC 570(+395) 52 570(+395)
46.コメルツ 542(+213) 48 542(+333)
47.BNPパリバ 515(+36) 44 515(+36)
48.しんきん 472(+144) 49 472(+144)
49.損保ジャパン 436(+84) 47 436(+84)
50.朝日ライフ 396(+16) 46 396(+16)
51.フランク・ラッセル 368(-15) 45 368(-15)
52.ベアリング 324(+143) 51 324(+143)
53.メロン 240(+109) 53 240(+109)
54.ピムコ 207(+207) − 207(+207)
55.日立 201(+75) 54 201(+75)
56.アイエヌジー 117(+36) 58 117(+36)
57.ステート・ストリート 110(+5) 56 110(+5)
58.ガートモア 52(-31) 57 52(-31)
59.エムエフエス 29(-8) 59 29(-8)
60.バークレイズ 21(-97) 55 21(-97)
61.プラザ 13(-2) 61 13(-2)
62.新生 4(-16) 60 4(-16)
63.ありがとう 3(+3) − 3(+3)
64.エスビーアイ 1(-1) 62 1(-1)
*投信協会のデータをもとに、ブルームバーグ・ニュースが集計。三菱投信と
ソシエテジェネラルアセットマネジメントの03年末純資産総額は、合併前の2
社分を合算、04年公募投信に参入したピムコ ジャパンとありがとう投信は、03
年末をゼロとして増減額を計算。委託者非指図型投信は除外。
記事についての記者への問い合わせ先:
東京 浅井 真樹子 Makiko Asai masai@bloomberg.net
東京 開米 潤 Jun Kaimai jkaimai@bloomberg.net
CHIAN-WEI TEO cwteo@bloomberg.net
更新日時 : 2005/01/18 12:58 JST