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ニュー・アジアハイウェイ・プロジェクト
ー新アジア・ハイウェイ計画とその将来展望ー
アジアハイウェイ「1号線」の起点は東京に
国際ハイウェイプロジェクト推進委員会
http://www.iijnet.or.jp/IHCC/newasian-pro01-01.html
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古来よりユーラシア大陸の東西を結ぶ道として、最もよく知られているのが、俗にいう「シルクロード」(絹の道)である。この道は当時、中国の都・長安から敦煌、楼蘭、サマルカンドなど旅愁を誘う名所を通って、ローマへと至るもの。当時ローマへの最短の距離となり、人の日常の“知恵”をいかんなく発揮した先駆ともいえる。
国道1号線に掛かるゼー橋(ベトナム)
(「ODA民間モニター」平成13年度版)
本来、ここに近代的な交通網(道路、鉄道)を通したならば、ユーラシアの東西を短時間で住来することができるだろう。しかし今は、航路の方が積載量から割り出した運賃換算からすれば有利となり、大抵は船舶航路となる。
ところで、“シルクロード”より下部(南下)に位置するアジア・ハイウェイを見ると、ベトナムのハノイあたりから、海岸沿いにカンボジア、タイ、ミャンマー、バングラデシュ、インドと複雑な曲線をとり、さらにパキスタン、アフガニスタン、イランなどを通過し距離もその分延長することになる。しかも雨季の湿地帯における通交不能な地帯(バングラディシュ=一部橋梁計画が進行中〔写真参照〕=など)があり、これらを結ぶことは容易なことではない。
【従来のアジアハイウェイの経過】
アジア・ハイウェイは1959年、オーストラリアのブロードビーチで開催された第15回「国連アジア極東経済委員会」(ECAFE、現ESCAP)総会で採択されたもの。
この道路は41路線からなり、全長は約66,000kmに及び、14路線、約38,000kmを優先道路に指定している。関係国のうち、軍政下のミャンマー(旧ビルマ)の道路整備が最も遅れており、ここを境にバングラデシュから西と、タイから南東の地域に分かれている(その後さらにマレー半島に続く)。
アジア・ハイウェイの実施にあたっては、各国の財政事情を考慮し、段階的な工事施工を基本としている。またトルコとイランの国境でヨーロッパ・ハイウェイ網に接続され、重要な役割を果たしている。
1995年には、「新アジア・ハイウェイ」計画が承認を得た。この計画で、一つの焦点となっているのが、中国内のルートである。中国はこれまで、自国の交通政策を最優先してきたが、今回、モンゴルと共に新路線に追加、承認された。
中国内では現在、北京から秦皇島さらには瀋陽までがアジア開発銀行(ADB)等の融資を受け、2000年の完成を目指して高速道路の建設が始まっている(資料等によればすでに、北京−秦皇島は完成。さらに秦皇島−瀋陽、瀋陽−丹東間を結ぶ路線なども着工されている)。
今後、残る区間は南北朝鮮半島を縦断して、平壌・ソウル・釜山、そこから日韓海底トンネルで、日本の九州へというルートが想定される。
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【新アジア・ハイウェイ計画とその将来展望】
1992〜93年:日本政府の資金援助により、拡大地域を含めたアジア・ハイウェイ網の見直しの調査がなされた。
1993年:専門家会合で、新アジア・ハイウェイ計画案が承認された。路線数29、総延長68,300kmの新計画は、既存の路線を整備・統合し、中国、モンゴルの新路線を追加。
道路設計基準の改定:(1)自動車専用道路の新基準(2)旧基準での七つの分類を、新基準では、四つのタイプに分類(3)旧基準で認められていた砂利道を基準からはずし、二車線舗装道路を最低基準とした。
1995年:新アジア・ハイウェイ計画は、各国からの承認が得られ、正式に発足。アジアハイウェイは、将来、中央アジア、ロシアとつながる可能性がある。さらには、北朝鮮、韓国そして日本とつながることも夢ではない。
2002年:これまで、難航を続けていたアジア・ハイウェイのルート選定であったが、2002年5月に行われた専門家会合で原案が固まり、11月に参加国が協定書を結び、実現に動き出す段取りとなった。当初、日本は同プロジェクトに対する最大の援助国でありながら、計画には「不参加」の立場を取っていた。しかし日本政府は、数年以内に決定される「アジア・ハイウェイ」ネットワークの多国間政府協定に参加する意向で、現在、日本国内の「ルート」選定に入っている。
2003年:アジアハイウェイ「1号線」の起点は東京に、日本の参加決定 【NEW !!】
東アジアからユーラシア大陸を経てトルコへ至る「アジアハイウェイ」計画への、日本の参加が決まった。11月18日までバンコクで開かれていた「国連のアジア太平洋経済社会委員会」(ESCAP)の専門家会合で採択された「政府間協定」に盛り込まれた。日本の参加で、これまで「韓国・釜山」だった大動脈「1号」線の起点が「東京」となる。「アジアハイウェイ」は、参加国内の基幹路線を国境を越える道路網と位置づける計画。新しい道路を造るのではなく、既存の道路に「アジアハイウェイ」と明記した共通の標識を設ける。協定は2004年4月、上海で開かれるESCAP総会で参加32ヵ国が参加。8ヵ国が批准した段階で発効する。東京が起点となる「1号線」は福岡・ソウル・北京・ニューデリー・カブールからイスタンブールに至る。日本国内では「東名」・「名神」など既存の高速道路が指定される見込み。
(参照):「About the ASIAN HIGHWAY ROUTE」 (UNESCAP= 国連アジア太平洋経済社会委員会)
2004年:アジアハイウェイ、32ヵ国中23ヵ国が「合意文書」調印 【NEW !!】
ユーラシア大陸の東西を結ぶ「アジアハイウェイ」計画を推進する国連・アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の定例総会が2004年4月26日、中国・上海で行われ、参加32ヵ国中23ヵ国(日本・中国・ウズベキスタンが署名、20ヵ国が国内批准を前提に署名)が「合意文書」に調印した。その他の9ヵ国(北朝鮮・ロシア・インド・マレーシアなど)は国内事情を理由に署名しなかった。最終的には「8ヵ国」の批准をもって、90日を経て発効する。
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《参照サイト》
(UNESCAP= 国連アジア太平洋経済社会委員会)
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【タイを起点とする既存のアジア・ハイウェイ・ルート】
バンコク市内の交通状況 (タイ)
(写真:IHCC)
アジア・ハイウェイ全長68,000kmのうち、タイ国内には、6ルートある。 (写真参照:バンコクの道路状況)
【A1ルート】
ミャンマー国境のメーソトからターク、バンパインを経て1号線、33号線を通って、カンボジア国境のアランヤプラテートに至る。全長698km。
【A2ルート】
ミャンマー国境のチェンライ県メーサイから110号線、続いて1号線を南下(註)してバンコクを経て4号線を南部に向かい、マレーシア国境のサダオに至る。全長1,945km。
(註:中国の雲南省・昆明からラオスを通ってタイ北西部のチェンライ県に至る「道路」の建設が実現化に向けて動き始めた=参照:本欄「中国・昆明〜タイ・バンコクを結ぶ道路実現化へ」)
【A3ルート】
A2ルートからチェンライ県をラオス国境のチェンコンに走る。全長115km。
【A12ルート】
AIルートのヒンコンから1号線をサラブリまで来て、2号線をナコンラーチャシー マ、コンケン、ウドンタニ、ノンカイに至る。全長524km。
【A15号ルート】
ウドンタニのA12号から22号線を通ってサコンナコン、ナコンパノムに至る。全長241km。
【A18号ルート】
ハジャイでA12号から43号線、42号線、4056号線を経てマレーシア国境のスンガイコロクに至る。全長275km。
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(参照):本欄「バンコクの道路インフラ状況」
(参照):本欄「バンコク首都圏の鉄道整備状況」
(参照):本欄「東南アジアの在来鉄道状況」
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(参照サイト):タイ高速道路公団(English)
:タイ国政府観光庁
:タイに対する日本の「ODA」案件(外務省ホームページ)
:UN ESCAP-Asian Highway Home Page
(参照サイト):インドシナ3カ国の道路整備状況−カンボジア・ベトナム・ラオス−(参照
http://www.iijnet.or.jp/IHCC/newasian-pro01-01.html