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英HBOSのデビットカード、買い物額で現金還元、新預金を投入、給与振込口座獲得へ2004/12/27,
【ロンドン=松岡由里子】大手英銀HBOSはデビットカード(商業店舗での決済が可能なキャッシュカード)を利用した買い物額に応じて、現金を還元する新型預金商品を投入する。還元率は年間買い物額一万ポンド(約二百万円)までは一%。給与振込口座を他行から奪取するのが狙い。英国では日本と異なりデビットカードが定着しているだけに、銀行の勢力図に影響を与える可能性をはらむ。
来年二月に投入する新商品は「マネーバック普通預金」。年間購入額が一万ポンドを超える部分については、還元額が〇・一%に下がる。基本的にデビットカードによる商品やサービスの購入すべてに適用するが、公共料金の支払いは除く。
ただ、この新型預金は口座に毎月千ポンド(約二十万円)以上の入金があることを条件にしている。英国の就業者の八割が千ポンドを超える月収があるとされる。キャッシュバックを売り物にして、バークレイズやHSBCなどほかの大手行から給振口座を自行に誘導する戦略だ。
HBOSは二〇〇一年の合併で発足した新興勢力。普通預金金利を他行の五倍の〇・五%に設定したり、当座貸し越し金利を低めに設定するなどして、急速にシェアを拡大している。新預金の投入により、現在一四%の預金シェアを、今後三年以内に二〇%に拡大する計画を立てている。
HBOSでは預金者一人当たりの還元額を年間百ポンド(二万円)程度と想定。この分は銀行側の負担増となるが、「預金量の拡大に加えて、店舗が銀行に支払うデビットカード手数料収入を考慮すれば、採算が合う」と判断している。
デビットカードが英国に初めて登場したのは八七年。英決済サービス協会(APACS)の調べでは、同カードによる支払金額は〇三年に千三百五億ポンド(約二十六兆円)と、すでにクレジットカードによる支払いを逆転、現金に迫る勢いをみせている。成人十人のうち八人が同カードを保有しており、普及が遅れがちな日本とは対照的な状況にある。
これまでデビットカードは銀行預金をスーパーのレジなどで引き出せる利便性が人気を集めていた。今回、新たな付加価値が加わることで、他行も対抗策の検討を急ぐことになりそうだ。
【図・写真】マネーバック普通預金口座用のデビットカード