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http://rodeo.zero-yen.com/200304.html
「マッチはいかがですか。マッチを買ってください。」ぼろぼろの
服を着た裸足の少女が寒空の中、連日マッチを売り歩いていた。
しかしながらライフスタイルの変化によるマッチ需要の減退に加
え、中国からの輸入品に押されて売上は右肩下がり。48ヶ月連続で
月次の売上が前年度実績を下回るという悲惨な結果をもたらしてい
た。
このことは、不特定多数の顧客にマッチ棒の小口街頭販売を行うと
いう従来型の営業そのものが、ビジネスモデルの限界に近きつつあ
ることを如実に物語っていた。
【またこれに追い打ちをかけるように、長年つきあいのあった銀行が急遽「御社への貸し出し金利の変更を検討したい」と言ってきた。】
マッチの販売を委託していた会社側も、足元の著しい売上低下を懸
念、合理化計画の一環として少女に対し「地方の関連子会社への転
籍および最大30%の賃金カット」を正式に通告した。
これに対して少女は「売上不振の要因は会社側の商品開発力の低下
ならびに消費マインドの冷え込みによる一時的なもの」と猛反発、
労使関係は悪化の一途をたどった。
さらに少女にとってアゲインストな状況は続いた。まず、国際環境
保護団体の幹部は「少女の販売するマッチが年間で少なくとも約4%
の森林を破壊している」と激しく抗議、議会にレポートを提出する
とともにマッチの不買運動を開始した。
また自治体も「未成年が火薬類を販売すること自体、防災上極めて
危険な行為」とし、少女に対し注意喚起を行なった上、彼女が暖を
取るために自らマッチを使用したことが、「区のポイ捨て禁止条例
に違反する」とし、過料2000円の支払いを命じた。
一方で、これらの事態を遠目から眺めていた某NPO法人の代表ら
は、「マッチ売りの少女を救う会」を結成、民間のボランティア団
体までをも巻き込んだ大規模な協力活動を展開した。一連の出来事
は、各メディアに大きく取上げられ、一時は社会現象化するなど大
騒ぎとなった。
しかし、その昔「おしん」に涙したはずの日本人も、未曾有の大不
況により少女を哀れむ余裕は既に持ち合せていなかった。それどこ
ろか、「職があるだけまだマシ」と逆に反感を持つ者が続出、良か
れと思って始めたNPOの行動は最悪の結末を迎えることとなった。
こうして世論の厳しい重圧に耐えながら、結局一文無しで大晦日を
迎えた少女は、数年前に死亡した祖母のことを想いだしては、手持
ちのマッチを一本ずつ擦り、凍りつくような寒さを何とか凌いでいた。
そしてマッチを全部使い果たしたその瞬間・・
少女は静かに息を引取った・・
翌朝の新聞は今回の一件を次のように報じた。
『お騒がせ少女、今度は放火?』
- 付近の民家7棟を全焼 焼跡からは大量の使用済マッチ -
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この悲しいばかりの結末、なんとも文才のある奴がいるものです。で
も、草葉の陰でアンデルセンは泣いているに違いでしょう。洒落になら
ない経済環境、経営者の皆様、お元気でしょうか?世間はGWらしいで
すが、僕も皆様同様会議の一日でした。会議の話題は絵の描き方です。
どんな絵が皆を幸せにできるのか、喧々囂々侃々諤々の会議で結局昼飯
を食えませんでした。腹が減りすぎて、逆に食欲がわかず、ちょっとし
た肴で焼酎を飲みながらの日記、いや月記書きです。明日は特攻隊の生
き残りとのディナーです。