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引用:対高金利通貨主導でドル急反発 (2004年12月14日執筆)
■1 概況 ドル全面高へ
先週のドル円相場は102円近辺で寄り付き、前週末の米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回りドルが下落した流れを引き継ぎ、週安値101.91まで値を下げた。しかし、加中銀が政策金利を据え置いて声明文から将来の利上げを示唆する文言を削除したため高金利通貨の金利上昇に一服感が生じ、ドルが対加ドルや対豪ドルで急上昇し始めると対主要通貨でもドル買い戻しが優勢となった。
ドル円もその流れに乗る形で上昇に転じ、本邦GDP改定値が予想に届かなかったこと等からユーロ円での円売りも加わって106.20(週高値)を示現した後、105円前半まで値を戻して引けている。
■2 注目点 市場は米貿易収支と米FOMCのどちらを重視するか
過去2か月程、為替市場は「米双子の赤字」と「各国外貨準備のドル資産離れ」をテーマにひたすらドルを売り続け、良好な米経済指標をほとんど無視してきた。米金利上昇観測もドルを支えるには不充分だったが、先週のドル急反発によって市場のセンチメントにも変化の兆しがある。
12/14には米貿易収支と米FOMCがあり、市場の眼が依然として米双子の赤字にあるのか、米景気・金利動向に向かいつつあるのかを見極める上で、その後の相場動向が注目される。なお、米FOMCでは0.25%利上げは織り込まれており、追加利上げの可能性を探るべく声明文の内容に市場の注目が集まっている。
■3 見通し 持ち高調整にドルしっかりの展開へ
今週のドル円相場は下値しっかりの展開を予想する。戻りらしい戻りが無いまま下落を続けてきたドル相場だが、年末を控えて先週漸く持ち高調整が入った。為替市場の他、商品市場でも従来のトレンドの反転が観測され、各市場とも年末特有の持ち高調整が支配的となっている。先週ドル円は4円以上上昇したが、米双子の赤字を理由とする中期的なドル先安感自体は払拭されておらず、依然ポジションがドル・ショートに傾き易い状況が続いており、目先はそれが却ってドルの下落を阻む構図になりそうだ。12/15日銀短観が予想外に弱い内容なら、ドル円が続伸する展開も想定しておく必要があろう。
■4 今週の予想レンジ
今週の予想レンジは104.00〜107.00円
商品市場でも従来のトレンドの反転を観測
永らく上昇基調を保っていた原油価格(NYMEX)は12/1に49.00ドルから45.35ドルまで急落した後、上値の重い展開が続いている他、金価格は12/8に前日比15.00ドル安の438.70ドルに急落、CRBインデックス(商品価格指数)も11月末を高値に頭打ちとなっている。各市場それぞれに背景があるが、いずれも年末に向けた持ち高調整が主因と考えられ、為替市場におけるドル反発もその流れの一環と見ることができる。
商品価格の下落は世界景気の先行き停滞を示唆するとの見方もあるが、各市場とも中期的には上昇トレンドに回帰するとの見方が現時点では多数派のようだ。いずれにしても、これからは流動性が徐々に低下する時期となるため、各市場とも相応の調整期間が必要と考えられる。