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「2050年、環境破壊で人類生存不能」 (SENKI)
http://www.asyura2.com/0411/hasan38/msg/1082.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 2 月 20 日 06:43:59: ogcGl0q1DMbpk
 

国連ミレニアム生態系アセスが警告

「2050年、環境破壊で人類生存不能」

http://www.bund.org/editorial/20050225-1.htm

 2月7日、国連の「ミレニアム生態系アセスメント」の内容が明らかとなった。同アセスメントは、世界各地の生態系調査結果をもとに50年後の地球環境を予測し、「今の傾向が続けば2050年には、人間の生活自体が立ち行かなくなる」と警告している。人類生存のために、持続可能な社会システムへの転換が待ったなしに求められている。

自然の千倍で絶滅する生物種

 ミレニアム生態系アセスメントは、国連による世界初の地球規模の生態系評価報告だ。世界各地の海や森林、湿地、河川などの生態系の変化を4年がかりで調査し、それをもとに50年後の地球環境をコンピュータ・シミュレーションで予測した。調査には、米航空宇宙局(NASA)や日本の国立環境研究所をはじめ、95か国1300人以上の科学者が参加している。

 同アセスによれば、1950年からの40年間で森林や草地の14%が失われ、サンゴ礁の4分の1が消滅した。淡水域の生態系破壊も激しく、湿地帯はこの100年間で半減。世界中の主要な河川の半分以上が深刻な汚染や水不足に見舞われている。こうした環境劣化によって、過去100年間に分かっているだけで約100種類の鳥や哺乳類、両生類が絶滅した。自然に起こる絶滅の1000倍以上のスピードで生物種の絶滅が進行している。

 こうした調査結果に基づき同アセスは、「今の傾向が続けば2050年までに、残された草地や森林の20%が破壊される。この結果、人間の生活自体が立ち行かなくなる」と警告。「現在のような自然資源の利用をいつまでも続けることはできない」と、人間の生態系利用の在り方の、抜本的な変革を求めている。

 2月11日、NASAのゴダード宇宙研究所は、温室効果ガスの増加により、2005年が、記録を取り始めた1800年代後半以降、最も暖かい年になる可能性があるとの見通しをまとめた。今年は、昨年にも増して世界中で異常気象による自然災害が激発する恐れがある。一刻も早い温暖化防止対策が求められている。

 ところがアメリカは、こうした深刻な事態をよそに、さらなる環境破壊を進めようとしている。アメリカは京都議定書から離脱した上に、アラスカ開発にも乗り出そうとしている。今年1月、米上院エネルギー天然資源委員会のドメニチ委員長は、アラスカの北極圏国立自然保護区の石油開発計画を推進すると表明した。昨年の選挙で共和党が上院の過半数を占めたのを受け、一気に開発を進めようというのである。

 アメリカは、世界最大のエネルギー消費国であり、世界の温室効果ガスの4分の1を一国で排出している。ブッシュは、「われわれは自由の勝利を完全に信じ、前進する。それは神に与えられた使命である」などと戦争拡大を宣言している。このまま戦争と石油大量消費─環境破壊を続ければ、国連のミレニアム生態系アセスメントが警告するとおり、地球は人類の生きられない星になってしまう。人類が生存を続けるためには、持続可能な社会への転換を実現する以外の選択肢は残されていない。

一兆ドル突破した米国「双子の赤字」

 ミレニアム生態系アセスが発表されたのと同日の2月7日、ブッシュ政権は、06会計年度(05年10月〜06年9月)予算教書を議会に提出した。同予算案は、教育・環境・エネルギー予算や貧困層に対する補助金が軒並み削減される一方、軍事費だけは4・8%増(総額4193億ドル=約44兆円)の大軍拡予算となった。ちなみに2004年度の日本の国家予算の総額は約82兆円。アメリカは日本の国家予算の半額以上を毎年軍事費に投入していることになる。

 軍事予算の中には、バンカーバスター用の新型核兵器「強力地中貫通型核」や、既存の核兵器の破壊力強化・軽量化のための研究予算など、核兵器関連予算も盛り込まれた。ブッシュ政権は、北朝鮮やイランなど他国の核開発を声高に批判し、「先制攻撃すら辞さない」と恫喝している。ところが当のアメリカは、「使える核」の研究・開発を進めている。

 核拡散防止条約(NPT)は、核保有国(米英仏露中)以外への核兵器拡散の防止を定める一方で、核保有国に「誠実に核軍縮交渉を行う義務」(第6条)を規定している。世界から核兵器などの大量破壊兵器を無くしていくために、世界最大の核保有国たるアメリカこそ、率先して「誠実な核軍縮交渉」の席に着くべきだ。

 2001年の同時多発テロ以降、アメリカが「テロとの戦い」に支出した額の総額は、3000億ドルにのぼる。第1次世界大戦やベトナム戦争で使われた戦費は、現在の価値に換算すると6000億ドル規模とされる。ブッシュ政権はその半分を、わずか3年間で使ってしまった。イラクなどへの米軍駐留には、1か月当たり50億ドルもの巨費がかかる。米軍戦費は早晩、第1次世界大戦やベトナム戦争の戦費を上回ることになるだろう。

 アメリカの05年度の財政赤字は、4270億ドル(約44兆円)と過去最悪を記録し、04年の貿易赤字も6177億ドル(約65兆円)とこちらも過去最悪を更新した。増大する「双子の赤字」の総額はついに1兆ドルを突破した。借金大国アメリカは、膨大なイラク戦費支出で破産の危機に瀕している。

 イラクにおける米兵の死者も増加の一途をたどっている。1月末現在で米兵の死者は1436人、多国籍軍全体で1607人に達した。米国防総省は、戦闘で死亡した兵士の遺族に対する弔慰一時金などの支払額を、現行の約1万2000ドル(約125万円)から25万ドル(約2600万円)へと、約20倍に増やすと発表。遺族の反発を少しでも抑えようとしている。イラク戦争は「第2のベトナム」の様相をますます深めている。

イラク選挙、米軍撤退を選択

 1月30日、イラクでは米軍による厳戒態勢のなか国民議会選挙が実施された。2月13日に発表された開票結果によれば、投票率は58%で、イスラム教シーア派の宗教政党を中核とする統一会派「統一イラク同盟」が得票率約48%で第1党となった。続いてクルド人政党の統一会派「クルド同盟」が同約25%で第2位。暫定政府のアラウィ首相率いるシーア派世俗主義の「イラク人のリスト」は同約14%で第3位にとどまった。

 今回の選挙に対し、米軍によるファルージャ攻撃などに反発したスンニ派がボイコットを宣言。ファルージャのあるアンバール州で投票率2%をはじめ、スンニ派地域では低投票率だった。スンニ派の宗教指導者でつくる「イスラム宗教者委員会」は、「イラクで影響力を持つ政党や宗派など広い層がボイコットしたため選挙は正当性を欠く」と声明を出し、米軍占領下の選挙自体を認めない姿勢を崩していない。

 選挙で第1党となった統一イラク同盟は、今回の選挙ではアメリカに協力したが、「多国籍軍の撤退期限の明確化」を公約している。統一イラク同盟のアブドルアジズ・ハキム代表は、「外国軍の駐留を望むイラク人はいない。撤退についても(新政府で)議論されるだろう」と明確に語っている。

 統一イラク同盟に強力な影響力を持つシスタニ師らシーア派の宗教指導者は、今後制定されるイラク憲法ではイスラムを「唯一の法源」とすべきだとの見解を示している。今後イラクに、イランのような反米イスラム国家が出現するかもしれない。イランでは、軍幹部が「選挙結果はアメリカの政策への批判である。米軍は屈辱の思いで撤退するしかない」とコメントしている。

 ブッシュは今回の選挙を「イラク民主化」の象徴と宣伝しているが、今回の選挙によってイラクの人々は宗派や部族の違いをこえて「米英占領軍の撤退」を求めることがハッキリした。

 米軍による占領支配が続くイラクでは、いっこうに復興─生活再建は進んでいない。首都バグダッドでも断水が続き、電気も1日6時間しか使えない。世界有数の産油国であるにもかかわらず、ガソリンスタンドには数キロもの列ができている。スンニ派であれシーア派であれ、多くのイラクの人々は、一日も早い占領軍の撤退とライフラインの復旧をこそ望んでいる。


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2・16京都議定書発効

排出権取引ではCO2は減らない

 2月16日、温暖化効果ガスの削減を定めた京都議定書が発効する。昨年、ロシアが批准したことで議定書の発効要件が満たされ、発効が決まったのだ。今まで発効できなかったのは米ブッシュ政権が議定書から離脱したためだ。

 ブッシュ政権は2001年に、「途上国の中国やインドが実質的に参加していない」という理由で京都議定書から離脱した。アメリカは世界で最も温室効果ガス(CO2など)を排出しており、CO2排出量は世界全体の24・4%を占める。国の一人当たり排出量でも19・8tと世界一である(2000年)。アメリカこそが大量の石油を消費し、二酸化炭素を排出し続け、地球温暖化の原因をつくっているのだ。現在の地球温暖化は、アメリカなど主に先進国の経済発展のために引き起こされた。そこから言っても、アメリカの京都議定書離脱は暴挙なのである。

 確かに中国が排出するCO2の量は世界第2位である。しかしアメリカと中国を単純に比べることはできない。一人当たりのCO2排出量でみれば、中国は2・2t、インドは1・1tであり、一人当たりではアメリカや他の先進国に比べ極めて少ないCO2排出量なのだ。

 しかし発展途上国に発展する権利があるからといって、今後も温室効果ガスを出し続けて良いとはならない。このまま発展途上国が経済発展すれば、途上国の一人当たり排出量は増え、途上国全体の温室効果ガス排出量は先進国全体の排出量を上回ると予測されるのだ。しかも温暖化によって環境が変化すれば、洪水や津波の被害を一番受けるのは、対策を行う余力のない発展途上国である。先進国が率先して温室効果ガスを減らすのはもちろんだが、途上国も温室効果ガスを減らす必要があるのだ。

 こうした温暖化をめぐる南北問題の解決のために、京都議定書ではクリーン開発メカニズム(CDM)というシステムを取り入れた。CDMとは先進国が途上国での温室効果ガス削減に協力した場合、その削減量を自国の削減量にカウントすることができるシステムである。CDMによる温室効果ガス削減プロジェクトには、途上国の工場への技術移転、太陽電池の導入、生ごみの山から出るメタンガスを集めエネルギー源とする、など様々なものがある。先進国の省エネ技術を移転することで、途上国のエネルギー効率を高め、温室効果ガスを削減しようという趣旨なのである。

 またCDMには、技術移転だけでなく森林吸収によるCO2の削減方法も含まれる。理論的には1トンの炭素が樹木に吸収されれば、大気からこの分が取り除かれたことになり、化石燃料の燃焼によって生ずる炭素量を1トン分増やすことができるという考え方だ。

 しかしこの考えには多くの疑問が呈されている。森林がどの程度CO2を吸収するのかは不明確であり、たとえCO2を樹木が吸収したとしても、永久に炭素を貯蔵することはできない。植林しても計算どおりにCO2が吸収されず、先進国のCO2排出量は増え、結局地球全体のCO2が増えることもあり得るのである。それでは全く意味のないシステムだ。

 問題なのは、植林などの吸収源利用に関心が向かい、化石燃料の燃焼による排出量削減に資金や意志が向かわなくなることである。先進国が金にものを言わせて農業用の土地を植林地に変えてしまえば、またそこに新たな問題が生ずる。京都議定書の目標は先進国の温暖化効果ガスの排出を削減することだ。途上国への植林が先進国にとっての排出量削減回避の抜け穴になることは許されてはならない。

 たとえ京都議定書の削減目標が着実に達成されたとしても、温暖化防止への影響はわずかでしかない。今後、さらに厳しい削減目標が立てられていく必要があるのだ。CDMや排出量取引に頼らず、大量生産・大量消費の社会システムそのものが再考されていかなければならない。


(2005年2月25日発行 『SENKI』 1170号1面から)

http://www.bund.org/editorial/20050225-1.htm

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