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WTO加盟3周年、過渡期後の挑戦(1)開放の実績
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中国の世界貿易機関(WTO)加盟からの3年間で、貨物貿易の関税率引き下げ目標がほぼ確定し、関税率の全体的な水準は2001年の15.6%から約10.3%に低下し、一部製品では予定以上のペースで税率の引き下げが進んでいる。
ここ3年間、中国の非関税障壁は減少し続けている。輸出割当許可証の管理を実施する製品は52種類まで減り、輸入割当制度を適用する製品はわずか8種類になった。またバイクとその重要部品、自動車とその重要部品、カメラ、携帯電話など16品目に対する割当額制度、許可証制度、特定品目の入札管理が廃止された。
外的な影響に対して最も敏感なサービス業でも、3年間でかなり開放が進んでいる。銀行業では、外資銀行の外貨取扱い業務に関する対象地域・対象顧客の制限が撤廃されたほか、人民元取扱い業務を外資行に開放している地域が上海、深センの2都市から13都市へ拡大した。現在、人民元取扱い業務の許可を受けた外資銀行の営業拠点は105カ所に達し、外資銀行の営業拠点の半数を占める。また、外資による自動車ローン会社の設立も許可された。
保険業では、外資系の生命保険会社に経営権を認める都市が増え、約40社・70カ所の営業拠点が設立されている。
小売業では、外資系の流通・小売会社が6月末現在で約270社に上り、店舗総数は4500店を超えた。ウォルマート、カルフール、メトロなどの世界的な流通大手が対中投資を大幅に拡大している。また、訪問販売に関する法律も年内に制定される見通しだ。
WTOルールに合わせた法規・規則が40余り公布された。政策の面では海外サービス業の参入を認める分野や地域を拡大し、市場参入の「敷居」を低くし、法律の透明性を高めている。03年に新規設立されたサービス業関連の外資系企業は1万159社を数え、同年の新設外資系企業全体の4分の1を占めた。
その他の面でも、中国はWTO加盟時の承諾事項の実行へ誠意を示している。今年7月1日に実施された改正「対外貿易法」では、合意による期限を前倒しして、対外貿易経営権を全面的に開放した。これにより、国内・海外を問わず、すべての企業・個人が中国で対外貿易を行えるようになった。7〜9月の3カ月間に全国で登録された対外貿易経営機関は1万8500カ所を超え、個人経営が200カ所以上、外資系企業が570カ所以上に達した。知的財産権保護では、「商標法」「専利(特許・意匠・実用新案)法」「著作権法」「コンピューターソフト保護条例」などの法的文書や関連の細則を相次いで公布し、商工管理部門や税関、版権管理部門などが権利侵害行為を大量に摘発している。(編集KS)
「人民網日本語版」2004年12月2日
http://j.peopledaily.com.cn/2004/12/02/jp20041202_45675.html
WTO加盟3周年、過渡期後の挑戦(2)平穏な過渡期
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世界貿易機関(WTO)加盟からの3年間の状況をみると、加盟時の承諾事項の実行による国内産業への打撃は、当初の予想を下回り、ほぼ「平穏な過渡期」となっている。これは中央政府や各地方各部門が、これら承諾事項の実施を重視し、効果的な対応がプラスになったとみられる。同時に、客観的な原因として、次の2点が挙げられる。
(1)開放過渡期の産業保護政策にプラス効果:市場開放への過渡的措置として取られた産業保護措置により、外来の競争者による国内産業への影響はまだ大きくなっていない。最も典型的な例が自動車産業だ。商務部はWTO加盟時の合意に基づく規制緩和と同時に、WTOルールを柔軟に運用して、製品輸入割当額の秩序ある管理と適度な調整・コントロールを堅持。構造調整、リズムの把握、透明性の向上などを通じて、輸入車による国産車への打撃を効果的に緩和した。現在、国内市場シェアにおける輸入車のシェアは4%未満(乗用車は6%未満)。一方、同時期に国内メーカーは急速に発展し、生産・販売台数ともに大きく伸びている。固定電話業務は今年末の対外開放の予定であり、外資の直接参入はまだない。
(2)対外開放の前倒しによる「ダメージ消化」:小売分野では、WTO加盟前から段階的に開放が進み、内外の企業による競争が早くから始まっていた。国内の小売・流通企業は競争の負担を持ちこたえながら、逆に大きく成長した。
(3)グローバリゼーションによる恩恵:ここ数年来、経済のグローバル化や国境を越えた新たな産業シフトに伴い、大量の海外企業が中国に生産拠点を移した。これにより、一部業界では国際競争の負担が軽減している。国際市場環境の変化にも負担減の作用があった。たとえば国内通信産業が比較的安定している背景には、世界の通信産業が低迷したため、世界的な通信キャリアの多くが対中投資を控えたことがある。(編集KS)
「人民網日本語版」2004年12月2日
http://j.peopledaily.com.cn/2004/12/02/jp20041202_45676.html
WTO加盟3周年、過渡期後の挑戦(3)今後の対外開放
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世界貿易機関(WTO)加盟後4年目を迎える2005年、中国ではほとんどの業界で対外開放への過渡的措置が終了し、一部業界は承諾事項が完全に実行される「ポスト過渡期」にに突入する。関税の全体的な水準は10.1%まで引き下げられ、非関税措置はすべて撤廃される予定だ。
自動車分野では、05年1月1日から輸入車の割当管理が撤廃され、関税率が一律30%に引き下げられる。(06年には最終的に25%まで引き下げる予定)
農業分野では、05年に農産品の全体的な関税率を15.35%まで引き下げる。これにより、中国は世界で最も農産品の関税率が低い国の一つになる。今年から農産物の関税割当量は最高レベルに達し、来年も引き続き高水準を維持する。羊毛とウールトップに対する指定輸入業者の制度も廃止される。06年1月には大豆油、パーム油、菜種油の関税割当が撤廃され、関税の調整による輸入に改められる。
サービス貿易分野では、06年12月11日には、外資銀行の人民元取扱い業務の地域・顧客による制限が撤廃される。05年後半には、外資系保険会社に対する再保険への強制加入措置が撤廃される予定。06年以後は外資100%の保険会社の設立を認める。
移動通信の音声・データ送信サービスでは、04年末に外資導入比率の上限が49%に引き上げられ、06年には地域的な制限が撤廃される予定。電気通信基礎業務は、07年に地域制限を撤廃され、外資導入比率の上限を49%に引き上げる。
建築設計、観光、運輸などの業界では、05〜07年に外資100%企業の設立が段階的に許可される。
透明性については、報告、WTOによる過渡期間内の審議、情報提供、貿易に関係する法律・法規の発効前の評価期間の設定など、義務事項を引き続き実行する。06年4月、WTOは中国に対する第1回目の貿易政策審議を開く予定。それ以降は2年に一度審議が行われる。(編集KS)
「人民網日本語版」2004年12月2日
http://j.peopledaily.com.cn/2004/12/02/jp20041202_45677.html
WTO加盟3周年、過渡期後の挑戦(4)過渡期後の課題
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世界貿易機関(WTHO)の加盟後の情勢について注意すべき点として、中国政府は2005年から、既存の管理手段を段階的に緩和・撤廃する予定だ。影響を受けやすい業界では、輸入商品との競争が激化することになる。国内外の市場環境もより複雑化するとみられる。また、WTO加盟後による中国経済への深層部分での影響が、徐々に顕在化する時期に入る。プレッシャーが減少することはない上、試練にも迫られることになる。
WTO加盟が中国に与える影響には、長いプロセスがある。加盟からの3年間が平穏な過渡期になったことから、こうした過渡期の特殊な状況を当たり前の状態だと考え、今後数年間も波瀾は起きないとみる人が一部にいる。しかし実際には、中国政府の公的サービスや社会管理機能は、相対的に発展が遅れており、基幹産業や影響を受けやすい業界には、持続可能な発展への能力が不足し、企業のコア・コンピタンスの向上が急務になっている。
農業を例に挙げると、関税割当の使用率が今後上昇するとみられるが、中国農業の経営規模は小さく、組織化が遅れており、生産量の多い主要農産物は競争力が弱いため、海外の高品質・低価格の商品に市場シェアを奪われる恐れがあり、こうした局面は短期的には変えにくいとみられる。
自動車の場合、国内自動車産業の国際競争力は米国、日本、ドイツなどの自動車大国のわずか半分程度で、コスト・価格は全体的に国際市場の水準を上回っている。輸入車割当の撤廃と関税率引き下げにより、国産車は輸入車の「大量上陸」に直面することになる。また銀行、保険、電気通信業などの攻防戦も激化の段階に突入するとみられる。
われわれはこうした状況を十分に重視した上で、WTOルールの適切な活用、別々の状況の見極め、対応戦略の調整、より効果的で有力な措置の採用などを通じ、開放の中で自己の発展を図り、改革の中で実力を強化する必要がある。(編集KS)
「人民網日本語版」2004年12月2日
http://j.peopledaily.com.cn/2004/12/02/jp20041202_45678.html