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2004年 12月 1日 水曜日 20:40 JST
[東京 1日 ロイター] 財務省は、今後の国債大量発行をにらみ、国債円滑消化に向けた新たな施策を発表した。2005年度の借換債増に対応するため、日銀に対して1年物のTB(割引短期国債)の再乗り換えを要請するとともに、2005年度下期にも期間5年・固定金利の新型個人向け国債を発行、2008年度の大量償還に備え、金利スワップ取引も開始する。
また、2005年度国債発行計画について市場では、実質的な市中発行額が120―125兆円程度との見方が一般的になっていることや、20年利付国債や15年変動利付国債の増発を求める声が多いことも明らかにした。
財務省が、1日に開催された国の債務管理の在り方に関する懇談会(第2回)後の会見で発表した。
TBの日銀乗り換えは、日銀がオペなどで取得した10年物国債などに満期が到来した場合、1年物TBに乗り換え、1年後に現金償還するのが通例だが、財務省幹部によると、2005年度は借換債発行が急増する状況にあり、2004年度に日銀が乗り換えたTBの一部について、「再度、一部を乗り換えてくれないか、日銀に検討をお願いしている」という。
具体的な再乗り換え額については、「日銀にお願いしている状態であり、現時点では一部としか言えない」(幹部)としているが、財務省幹部によると、TBの日銀再乗り換えは、2000年度と2001年度に、満期分の2分の1を再乗り換えした事例がある、という。
新型個人向け国債は、期間5年の固定金利型で、金利水準は新発5年国債の金利水準をもとに設定する。現行の期間10年・変動金利型と商品性の大きく異なる国債を発行することで、個人の多様なニーズに応え、個人の国債保有拡大を図る。
ただ、現行の変動金利型商品では、中途換金の仕組みが、発行から1年経過後、手数料は1年分の利子となっているが、新型個人向け国債は、発行から2年経過後で、手数料を2年分の利子とし、「中途換金のハードルを高くした」(財務省幹部)。これは、「固定金利商品は、変動金利商品よりも金利上昇時に解約が出やすく、リスクコントロールが必要」(同)との判断によるもの。
新型個人向け国債の発行額について、財務省幹部は、「現時点では数字としての見通しはない」としている。現行の変動金利型個人向け国債は、景気回復に伴う金利先高観測などを背景に、好調な売れ行きを記録しており、2004年度発行額はすでに当初計画の2兆1000億円を大きく上回る約5兆円に達している。
また、2005年度下期にも、金利スワップ取引を開始する。財務省幹部によると、スワップ取引は、2008年度の国債大量償還をにらんだ取引が中心となり、初年度の取引額は、想定元本ベースで2000─3000億円程度が見込まれている。大量償還対応の具体的な取引方法は、金利情勢次第で大量償還に伴う借換コストが上振れするリスクがあることから、金利変動リスクを抑制するため、「2008年度を超える長期の固定払い・変動受けと、2008年までの中期の固定受け・変動払いの取引を組み合わせて実施する」としている。
このほか、個人向け国債の販売状況や、第2非価格競争入札に対する需要などに伴い、年度当初の国債発行計画段階よりも、固定利付債や変動利付債の比率など負債の構成に変化が生じることも想定される。財務省では、そうした場合の負債構成の適正化やリスク・コントロールにも、スワップ取引を活用する場合がある、としている。
さらに、新規施策として、国債の海外保有者層の拡大をめざし、海外説明会(IR)も開催する。具体的には、1月18日にロンドン、1月20日にニューヨークで開催する。
他方、きょうの懇談会では、2005年度の国債発行が大きなテーマとなった。財務省幹部によれば、メンバーからは、「物価連動債は市場育成の観点から着実に増発するのがよいとの意見があった」。さらに、「20年債や変動利付債については、ニーズが強く、増発が妥当だろうとの意見があった」という。
ベンチマークの育成を図るという観点から、20年債だけでなく、30年債を増額すべきとの意見が出た。しかし、財務省幹部は、「この意見に対しては、現状では30年債のニーズは、20年債と比べると小さいので、現状で直ちに増発する余地はあまりないのではないか、との意見があった」と、反対の声も紹介。さらに、30年債は入札方式が通常と異なることや、現状では日銀のオペ対象となっていない、といった指摘もあったという。
また、2005年度内の実際の入札額となる実質的な国債の市中発行額については、財務省は国債市場の参加者に行ったヒアリングの結果、120兆―125兆円程度と見込む意見が一般的だった、という。
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