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ルーブルは原油価格高騰で最も強い通貨のはず。R・ダンカン著 「ドル暴落から、世界不況が始まる」
http://www.asyura2.com/0411/hasan37/msg/722.html
投稿者 TORA 日時 2004 年 11 月 19 日 15:26:49:CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望

http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu83.htm
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ルーブルは原油価格高騰で最も強い通貨のはず
R・ダンカン著 「ドル暴落から、世界不況が始まる」

2004年11月19日 金曜日

◆10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000102800
   _____
   今日のNews
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
●ロシア中央銀行は通貨を米ドルに連動させる為替制度を
廃止し、2005年からユーロを中心に構成する通貨バスケットを
指標に相場を管理する手法を導入する。欧州が主要貿易相手
である実態を踏まえ、ユーロとの連動を高める狙い。外貨
準備に占めるユーロの比率も引き上げる。
                     11月18日日経国際面
   __________
   佐々木の視点・考え方
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      
★世界第1位の燃料資源輸出国のロシア・ルーブルは、
 このところの原油価格高騰を受けて最も強い通貨で
 あるべきだ。

 しかし現実は最大の輸入相手であるEUに対して通貨安が
 続いてきた。
  http://tinyurl.com/4veba

 これは、ロシア・ルーブルが米ドルにリンクしてきたためだ。
 ルーブルは米ドルに対しては強かったのだが、ユーロなどの
 他の通貨がドルに対してより強かったためだ。
  http://tinyurl.com/5ted9

 今回の決定は、ロシアがより経済実態に合わせた仕組みに
 するものであり、自然な動きだ。

★しかし、この流れはアメリカドルに対するインパクトがある。
 米ドルが基軸通貨としてみなされる要因は、アメリカ以外の
 3国間の決済でもドルが決済通貨とされるからだ。

 これが、ユーロの誕生により欧州圏の決済通貨が変わり、
 ルーブルがよりユーロの影響が高くなると、ドルに対する
 世界の需要が減ることになる。

 アメリカは原油の輸入国であり、ロシアは輸出国だ。
 中東産油国が資産を米ドルからユーロに換えている流れも
 考えると、 米ドルの基軸通貨としての重要性が減り、
 より、ファンダメンタルズに沿った為替の動きとなりそうだ。

PS ドル・リンクのルーブルと、フリー・フローとのはずの円が
   同じ動きをするのはなぜ?
   http://tinyurl.com/3qr4a

◆ドルの急落で高まる人民元の切り上げ圧力 関 志雄
http://www.rieti.go.jp/users/china-tr/jp/ssqs/041116-2ssqs.htm

米国の貿易赤字は2004年の1-9月期に4695億ドルに達し、通年では6000億ドルを超え4年連続史上最高の記録を更新することは確実となっている。これを背景に、米国の対外収支の持続可能性について疑問が持たれるようになり、ドルは円やユーロなどの主要通貨に対して急落している(図1)。各通貨の対ドル相場を現在の水準で維持するためには、貿易赤字をカバーできる米国への資本流入が必要である。しかし、米国の低金利とドル急落のリスクに直面する海外投資家はドルでの資産運用を控えており、ドル相場の維持は日本と中国をはじめとする諸外国の通貨当局の為替介入に頼らざるを得ないのが現状である。
実際、日本と中国に限らず、他の東アジア諸国・地域も、自国通貨の対ドル上昇を阻止するために為替市場でドル買い介入を続けている。その結果、東アジア諸国(日本、中国、台湾、韓国、香港)の外貨準備は、2001年末時点の9382億ドルから、2004年7月末時点で1兆8252億ドルと約2倍に増加している。この時期、ユーロ圏の外貨準備高は2350億ドルから2259億ドルと大きな変化を見せておらず、その代わりに、ユーロがドルに対して急騰した。アジアの国・地域は外貨準備を貯め続けるか、対ドル切り上げという決断を迫られている。

このようなドル安傾向を反映して、実質的なドルとの固定相場制(ドルペッグ)を採っている中国の人民元もドル以外の通貨に対して下落している。これは中国の輸出競争力を高めるというプラスの面もあるが、貿易黒字拡大に伴う貿易摩擦を招きかねない。実際、2000年に中国は日本を抜いて、米国にとって最大の貿易赤字相手国となった(図2)。米中間の貿易不均衡幅がその後も拡大し続ける中、米国は中国に対して人民元切り上げ要求を強めている。

ドルペッグを維持しようとする以上、中国当局は貿易を中心とする経常黒字と直接投資の流入などによる資本収支の黒字を、介入という形で市中から買い上げなければならない。現に中国の外貨準備額は年々増え、2004年9月には5145億ドルに達している。2004年の最初の9ヶ月の新規分だけでも1113億ドルに上る。急増する外貨準備がどういう形で運用されているかは公表されていないが、相当部分が米国債などのドル資産に投資されていると見られている。一部の中国の学者は、中国の外貨準備の増大は米国政府への資金融資を意味し、通商問題など対米交渉において、有利な材料になると論じている。しかし、外貨準備の大半をドル資産につぎ込むことになると、ドルの急落に伴って膨大な損失を被ることになる。中国のGDP規模が米国の8分の1程度に留まっていることも合わせて考えると、大量の米国債の保有は、中国にとっては交渉カードどころか、米国に取られた「人質」であると見るべきである。

このような問題を解決するためには、最終的には中国当局が市場への介入を最小限にとどめられる変動制へ移行すべきであろう。その移行期において、通貨バスケット制を導入すれば、中国経済を、円ドルレートやユーロドルレートをはじめとする主要通貨間の為替レートの変動による影響からある程度遮断することができる。その一方で、外貨準備の通貨別構成も見直さなければならない。ドルが中長期にわたって下落する可能性が高まる中、ドル資産中心の外貨準備を円やユーロ資産へとシフトさせていく必要がある。むろん、シフトする額も小額ではないため、短期的には資産運用の態度を変えることでいっそうのドル安が促される危険性は否めない。しかし、長期的な視点に基づけば、このようなポートフォリオ調整は避けられないだろう。

図1 ユーロと円に対して急落するドル


図2 拡大する米国の貿易赤字


◆ドル暴落から、世界不況が始まる――リチャード・ダンカン著
http://www.nikkei-bookdirect.com/bookdirect/item.php?did=35094

原題「ザ・ダラー・クライシス(ドル危機)」。本書はいわゆる際物ではない。

 一九七一年八月にニクソン米大統領が金・ドル交換停止に踏み切って以来、ドルは金という裏付けを失った。それでも、ドルを基軸通貨とする体制は一見、うまく回っているように思える。本書はその認識に否を唱える。

 金という歯止めがなくなり、米国の対外債務が拡大し続けている。それは、日本など米国外の国々からみれば、米国にモノやサービスを売って得た債権である。かくて、風船のように信用が膨らむ。

 おカネを引き込むために、米国は常に成長のフロンティアを開いて行かなければならない。それが行き過ぎた結果、一九九〇年代の情報技術(IT)バブルが生まれ、崩壊した。現在の米国はまだその後遺症を引きずっている。

 おカネが国境を越えて自由に駆け巡る環境こそ、米経済の命綱である。だから、米国は日本などに金融自由化を求めてきた。その結果、マネーの流れは、モノやサービスの取引をはるかに上回るようになった。かくして、金融バブルが繰り返し発生するようになってしまったのだ。

 本書の処方せんは二つ。国際的な最低賃金制の導入によるグローバルな均衡の達成と、膨張するマネーに対する国際的な制御である。必ずしも目新しい提案とはいえないが、現状の問題点を整理するうえで本書が有益なのは間違いない。徳川家広訳。(日本経済新聞社・一、八〇〇円)


(私のコメント)
USドルはロシア・ルーブルと中国・元が連動しているために、為替相場に歪みが出来てしまっている。アメリカはこの二つの国がドルに連動しているために、ロシアからは相場よりも安く石油を買い、中国からは工業製品を安く買いまくっている。さらには輸出にも有利だからロシアと中国は輸出景気でウハウハの状態だ。中国ではバブル景気になっている。

しかし輸入に関してはロシアも中国も、日本やEUから輸入したいものがたくさんあるし取引量も大きくなっているのに、第三国のドルで決済するのは不合理だ。ドル基軸通貨体制はあったほうが確かに便利だが、以前のアメリカ経済に比べて双子の赤字を抱えるアメリカ経済はドルの信用に陰りが見られ、ユーロというライバルの登場で風向きが変わってきた。

その結果、ロシアも中国もドルからユーロの比率を引き上げざるをええない状況になって来ている。今までもアメリカの双子の赤字やドル危機でドルの基軸通貨体制が揺さぶられてきましたが、ブッシュ政権の第二期突入でその危機がいよいよ間近迫ってきたようだ。現在のブッシュ政権には経済に強い人材がおらず、財務長官も政権内では力が強くない。

アメリカの貿易赤字の内訳も中国のみならず全世界的な赤字が増えていることだ。世界に散らばったドルが投資という形で還流していた間はいいが、それが一旦ストップして行ったらドルが暴落するのは火を見るより明らかなことだ。全世界は日本のようにはアメリカの言うことは聞かず、ユーロのほうが良いとなればドルを手放し、ユーロや円を買うだろう。

アメリカはドルと金の兌換をやめて以来、紙幣を刷りまくって世界から物を買ってきた。基軸通貨がドルしかなかったのだから、そんな真似が出来たのだ。日本を始めとして中国などもドルを有り難がって外貨を積み重ねてきましたが、石油輸出大国ロシアが石油もユーロでも売るよと宣言すればドル基軸通貨体制は一巻のお終いだ。

今のところドルが何とか基軸通貨になっていられるのも、石油輸出国がドルで石油を決済してくれるからですが、ロシアが石油の決済通貨を切り替えれば、他の産油国も雪崩を打って切り替えるからだ。そうなればドルの独歩安となりアメリカ経済は破綻する。日本がいくらドルを買い支えても世界の流れを変えるのは無理だろう。

最初に掲げたロシア中央銀行の2005年からの為替制度をドルから、ユーロを中心としたバスケット方式に切り替えるニュースはついに来るべきものが来たというニュースだ。ところがこのような大ニュースが日経の国際面に小さくしか載らないのは、日経の記者たちもその意味が分かっていないからだろう。

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