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国と地方の税財政を見直す「三位一体の改革」の補助金改革問題で、政府・与党の調整が難航している。全国知事会など地方6団体が示した総額3.2兆円の補助金削減案に対し、中央省庁がまとめた案は約9300億円。厚生労働省など3省は削減額不足を補うため補助金を交付金化する代案も示した。だが、交付金化分は政府が目指す3兆円規模の税源移譲の対象に含まれないため、税源移譲の目標達成に向け、省庁は一層の補助金削減を迫られそうだ。
◆交付金化の流れ
義務教育費国庫負担金(中学校教職員分、8500億円)の削減を地方案で求められた文部科学省は、10月末の中央省庁の対案提出期限に補助金削減と税源移譲を拒否する「ゼロ回答」を示した。中山成彬文部科学相は「国が教育に使う予算を減らすことは考えられない」と削減を拒む姿勢を崩していないが、小泉純一郎首相は「地方案を真摯(しんし)に受け止めてほしい」と補助金削減の上積みを求めており、文科省だけが「ゼロ回答」のままでは済まされない状況だ。
このため、同負担金を交付金に衣替えする案が浮上している。交付金は補助金より使い方について国の制約が緩く地方の裁量が広がるため、国から地方への権限移譲を進める三位一体改革の大義名分に合致するからだ。
同じように、厚労省が社会保障などで3276億円、農水省が農村振興などで1527億円、環境省が廃棄物処理などで732億円の補助金の交付金化を表明した。
3省が交付金化する補助金計5535億円を省庁案の補助金削減額9300億円に足しても目標の3.2兆円には及ばないが、文科省が同負担金を交付金化すれば補助金が大幅に削減されたように見える。地方の裁量は広がるが、実質的には権限を手放さないで済む省庁にとっては一石二鳥だ。
◆税源移譲の壁
ただ、交付金化で補助金は削減出来ても依然として国の歳出の一部であるため、国から地方に財源を移して自由に使わせる税源移譲にはつながらない。
「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004(骨太の方針第4弾)」は三位一体の改革について「05、06年度で3兆円程度の補助金改革と、おおむね3兆円規模の税源移譲」と数値目標を示した。これを踏まえて地方6団体は8月に「3.2兆円の補助金削減と3兆円の税源移譲」を政府に求めた。
交付金化で見かけ上の補助金削減額を目標に近づけても、結局、税源移譲の目標達成には一層の補助金削減が不可欠になる。このため、文科省も義務教育費の国庫負担率を現行の2分の1から3分の1に引き下げて補助金を削減し、差額分を地方に税源移譲するなどの妥協を迫られる公算が大きい。地方が求めたのとは違う補助金を削減する案を示した厚労省も、地方の意向に沿って削減額の上積みを求められる場面が出てきそうだ。【川口雅浩】
毎日新聞 2004年11月5日 20時09分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20041106k0000m020079000c.html