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【ワシントン=広瀬英治】米商務省が29日発表した2004年第3・四半期(7―9月)の国内総生産(GDP)実質伸び率の速報値は、年率換算で前期比3・7%増(季節調整済み)となった。前期(4―6月)より伸び率が0・4ポイント上がったものの、4%台半ばを見込んでいた大方の市場予想には届かず、11月2日に迫った米大統領選挙に与える影響は微妙だ。
GDP全体の約3分の2を占める個人消費が4・6%増と、2003年7―9月(5・0%増)以来、1年ぶりの高い伸びとなり、GDPの成長を支えた。特に、米連邦準備制度理事会(FRB)による6、8、9月の連続利上げにもかかわらず、個人消費が力強さを維持したことは、明るい材料だ。
しかし、好調な自動車販売が「メーカー間の激しい値引き競争の結果」(市場関係者)との指摘もあるなど、手放しでは喜べない要素もある。
ブッシュ大統領(共和党)は選挙戦で、大型減税などの効果で「昨年9月以来、180万人も雇用を創出した」と強調し、景気回復の成果をアピールしてきた。
一方、最近まで「ジョブレス・リカバリー(雇用なき経済回復)」に苦しめられたのも事実で、全米の就業者数(非農業部門)は9月末現在、ブッシュ政権の発足前より約87万人も少ない。民主党大統領候補のジョン・ケリー上院議員は「ブッシュ氏は世界恐慌以来、70年ぶりに雇用を減らした大統領」と攻撃している。
ブッシュ政権の経済運営で、もう1つの弱みは、大型減税やイラク戦争の出費増で、深刻な財政悪化を招いたことだ。
この4年間の米経済については、2001年9月の同時テロやイラク戦争、大企業の会計不祥事など、度重なる逆風を切り抜けて成長を回復した「光」の側面と、雇用の減少と深刻な財政悪化のツケを残した「影」の側面の両面があり、どちらも無視できない。
大統領選では、有権者が「光」と「影」のどちらに注目するかによって、ブッシュ政権を信任するか、ケリー氏に期待をかけるかが分かれることになりそうだ。
(2004/10/29/23:29 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20041029i415.htm