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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu81.htm
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ノーベル経済学賞を受賞したクライン教授のシンポジウム
35兆円もドルを買う金があるのなら研究開発に使え!
2004年10月26日 火曜日
◆死に体の日本のマスコミ 経済コラムマガジン
http://www.adpweb.com/eco/
筆者は、今回のシンポジウムの前後に、実に色々な人々と話をした。経済学者、エコノミスト、政治家、企業家、元大蔵官僚、保守系有線テレビ社長などである。あまりにも話題が多岐に渡ったので、誰と何の話をしたのかさえもはっきり覚えていない。たしかに面白い話が沢山あった。
その中の一つを紹介する。これは昔から知っているエコノミストの話である。「最近、大手の新聞が財務省にごまをすって、また財政再建のキャンペーンをやりましょうかと財務官僚に持ちかけたところ、その財務官僚は拒否した」という話である。これは筆者がそのエコノミストから聞いた話であり、いわゆる伝聞である。裏をとった話ではない。しかし筆者は、これはあり得る話と受取っている。
小渕政権の一瞬を除き、日本は8年くらい緊縮財政を続けている。デフレ下の緊縮財政である。まさに「狂気の財政運営」である。その結果、財政赤字が減るどころか、公的累積債務はどんどん増えている。また名目GDPが毎年減少するといった前代未聞の現象が起っている。
実際のところ、35兆円といった常軌を逸した一連の為替介入を行なって、今日の日本経済は支えられている。政府はこの介入資金で二度と売れない米国国債を大量に買っている。しかし今日、米国の経常収支の赤字はGDP比で5〜6%に達している。これはプラザ合意前の3%をはるかに越えている。「米ドルの暴落」は十分考えられるシナリオである(昨年から今年にかけては、政府・日銀が35兆円もの為替介入を行なってこれを回避した)。そして米ドルが暴落すれば、日本政府の海外資産の価値が半減することもあり得る。一体その責任を誰がとるつもりなのであろうか。
やはり日本では、内需拡大政策が正しかったのである。巨額の為替介入資金は、国内の失業対策などの内需拡大に使うべきであった。筆者は、財務当局も、今日自信をなくしていると思われる。このまま緊縮財政路線を続けて良いのかどうか悩んでいるのである。そのような徴候があちこちに見られる。谷垣財務相も「これ以上歳出を削ったら、日本の経済運営が難しくなる。財政再建にはむしろ増税を考えるべきである。」と一頃世間ではやった「小さな政府」とは逆方向の発言をしている。昨年はスティッグリッツを招き、政府貨幣発行の話をしてもらっている。
財務当局の考えが完全に変ったとは言わないが、これまでの路線が間違っていたことに気が付きはじめた段階と考える。しかしデフレ下の緊縮財政路線は、大蔵官僚自身が始めたことである。武村、梶山といった筆者に言わせれば、経済に疎い政治家をそそのかしてこの政策は始まった。当時の経済学者やエコノミストは、ニュージランドなどの経常収支が赤字でインフレが問題の国の財政運営を引き合いに出し、財政再建には「財政支出の削減」しかないと嘘を言っていた。
ところがマスコミの長年の財政再建のキャンペーンによって、国民も政治家も完全に洗脳されている。これだけ台風災害が起っているのに、今日、補正予算の話も具体化しない。しかし現状では財政運営の大転換は無理と考える。しかし筆者は、災害対策のための補正予算といった中途半端な政策はむしろ止めるべきと考える。これは政策責任者の延命策にしかならない。
それにしても日本のマスコミの閉鎖性に驚いた。ノーベル経済学者を招いてのシンポジウムなのに、これを取上げたマスコミがほとんどなかった。表向きには、自分達が主催しないイベントは取上げないということらしい。面白いことに今回のシンポジウムをフィナンシャルタイムがかなり大きく取上げていた。やはり日本のマスコミの方は完全に死んでいる。
◆ノーベル経済学賞を受賞したクライン博士からの手紙
http://www.tek.co.jp/p/klein.html
翻訳
サミュエルソンの提案した政策を交えて行った、あなたと、宍戸氏による興味深いシミュレーションの結果を私に送って下さって、有り難うございました。まだ詳しくは見ていませんから、あなたが求めたインフレ率に関しては、本格的なコメントはできません。インフレターゲットとして4%を目指すのは、高すぎるターゲットだと思います。そこまでくると、インフレ期待が起きるかもしれません。2%位のインフレ率が適当なのではないかと思います。しかしあなたのシミュレーションで求まった経済の回復は、本当に素晴らしいものだと思います。しかし完全に持続性のあるものになっているわけではない。
私の提案は、通貨の膨張です。日銀は政府の借金を買い取るべきです。減税をやるとよい。しかしこのような財政による景気刺激策と共に、日本の教育システムを向上させるための長期プログラム(良い先生を集め、先生の給料を上げてやり、研究施設の拡充、学校のインフラ整備−例えば建物など−そして大学在学中の学生への援助)に資金を使うのがよいのではないだろうか。教育と減税で半々で使うのがよいかもしれない。
しかし、供給サイドからフィードバックする必要がある。良い教育を受けた労働者は人的資本という面での増加を意味し、それは高い生産性を生み出すであろう。単位労働コストは押さえられ、利益は着実に増加する。
ローレンス クライン
(私のコメント)
日本がデフレ経済からぬけだせないのは頭の固い財務官僚と、彼らに取り入るマスコミが財政再建路線をとり続けているからだ。それでもなんとか日本経済が持っているのは80兆円の財政支出を保っているからだ。しかしこのままでは緩やかなデフレ経済に陥り、歳入はますます減ってゆく。そのために政府税調の石会長は増税を主張している。
このまま失業者やフリーターやニートが増えて行けば税金を支払うより、税金で生活保護を受ける人がますます増えて行くだけだ。一人当たりの所得が減っているのみならず、税金を払う企業や会社員の数が減ってゆけば税収が減ってゆくのは誰にでも理解できることだ。しかし財務省の官僚や小泉首相はその事を理解する事が出来ない。
ではどうしたら新規企業を増やし雇用者を増やしてゆくかは、国が先頭を切って技術開発に予算をつけて行けば新規の企業も増えて経済の活性化につながるだろう。公共投資でも今回の台風や地震で補強しなければならない河川や道路がたくさんある事がわかった。決壊した川はただ土を盛り土しただけの土手に過ぎない。
しかしコンクリートむき出しの堤防では景観も悪くなるから、ある程度改良した川の水があふれても決壊しない堤防を作れば、日本全国の河川はいくら公共事業をやっても足らないくらいの防災工事は無限にある。ダムや砂防ダムは土砂を溜め込むだけで洪水の予防にはあまり役に立ってはいないようだ。
ノーベル経済学賞を受賞したクライン博士は研究施設の拡充などに国は金を使って、減税を主張している。これは以前よりの私の主張でもあり、もっと大規模に日本も宇宙開発や海洋開発や軍需産業にも金を使って新規産業分野を広げてゆくべきと主張してきた。財務省のバカ役人は恒久減税の縮減を考えているようだが、それだけ消費が減るだけでその分税収も落ち込む。橋本内閣の誤りを繰り返そうとしているがバカは何度でも同じ間違いをするものだ。
マスコミもデフレ経済にした責任を持つべきだ。国家財政を家計に例えて説明するのは、ミクロ経済とマクロ経済の違いがわかっていない証拠であり、テレビキャスターたちの無能さにも原因がある。マクロ経済はノーベル賞級の優れた頭脳の持ち主でないと理解できないのだろう。東大法学部をでた官僚たちにはマクロ経済学の事がわからない。
私のように経済の第一線で仕事をしていれば感覚的にマクロ経済がわかる。ところが大企業や役所などで働いていると金の流れが実感としてわからない。株式投資などで経験を積めばマクロ経済が感覚的にはわかる人にはわかる。木村剛氏などキャピタルフライトなどでたらめを言っているが、キャピタルフライトはアメリカドルに対して言うべき言葉だ。
私はこのような日本のエコノミスト官僚達の無能さを10月4日の「小林慶一郎の華麗なる経歴に騙されるな」
http://www.asyura2.com/0406/hasan36/msg/1082.html
と題して書きましたが、専門はマクロ経済学と言いながら、本当はマクロ経済学が全くわかっていない。古典派経済学ではマクロ経済を説明することは出来ない。竹中平蔵も古典派の経済学者であり、私から見れば彼のでたらめの政策は破綻することはすぐにわかることだが、一橋大学をでた程度の頭脳ではマクロ経済は理解できないのだろう。