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企業の好業績が続く一方で、雇用者の所得の回復が遅れている。内閣府は10月の月例経済報告に際し、過去の景気回復と比べて実質賃金が横ばいにとどまっている、と指摘。「所得への波及の遅れ」が今回の局面の特徴だと認めた。国内総生産(GDP)のうち労働者の取り分の割合を示す「労働分配率」はここ数年下降を続けている。「そろそろ底打ち」との期待もあるが、「この傾向はあと数年続く」(民間エコノミスト)と悲観的な見方も少なくない。
内閣府によると、景気の谷からの企業の経常利益の伸びは、今回の回復局面では直近までの9四半期で56%増。前回の回復局面(7四半期で61%増)や前々回の同時期の伸び(63%増)とほぼ同水準だ。
これに対し、実質賃金は、今回の9四半期ではわずか0.1%増。これまでの2〜5%と比べると明らかに低い。労働生産性は、前回、前々回以上に高まっているのに、時間当たり賃金上昇率はほぼゼロだ。
労働分配率は80年代末は51%前後だった。バブル崩壊後の企業収益の悪化やデフレの進行で、90年代半ばから00年代初頭までは54%前後で推移。02年ごろから、雇用削減や賃金抑制と企業収益の増加で、52%前後まで低下してきた。
これが下げ止まれば「所得増→消費増」が見込める。企業のリストラを経て「ようやくキャッシュフロー(現金収支)の増加が賃金に反映できる環境が整いつつある」(竹中経済財政相)との期待がかかる。
ただ、中小企業の労働分配率は80年代と比べて高止まりしており、野村証券金融経済研究所の木内登英シニアエコノミストは「緩やかな景気回復は続くが、経済全体での賃金反転にはまだ時間が必要。しばらくは賃上げなき回復が続く」との見方だ。
(10/16 23:52)
http://www.asahi.com/business/update/1016/021.html