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<2004年10月15日 夕刊 7面>
「〇〇署です ご家族が事故に」/警官装う詐欺相次ぐ
「新手」県警注意促す
警察官や保険会社の担当者を名乗る男から電話があり、孫や息子が交通事故に遭ったという作り話で金をだまし取られる事件が、県内で相次いでいる。「おれおれ詐欺」の一つで、今年七月から九月までの三カ月間で五件発生した。被害総額は約九百四十万円。県外からの電話による犯行がほとんどとみられ、検挙に至った例はない。県警は「一人で判断せず、警察や家族に相談して」と注意を呼び掛ける。
浦添署は十四日、金融機関や地域住民を対象に、寸劇で手口を紹介した。警察官を装う男らが、高齢者の男性から金をだまし取る内容だ。
「浦添署の交通課です。お宅のお孫さんが交通事故を起こして相手に大けがさせました。二百万円の示談金を払わなければ、交通刑務所に入ることになります」
落ち着いた男の声から孫役の別の男の声に代わるが、泣きじゃくるだけで何もしゃべらない。
「えっ、ユタカ(孫の名前)か?」
動揺する男性に、警察官役の男は「お孫さんは話ができない状態です。急いで払えばすぐに帰れます」と、銀行口座の番号を告げた。
男性が銀行に出掛けようとしたところ、たまたま帰宅した息子が孫に電話で確認し、だまされていたことに気付いた。
寸劇では、事件の概要を演じることはできても、身内が事故を起こしたと聞いたときの状態を表現するのは難しいそうだ。実際、日ごろは「おれおれ詐欺」に注意している人でも、パニック状態になり、だまされるケースは少なくないという。
沖縄本島南部の主婦は、夫が散髪屋に行っている間に電話を受け、夫と連絡が取れないうちに、「被害者は県外からの観光客で今すぐ金を振り込んでほしい」と警察官役にせかされ、だまされてしまった。
宜野湾市の女性は三百万円を奪われた。宜野湾署によると、電話口には四人の男が次々と登場したという。
まず、夫役が「ぶつけちゃった」と泣きながら話した。次に、警察官役が事故による修理代と被害者の治療費を求め、「保険会社はどこか」と聞き出した。
女性が答えると「その会社なら横に担当者がいる」と話し、別の男の声に。「手続きに十六日間かかる。とりあえず立て替えてほしい」と指示を出し、助手席の妻がけがをしたという被害者の男性が、県外銀行の口座番号を教えた。
やりとりは約三十五分間続いた。電話を切った時には銀行の営業時間ぎりぎり。女性は慌てて金を振り込んだ。
寸劇で高齢者役を演じた浦添署の古波蔵正盛生活安全課長は「慌てないことが肝心」と話す。
簡単に家族の名前を言わないこと、相手が本当のことを言っているかを確かめるために架空の家族の名前を書いて電話の前に張りつけることなどの対策を紹介。「本人に確認するまでは金を振り込まない。一人で判断せず、誰かに相談してほしい」と訴えた。
一方で、「おれおれ詐欺」については、住民が注意を始めると新たな手口が生まれる“いたちごっこ”が続いている状況もある。県警は実態を把握するため、不審な電話の情報提供を求めている。
警察官を名乗った詐欺被害(2004年)
発生 場所 被害
7月15日午前10時ごろ 名護市 100万円 女性(80)
21日午後 3時ごろ 宜野湾市 235万円 女性(48)
8月10日午前10時ごろ 大里村 100万円 女性(39)
9月17日午後 2時ごろ 那覇市 208万円 女性(66)
21日午後 3時ごろ 宜野湾市 300万円 女性(57)