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金融機関の中小企業向け融資に、各地の信用保証協会が連帯保証する「信用保証制度」で、昨年度までの3年間、粉飾決算をするなど融資が本来禁じられている企業への貸し付けが全国で138件計56億円実行され、そのすべてが焦げ付いていることが、会計検査院の調査でわかった。
うち9割は金融機関の事前審査を通っていた。貸し倒れの急増で、同制度には年4000億―6000億円もの国費が投入されているため、検査院は「審査態勢を見直さないと、制度の崩壊を招く危険がある」と指摘している。
金融機関が中小企業に資金を貸し出す際、全国の信用保証協会が連帯保証する「保証付き融資」は昨年度、138万件計15兆円実行された。一方、融資先の倒産で、各協会が肩代わりした代位弁済の総額は昨年度、1兆円を記録し、各協会が加入する中小企業金融公庫の「信用保険事業」は4300億円の赤字を計上した。
検査院は、巨額の焦げ付きが生じるのは、協会の審査で、問題のある融資先を排除できないことに原因があるとみて、全国の52協会のうち、東京や大阪、北海道など24協会を対象に、過去3年間に焦げ付いた1500件総額820億円について、融資先が倒産した背景などを調べた。
その結果、▽粉飾決算をしていた(23件15億円)▽法人税や社会保険料を滞納していた(30件21億円)▽高利金融から簿外で借り入れをしていた(68件14億5000万円)▽資金繰りに詰まって融通手形を振り出していた(17件5億5000万円)――といった企業への貸し出しが、138件56億円に上ることがわかった。
これら4つのケースは、中小企業庁の要綱で原則的に融資を禁じている「ネガティブリスト」に該当していたが、協会の審査では見抜くことができなかった。
検査院が、審査をした24協会を調べたところ、職員の多くが焦げ付いた融資の回収などにあたり、審査要員が不足している実態も判明。また、ネガティブリストにあたる不正を見抜くためのマニュアルを整備しているのは、5協会だけだった。同制度を使った融資は、金融機関にとっては、保証協会から確実に回収できるため、「事前審査はずさんになりがち」と指摘されていた。
(2004/10/12/14:31 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041012it06.htm