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しんぶん赤旗 日曜版 2004年10月10日
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極秘資料入手 スクープ
ピンハネ月収の28%7万円
請負会社の非情 大企業が頼るクリスタル系
青年を劣悪な労働条件で使い捨てる、人貸し稼業「業務請負」。日曜版編集部は、その"闇"の実態に迫る資料を入手しました。業界トップのクリスタルグループ会社の極秘資料です。そこから見えてくるものは―。 雇用問題取材班
この資料は「管理報告」と銘うった書類。クリスタル元幹部社員も「グループトップら限られた幹部しか見ることのできないものだ」と驚きます。クリスタルグループの中でも「製造請負の超大手」といわれるX社が8月に作成しました。
今回の資料で、初めてピンハネの実態が金額まで判明しました。
資料にはX社が「取引先」の各企業から受け取る「売上」額が明記されています。これが、これまで"闇"の中だった、大企業が請負会社に支払う「請負料」でした。
工場ごとの「売上」(請負料)の総計金額を全労働者数で割ると、労働者一人当たりの平均請負料が出ます。月約26万円です。
ピンハネ率は、どれくらいか。先のクリスタル元幹部社員は「企業から支払われる金額の28〜15%がクリスタルの取り分だ」と証言します。
請負労働者の手取り月収は、約18万円から22万円です。会社は、労働者一人当たり月7万2千円〜3万9千円を横取りしていることになります。
同社が請負労働者を送り込む「取引先」は、トヨタをはじめ日本を代表する大企業ばかり。しかも、自動車、電機、食品、薬品など主要産業にまたがっています。正社員を急激に減らす一方で、業務請負に深く依存する実態が見えます。
工場ごとの人数も今回の資料でわかりました。請負労働者は「人件費ではなく、資材、購買と同じ外注費」(NEC広報部)とメモあつかいされ、実像は闇に包まれていました。X社で1万4千人、他社も合わせて4万7千人もの請負労働者が北海道から九州まで約370工場に送りこまれています。
3月の国会で、請負問題で政府の責任を追及してきた日本共産党の小池晃政策委員長・参院議員は、いいます。「驚がくの資料ですね。青年をまるでモノのように切り売りする働かせ方を、このまま放置することは絶対に許されません。同時に、大企業が業務請負にどっぷり依存していることは、日本経済と21世紀の日本のあり方にかかわる重大問題でもあります。政府は実態をただちに調査すべきだし、わが党も徹底的に追及します」 8面につづく
業務請負が集中する愛知県では 1面のつづき
X社の極秘資料によると、大企業に請負労働者を多数送り込んでいるのが愛知県です。
その一つ、液晶テレビ、デジカメなど"新三種の神器"を生産する愛知県一宮市のソニー一宮テック。工場周辺には、田んぼを整地しただけの駐車場が広がっています。
午後7時すぎ、疲れきった表情の女性(25)は、「立ったり、座ったりしてハンダ付けをしています。きょうの残業は1時間あまりでしたが、5時間のときもあります。日給は8300円です」。
午後9時。「日産でリストラにあいこの工場へきた」という中年の男性。「3時間残業をしてきた。月収は20万円を切っている。これまでより5万円下がった」
翌朝、出勤ラッシュの工場正門。日本人にまじってフィリピン人、ブラジル人…外国人労働者が次々、白亜の工場へ消えていきます。
午前9時すぎ、工場から自転車で出てきた夜勤明けの4人のブラジル人。工場に隣接した24時間営業の弁当店へ。日系3世という男性(20)は、「昨夜の午後8時25分から働いてきた。残業? 3時間。ブラジルで暮らせないから、きたよ」。
名古屋市東区の三菱電機名古屋製作所。X社から495人、ほかの業務請負会社と合わせて695人の請負労働者が働いています。
工場正門近くでウグイス色のX社の作業服を着た帰宅途中の男性(31)は、「この工場でもうすぐ2年になる。契約期間は2カ月で、時給は1110円。この2年で10円上がっただけですよ」といいます。
X社の資料とクリスタル元幹部社員の証言から判明した、労働者に支払われる時給は、1250円〜1105円(社会保険料込み)という低さです。男性の時給と一致します。
―――転載以上――――――――――――――――――――――――――
人貸し業が蔓延り、彼らが収益を上げたところで国民経済にプラスがあるんだろうか?人貸し業主のフトコロが温まるだけのような気がするし、こうした中間搾取が意味の無いことのように思えてくる。まあしかし、人貸し業のお陰で、利用してる企業側は経費削減でき、その分、株主に還元したり設備投資に回す事ができるから良いのか。糞。