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ボーイングの次期旅客機開発 日本メーカー存在感
機体部分35%、エンジン15%担当
世界最大の航空機メーカー、米ボーイングが開発を進めている次期主力民間旅客機「7E7」の共同開発・製造計画で、日本の航空機メーカーの存在感が高まっている。最も重要な部材である主翼など機体部分で35%を担うほか、エンジン開発でも約15%を担当することが内定、今月中にも機体部分の正式合意に達する見通しだ。日本メーカーにとっては世界市場での地位向上を示すとともに、将来の機体独自開発へのノウハウを得る絶好のチャンスと意気込む。(納富優香)
六日開幕した国際航空宇宙展に出席した小此木八郎経済産業副大臣は、「ボーイング7E7では従来以上の割合で日本勢が参加し、国際協力を通じて、わが国の航空産業も飛躍に向け大きな節目を迎えた。航空宇宙産業は加工組立型産業の頂点と認識し、政府もさらなる発展に尽力する」と、強い期待を込めた。
7E7に占める日本企業分担比率の35%は、過去の共同開発で最高の割合だった大型民間機「777」の21%を大幅に上回る。
実はボーイング自身の開発分担比率もコックピットや尾翼など35%にすぎず、割合では日本企業が発注元の“本家”と肩を並べるところまで力を認められたのだ。
これまで共同開発といっても重要部分でない下請け的立場に甘んじていたが、「名実ともにパートナーとなった」(三菱重工業)と自信を深めている。特に、三菱重工は外部に委託されたことのない主翼の設計、生産を受け持つ。主翼は機体すべての設計を決める最も重要な部位で、コックピットと並ぶ難関だ。
受注の決め手は独自の技術。7E7は民間機で初めて主翼に繊維複合材を採用した。巨大な主翼を複合材で一体成形することは技術的に難しく、航空自衛隊のF−2支援戦闘機で培った実績が高く評価された。三菱重工は7E7の主翼を製造するため、三菱自動車から大江工場跡地(名古屋市)を買収する。
7E7では複合材を大量に使用することで、維持費用の低減や大幅な軽量化、約20%の燃費向上を図れる。複合材主翼が世界標準となれば、三菱重工が主要機体メーカーの一角に食い込むことも夢ではない。
このほか、製造だけでなく開発段階から、川崎重工業が前部胴体と主脚格納部などを、富士重工業が中央翼を担当する。搭載されるエンジンでも、元請け受注した米GE、英ロールス・ロイスの二社はともに日本勢と提携。三菱重工はロールスと7%分担で事業契約を締結、川重もロールスと約8%を、石川島播磨重工業はGEと約15%分担で近く契約の見込みだ。
約八千億円にのぼる全体開発費のうち、日本メーカーの合計は二千億−三千億円程度を負担するが、負担割合に応じて利益の配分を受けられる。日本航空機協会によると、7E7級(二百三十−三百十席)のジェット機は、今後二十年間で現在の千二百機から三千四百機まで伸びるとされ、市場性は十分だ。
ライバルの欧エアバス社は次期主力機を五百席以上、総二階建ての超大型機「A380」を開発中で、二社が占める大型民間機市場に日本企業が割り込む絶好の機会といえる。
さらに、三菱重工は「YS−11」以来約四十年ぶりの国産民間機となるジェット機「MJ」(三十−五十席)の開発を進行中で、7E7開発のノウハウはMJにも生かされる。同社は「(部分製造でなく)全機取りまとめを事業化できるようにしたい」と、将来は大型機も視野に入れる。国産ジェット機の独自開発に向け、国内航空機メーカーの夢が離陸する日も遠くなさそうだ。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/07kei001.htm