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(回答先: Re: 生産手段の所有形態 投稿者 縄文ビト 日時 2005 年 3 月 26 日 02:19:38)
縄文ビトさん、返信ありがとうございました。
縄文ビトさんは
『労働の売り買いの無い社会を創ろう』
『他者の労働の私有化を禁止しよう』
というスローガンを掲げておられます。
労働の売り買いの無い経済とはどのようなシステムで成り立つのか?
という事が問われねばなりません。
また、他者の労働の私有化なのですが、これは「労働力を買う」という事を意味されているのだと思うのですが、これも労働力の売り買いの無い経済がどのような経済システムのなるのかについての提示がなければ私有化を禁止してどうするのか?という事が問われます。
つまり、対案なしにこのようなスローガンを掲げても賛同は得られないだろうというのが私の考えです。
私はこの社会の問題の中心は、資本(生産手段)の私的な所有にあると思います。
ビル・ゲイツのように1人の人間が小国1国にあたる資産を持っているという事が問題だと思っているのです。
この私的に所有された資産を税制の改革によって再分配する必要があると思うのです。
このような巨大資本の私的所有が生じた原因は労働力の売買です。
だから労働力の売買をやめさせる事によって私的巨大資本の発生を防ぐという発想は分かるのですが、対案がなければ説得力を持ちません。
資本蓄積の原因は、「安く仕入れた労働(商品)を高く売る」という事です。
賃金を世界統一基準で高く設定する事によって資本蓄積を減速させる事ができるでしょう。
それ以前に為替取引などのマネーゲームによるデータ上に資本蓄積をなんとかしなければなりませんが、それに対してはATTACの運動があります。
>Re: 生産手段の所有形態
>http://www.asyura2.com/0411/dispute20/msg/645.html
>投稿者 縄文ビト 日時 2005 年 3 月 26 日 02:19:38: egUyw5BLxswRI
>(回答先: 生産手段の所有形態 投稿者 ワヤクチャ 日時 2005 年 3 月 25 日 >21:32:16)
>私の見ている限りだいぶ論があがってきましたね。すばらしいことです。
それは、どうも。光栄です。
>また私にはそれほど時間がありませんのでいくつかに分けて返信をいたします。
>>まず、最初の問題からですが。
>>生産手段の所有形態としては
>>1 私的所有(資本家所有)
>>2 国有
>>3 協同組合所有
>>4 地域自治体所有
>>5 NPO所有
>>6 地域協同組合所有
>所有形態に対しては、私的所有以外で有ればどのような形態でも、全体の労働で生産し>たものを、全体で分けるということでは別に問題が無いと思います。
協同組合の場合は組合員が出資金を出すのであって組合員が1000人いれば、1人の組合員は協同組合所有の生産手段の1000分の1の所有権を持つ事になります。
これも私的所有の1形態でしょう。
しかし、1人の資本家が所有している場合とは違って1000人の組合員の間での合意がなければ生産はでできないという事です。
私的所有の中でも色々あるのであってどのような私的所有がよりよき経済システムになるのかを考える必要があります。
私は1人の人間があまり大きな資本を所有しないようなシステムにすべきだと思っております。
>私が問題にするのは私的所有が不平等を生む原因だからです。
1個人が巨大な資本を所有しないように税制によって調整すべきだと私は考えます。
また、協同組合形式によって市場の中でシェアを占める事が必要です。
生活協同組合コープこうべのシェア率は兵庫県ではダイエーに対抗するぐらいのものだったのです。
労働の売買の禁止でそれをするのは対案が無い限り無理でしょう。
>ただし個人がやっている事業においては生産手段の私有化にも問題は出ないかと思いま>す。なぜならそこでは他者の労働の私有化が無いからです。
なるほど、そうですね。
所有者自身が労働者なわけですから。
>ワヤクチャさん なるべく小さな地域で住民がお金を出し合って生産手段を共有すると>いう方式です。
>縄文ビト これはいいことだと思いますよ。ただどのような形態をとろうともその社会>を管理する上部の組織が必要であり、その上部をどのようにするかが問題になります
上部の組織は小さな地域の自立的な経済活動がうまくいくようにサポートする事でしょうね。しかし、これまでは上部の組織は支配する事ばかりやってきました。
地方分権の流れはこれの対抗するのですね。
中身を見なければなりませんが。
>が、ここではただ政策運営をするのを上部としておきます、
何を生産するのかについては地域協同組合が決定するのです。
それについて上部が介入する余地はありません。
>そのことから、生産手段を共有する資金も上部から無利子で借り入れ
資金を地域の住民から借りる方式を提案しているのです。
国税は最小限にして地域協同組合があらゆる商品とサービスを提供するのです。
>小さな地域の住民が生産物を販売し、他社の労働を私有化しない形で分配すればいいこ>とであり、そのことが出来れば不平等は発生しないと考えられます。
なるべく近くの生産者から商品を仕入れるという事をやるべきです。
農地を協同組合で所有して組合員が農作業をして賃金を受け取り生産物を組合員に販売すればいいのです。
地域協同組合で配達と店舗の両方をやればいいと思います。
>ただ、造船・航空機・自動車・電車等の大型産業はやはり国有化に近い形になるのでは>ないかと考えますが。
そういうものは国有でいいと思います。
一番重要なのは銀行です。
銀行は国有にすべきです。
お金に困った人に無利子で貸し出して無理が無い返済をしてもらうべきです。
しかし、そのような産業も可能な限り小さな地域でやっていくべきでしょう。
あるいは、小さな地域協同組合同士が1000団体で協同出資して燃料電池車生産の工場を作るとかすればいいのです。
企画自体を地域協同組合の組合員の要望にそって行うべきです。
これまでのように官僚の発案に基づいて何もかもやっていくという事からの脱却です。
立花隆さんが1940年体制と呼んでいるものからの脱却です。
1940年に確立した官僚体制が現在まで続いているという意味です。
>ワヤクチャさん これは一握りの資本家が巨大な生産手段を所有する形態とも国家とい>う単位で結局は官僚が生産手段を所有しているのと変わらない形態とも異なるのです
>私はこの社会では官僚は存在しないと考えますが?
いえ、おりますよ。現実に。
各省庁の官僚達ですよ。
彼等が国政のほとんどを決めているのですよ。
政治家はそれを棒読みしているだけです。
少しは自分の意見も盛り込もうとしますがね。
>現在の官僚はあくまでも封建時代のお上という形態の中で出来上がってきた組織であ>>り、その組織を統括していた上部が無くなってきたことから、どこも彼らを管理するこ>とが出来ずやりたい放題をやっているとみています。
ですから、彼等自体が上部と言えるのでは?
官僚に対して国民が監視し、命令をしなければならないのですが、国民にまだそこまでの知恵が無いだけです。
あるいは、いい意見があっても中々官僚までには届けなかったり、利害が対立するので実現しないだけです。
現在の官僚はいずれにせよ資本家のメリットやアメリカのメリットに反する事はほとんど出来ません。
牛肉の輸入時期の名言を避けるぐらいが関の山です。
立花隆さんの本を読まれる事をお勧めいたします。
>つまり国民の税金を適当に分配していることであり、そこでは他者の労働の私有化をし>ているとみなされます。
税金を資本家に献上するトンネル組織みたいなもんです。
色々もっともらしい事を言いますが。
高速道路をどんどん作るのはそういう事です。
徳島県の高速道路なんかガラガラですよ。
>他者の労働の私有化が禁止された社会ではこのような官僚を生むことは皆無となりま
>す。
「労働の私有化(労働の売買?)」を禁止してどのような経済システムを作るのかの提示が必要です。
>ワヤクチャさん 生産手段を国有化しても、国自体が民主的に運営されるのであれば、>あたかも個々の労働者が自由に生産手段を使用できるような形態が可能なのかも知れま>せん。
>縄文ビト 確かに同じようですね。問題は無いでしょう。
>ワヤクチャさん しかし、それであれば何故一旦国家という巨大な単位で所有する必要>があるのか?という問いが生じます。
>縄文ビト この場合も国営は造船・航空機・自動車・電車等の大型産業は小さな形では>出来ないということから国営に近い形になるのではないかと考えますが。ただ言葉とし>て「国営」ということに抵抗があれば「社会的所有形態」という言葉に今後変更してい>きます。
いえ、別に国営でもいいのです。
問題は巨大な単位である為に利権が発生しないようにいかに国民が監視していくかという事です。
造船の場合、下請けの入札制度など、高い買い物を税金でしないようにするという監視が必要です。
国家財政に対する監視の目は政党が行っているわけですが、専門的なNPOを作る必要があります。
>ワヤクチャさん 地域で直接的に所有した方が最初から民主的な生産ができるでしょ>>う。
>小さな地域では作れないようなものがあればいくつかの地域で協同して生産すればいい>のです
>縄文ビト 何回も言うようですが、他者の労働の私的所有が無ければどのような形態を>とつたとしてもかまわないわけです。
他者の労働の私的所有の無いシステムがどのようなものであるかの具体的提示が必要です。
>事業を起こすにしても社会が無利子で資金を貸してくれるわけですから、起業はやりや>すいでしょう。ただし、そこでは市場競争もありますので、競争に敗れて現在流に言え>ば倒産する事業もあるわけですから、そのときは社会的企業に就職しなおし、借りた金>を返済しなければなりません、もし借りた金を返済しなければその倒産者は他者の労働>の私有化をしたことになりますから。
市場経済の一角に消費者と生産者が協力して協同組合を作る事によって序々にシェアを伸ばしていき、そのような倒産などという事態を最小限に抑えるという事をやっていきたいと思っております。
>ワヤクチャさん システムとしては消費者がパソコンから商品を注文すればなるべく>最寄の生産手段を使って生産し物をお届けするという事が考えられます。
>物流の実態に応じて生産拠点を作っていきなるべく輸送距離を短縮してエネルギー消費>を抑えるという事をやればいいと思います。
>縄文ビト 良いと思いますよ、ただあまりにも合理主義に陥ると人生の意味を見失って>しまうのではないかと危惧いたしますが。現在の生協等がとっている形態はあまりにも>市場での競争にさらされ、やむおえづ生きるための合理的手段の結果の商売の仕方であ>り、生産・販売に人間の喜びは感じていないのではないかと考えますが
「必要な人に必要なものを届ける」という事が喜ばれるのです。
合理的な経済システムは笑顔を作るのです。
>ワヤクチャさん 消費者が生産を決定し、需要に応じて労働者は生産手段を使って生産>する事になります。
>縄文ビト 小さな意味での計画経済になりますが、市場経済の中で問題が無ければいい>のですが。
生産者主導型の経済ではマーケッティングを行い見込みで生産をします。
実際には作り過ぎて不良在庫になったり安売りをしなければならなくなります。
こういう事が経済をギクシャクさせているのです。
消費者が注文してからの生産に可能な限り切り替える事によって在庫0を達成できます。
市場経済の最も合理的なシステムです。
>ワヤクチャさん 商品の価格は労働者の賃金が向上するような価格に設定します
>縄文ビト やはり市場経済の中での、労働者の賃金が向上するための価格設定には問題>が出るのではないですか、他よりか高く出た場合は生産品が売れないということになり>ますが。
その価格については協定が必要ですね。
最低賃金を引き上げる事です。
買う人自体も自分の賃金が上がっていくので問題はありません。
ゆるやかなインフレが必要です。
賃金が年々序々に上がっていくという事が必要なのです。
>また安く抑えれば、賃金カットになってしまうのではないですか。
賃金と商品価格については政策的に決定する必要があります。
ここで競争するのは無駄なエネルギーですから。
こういう面は市場経済のよくない点なんですよ。
価格競争は消費者にとってはメリットがあるように思えますが、消費者は労働者なわけであり、自分の賃金を下げるような動きに賛成するわけにはいかないでしょう。
国際的な価格競争は1つの国での産業をつぶしていく事になります。
今、これをやっているわけですが、大混乱です。
こういう事を自由主義経済と言って肯定している人々は、多くの人々の生活を破壊しているわけです。
グルーバル経済の問題はこの問題につきます。
中国の農産物の輸入は日本の農業を壊滅状態に追い込んでいるのです。
関税を高くする事が必要です。
日本の農業が壊滅したら我々は高い農産物を輸入しなければならなくなるでしょう。
食糧が戦略物資である事を我々はもっと認識すべきです。
アメリカが自国の農業を保護しているのはそういう事です。
日本を隷属化する為に農水省を使って日本農業を破壊してきたのです。
>長くなりますので次回また続きを書きます。
今後共よろしく。