現在地 HOME > Ψ空耳の丘Ψ38 > 748.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
中・高卒者に採用を限定している青森市営バス運転士をめぐって、同市は大卒・短大卒だったことが発覚した30―40代の男性運転士3人を昨年10月と今月、懲戒免職とした。大卒では運転士になれないため、3人はいずれも学歴を「過少申告」していた。解雇に対し、市民の反応は「逆差別だ」「いや妥当」と真っ二つ。背景には、全国最悪レベルが続く青森県の就職事情も垣間見える。
今月27日午前、青森市交通部労組の青森交通労組事務局に、学歴詐称のため20日付で懲戒免職となった運転士2人がやってきた。退職後の事務処理のためだ。
「申し訳ないが、組合として身分を守ることはできない。何かあったら相談してほしい」。千葉敏彦委員長が苦渋の表情で語り掛ける。2人はうなだれたままだった。委員長室から出てきた2人は、組合職員らに「お世話になりました」と頭を下げ、去った。
学歴を詐称した動機について、市交通部関係者の多くは「バス運転士へのあこがれがあったのではないか」と指摘する。同じく採用資格を中・高卒者に限定している仙台市営バスでも「『バスフリーク』は意外に多く、運転士は人気がある」(人事担当者)という。
青森市交通部によると、運転士の初任給は15万1500円。東北各県の民間バス事業者と比べると高めで、労働環境や身分保障もしっかりしている。千葉委員長は「(3人には)安定した職に就きたいという思いもあったのだろう」と推し量る。
市は1995年度、バス運転士など技能労務職員採用に当たり、それまで年齢制限だけだった資格に加えて、学歴制限を設けた。中・高卒者の就職状況が全国最悪レベルの青森県にあって、制限は「中・高卒者の採用枠を増やす」(市交通部)狙いがあった。
昨年10月に最初の免職者が出て以降、市のインターネット掲示板などには「学歴の逆差別ではないか」「職業選択の自由に反するのではないか」との書き込みが相次いだ。別の公営バス関係者も「懲戒免職は厳しいと感じた」と打ち明ける。
しかし、市は「学歴を隠して合格したため、本来合格すべき中高卒者が落ちた」(中川覚人事課長)との根拠で「懲戒免職は当然」とする。千葉委員長も「試験制度見直しなどの議論はあってしかるべきだが、現在ある要項を無視して『裏』から入ろうとするのは許されない」との見方だ。
労働問題に詳しい東大社会科学研究所の水町勇一郎助教授(労働法)は「中・高卒者の採用を増やすという雇用政策上の要請と、職業選択の自由の兼ね合いが問題。一般的に学歴が上がればチャンスが増えるのに、大学に行ったことで逆に不利益を被っている。学歴の過少申告とのバランスからみて、懲戒免職という重い処分に疑問は残る」と話している。
[青森市営バス運転士の学歴詐称問題]市民からの通報で、運転士(32)が短大卒を高卒と偽っていた事実が発覚し、昨年10月20日付で懲戒免職処分となった。その後、95年度以降に採用した運転士88人の経歴を調べた結果、高卒と偽っていた大卒の運転士(43)と短大卒の運転士(35)の2人を今月20日付で懲戒免職とした。市は採用責任者1人を厳重注意に、試験担当者3人が月給の一部を自主返納すると発表した。
(河北新報) - 1月31日7時3分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050131-00000008-khk-toh
▲このページのTOPへ HOME > Ψ空耳の丘Ψ38掲示板