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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050126-00000102-yom-int
【ワシントン=笹沢教一】クジラは、約5000万―6000万年前に生息していた水辺に住むカバと共通の祖先から進化した――。これまで哺乳(ほにゅう)類進化の最大の謎とされてきたクジラの起源を、米カリフォルニア大や仏ポワチエ大などの研究チームが最新の化石の分析から明らかにした。米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。
日本や米国の生物学者が最近、遺伝子分析から「クジラはウシやブタなどの偶蹄(ぐうてい)類の仲間でカバに最も近い」という見解を発表。しかし、最古のカバの化石は約1600万年前で、最古のクジラの化石は約5300万年前と両者の間に約4000万年の時間の食い違いがあった。
研究チームは、クジラやカバなどの化石を詳しく分析し直した結果、化石として見つかるクジラの仲間とカバとの間には、頭骨などの形態に近縁性があると判明。5、6000万年前の南アジアなどに生息した絶滅偶蹄類が共通祖先と結論した。
化石研究者の間では、最古のカバとクジラの化石の時間的な食い違いなどから、オオカミに似た外観のメソニクス類と呼ばれる別の哺乳類をクジラの祖先とする仮説もあった。だが、今回の研究成果で「遺伝子の分析結果と一致する解釈ができた」(研究チーム)という。
◆偶蹄類=四肢に蹄(ひづめ)を持つ哺乳類の最も主要なグループ。ウシやシカ、ブタ、ラクダなどが含まれる。蹄が2、4個の偶数なのが特徴。多くは草食性で、草のかみ戻しを行うために複数の胃が連なった反芻(はんすう)胃を持っている。
(読売新聞) - 1月26日12時15分更新