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家庭用燃料電池:電力、一戸建ての6割賄う−−世界初、2月発売
毎日新聞 2004年12月25日
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/news/20041225ddm013100027000c.html
◇排熱で温水沸かし、給湯や床暖房にも
エネルギー大競争時代を迎え、都市ガス大手も手をこまねいているわけではない。来年からは、ガス会社から電気を買う家庭も登場する。
東京ガスと松下電器産業、荏原バラードの3社は来年2月、世界初の家庭用燃料電池を発売する。
燃料電池は、水素と酸素が化合すると電気と熱が発生する原理を利用。都市ガスから取り出した水素で、電気と熱を起こす。出力は1キロワットで、夫婦と子ども2人が150平方メートル程度の一戸建てに住む場合、使う電力の約6割を賄うほか、排熱で60度の温水を沸かし、給湯や床暖房などに使う。
修理代込みで、10年間100万円でリース販売する。来年1月上旬に募集を始め、06年3月までに200台を販売する。
東京ガスの試算では、通常のガス・電気料金に比べ、標準世帯で光熱費を年間約3万円節約できるほか、ガス料金を年3万円割り引く。当面の販売地域は東京と神奈川、千葉、埼玉のみで、一戸建ての新築住宅が対象。東京ガスR&D企画部の藤崎亘課長(38)は「08年度以降、価格を50万円程度に抑え量産体制に入り、マンションなど集合住宅での使用も目指したい」と意気込む。
新日本石油は来年3月、世界で初めて液化石油ガス(LPG)から水素を取り出す方式の家庭用燃料電池を発売する。出力は750ワットで東京ガスを下回るが、レンタル料は年6万円と安めだ。利用するプロパン業者で多少異なるが、4人家族で光熱費は年約6万円の節約と試算。関東甲信越で150台を販売。06年度から全国展開を目指す。
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家庭用燃料電池に製造コストの壁
[日経] 2004年12月23日
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/350018
東京ガスは12月6日、松下電器産業や荏原と共同で開発に取り組んできた家庭用燃料電池の商用機を発表した。「オール電化に対抗したい」。東ガスの市野紀生社長は、東京電力など電力会社が進めているオール電化住宅への流れを阻止する切り札として、期待を寄せる。
東ガスが強調するのは環境面での優位性だ。燃料電池を使用すると家庭の二酸化炭素発生量が40%削減できると試算し、「環境意識の高い顧客に訴えたい」(市野社長)と力を込める。だが、「世界初」という華々しい触れ込みの裏で、2008年以降の本格的な普及に向けた最大の課題は積み残された。
目指す100万円には程遠く
燃料電池システムの価格だ。「国の支援をもらうべく努力している」と話すが、それでも状況は厳しい。補助金がついたとしても、現状での製造コストは普及時に購入客が支払うと想定している実際の負担額に比べると、なお10倍以上に達するからだ。
東ガスはまず、2005年度中に200台を10年契約100万円のリース方式で販売する。このような形にするのは「購入者から運転データや使用時の感想を収集するため」としているが、コストをベースに普通に販売したら、あまりに高額になることも要因だ。
初期の開発費を含めると、製造コストは1台当たり1000万円程度。開発費を除いても500万〜600万円は下らないと見られる。東ガスや松下電器などの関係者はこれまで、「本格的な普及時には100万円にまで製造コストを下げたい」と話してきた。その目標には程遠い。
関係者が100万円を目標にするのには理由がある。そもそも家庭用燃料電池とは、家庭に供給される都市ガスやプロパンガスから燃料となる水素を取り出し、空気中の酸素と反応させて発電するシステム。さらに、発電時の排熱を厨房や風呂、床暖房などで使う給湯に利用する。「電気も起こせる給湯器」と言われるゆえんだ。
現在、一般家庭で使われている給湯器は1台約30万円。燃料電池の価格が100万円だとしても、既に市販されている太陽光発電システムのように、国から半額程度の補助金が出れば、従来の給湯器プラス20万円ほどで購入できる。「50万円の負担なら普及につながる」(市野社長)というわけだ。
夫婦・子供2人の標準家庭の場合、燃料電池の導入によって使用電力の約6割が賄われ、電気代は年間約3万円の節減となる。またオール電化住宅に料金割引制度を適用する東電に倣い、東ガスも燃料電池の利用家庭に3%の料金割引などの優遇措置を設ける計画。光熱費は合わせて年間6万円程度節約でき、4〜5年の利用で購入時の負担増分を回収できる計算だ。この点からも、100万円の壁を突き破ることが今後の普及への絶対条件となる。
“二股”の松下電器は余裕
ところが、原価低減や耐久性能の向上で東ガスと手を携える松下電器の中村邦夫社長は意外にも余裕の表情。「省エネという利点が受け入れられれば、家庭用燃料電池が普及する可能性は十分にある」と話す。電力会社主導のオール電化と、ガス会社が開発中の燃料電池のどちらが普及してもいいように布石を打っているからだ。
オール電化住宅対応の厨房機器で、松下電器は「キッチンの新三種の神器」と呼ばれるIH(電磁誘導加熱)調理器を販売している。現在、新規着工住宅の4.5%を占めるオール電化住宅を「2006年度に15%に伸ばす」と目論む東電の戦略は、IH調理器の普及を後押しする。一方、東ガスが2008年以降に燃料電池で攻めに出た場合でも、そのユニットを販売できる強みを持つ。電力とガスの争いの激化はむしろ好都合とも言える。
家庭用燃料電池システムでは、新日本石油もLPガスから水素を取り出す方式の商用機を20日に発表する。こちらも本格的な普及にはまだ時間がかかりそうだ。オール電化の攻勢が強まる中、燃料電池陣営は本格的な普及までの数年間、原価低減という“内なる敵”にも対処しなければならない。(西頭 恒明)
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東京ガス「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」
http://www.tokyo-gas.co.jp/pefc/dev-fc_34.html
松下電器「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」
http://panasonic.co.jp/appliance/FC/index.htm
荏原バラード「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」
http://www.ebc.ebara.com/product/residential.html
東京ガス「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」
http://www.tokyo-gas.co.jp/pefc/dev-fc_34.html