現在地 HOME > 掲示板 > Ψ空耳の丘Ψ38 > 387.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 中国の人口、13億人に=6日到達、高齢化の難題にも【時事通信】 投稿者 フニャコ 日時 2005 年 1 月 02 日 23:33:12)
OECD Observer 日本語版
中国,人口の時限爆弾
世界人口の5分の1は中国に住んでいる。この比率は今後も大きくは変化せず,中国の政治的,社会的なモデルに対する人口の圧力は巨大である。
中国は,急速な人口転換を経験しつつある国が今後数十年間のうちに直面するであろう問題の極端な例を提供している。最近の研究は,中国の人口が 1995年の12億人から2040年に16億人のピークに達すると推計している。その後は2100年までに14億人以下に減少する。これは,世界人口の 20%に影響する巨大な変動であり,食糧や雇用,都市化,高齢化などに関する多数の深刻な問題を引き起こす。穀物生産をとってみよう。現在から2020年までの間の中国の人口増加に対応するためには,年間44億7,000万kgの穀物の増産が必要である。このためには,農業技術と土地資源管理が大幅に改善されなければならない。中国は穀物輸入を年間4,000万〜5,000万トン増やさなければならない。国内における農業の開発と研究が遅れれば,輸入量はもっと増えて,おそらくは3億トンにも達しよう。これは,アメリカやオーストラリアといった主要供給国にとっては朗報であるが,価格もまた上昇するとすれば,貧しい人々にとっては死活問題である。雇用に関して言えば,中国の労働年齢人口は2020年に9億5,500万人というピークに達する(1995年は7億3,200万人だった)。労働力供給のこの大幅な増加は都市市場へと向かうだろう。このことは,最初のうちは,安価な労働力を求める投資家に対して新たな機会を提供するが,やがて社会的,環境的な深刻な問題を引き起こす。労働年齢人口は2020年以降は減少して,21世紀の終わりには約8億人となる。これは,労働年齢人口層における教育と技能レベルの向上を緩慢化させよう。新規参入率が低下するからである。このことは労働生産性の低下をもたらす。中国の21世紀は,急激な都市化の時代となる。21世紀末までに人口の90%あまりが都市に住むことになろう。1995年のこの比率は37%であった。絶対数では,都市人口は,1995年に4億5,000万人だったのが,2060年には12億人のピークに達する――これは今日のこの国全体の人口数にだいたい等しい。都市人口のこうした3倍近い増加は,建設と資源管理に明らかな影響を及ぼす。
注視されなければならないもう一つの人口学的動向は高齢化である。中国は,人口置換水準を下回る出生率の劇的な低下を経験している。北京では,出生率はすでに女性1人当たり1.4ないし1.5に低下しており,上海では0.96にまで低下している。言い換えれば,まったく子どもをもたない女性の数が増えている。こうしたことすべての直接的な結果が人口の急速な高齢化である。中国人の平均年齢は,1995年には27歳だったのが,2025年には40歳になるという。中国の政府当局にとって,高齢者の介護が重大な問題となる。この国の貧しい人々の大部分にとっては,唯一の社会保障システムは家族であるが,2025年の両親は頼れる子どもの数が少なくなっている。中国の両親は1人しか子どもをもたない場合がますます増えており,しかも両親の大多数はそれが男の子であることを望んでいる。実際,中国の家庭では,男の子を求める社会的な,実体は身内からの強力な圧力がある。選別的な堕胎や女の子の「間引き」が一般的である。
花嫁不足
その結果,中国の男女比率のバランスが崩れている。選別の習慣によって「生産」されることが追求された男性が,まさにその特権の代償として花嫁不足に苦しむという苦難に直面している。しかも,将来的には,これは更に子どもが少なくなることを意味する。
実際,2020年には,20代の中国人男性の過剰は,台湾の女性人口全体を上回るようになる。この男女数のアンバランスは,改善される前に更に悪化しよう。選別的な堕胎が,第2子や第3子についてだけでなく,第1子についても増大しはじめている。これは社会的緊張を生み出す。若い男性の多くが独身生活を強いられるが,これは男性を犯罪に,更には自殺や鬱病に追いやる条件である。他方で女性はますます希少になるが,このことが女性の現在の低い,しばしば虐待的な地位の改善につながるかどうかは疑問である。
そのためには,女性差別の禁止法や男女の平等と女性の権利を定めた法令が強化されなければならない。中国政府はまた,1家族子ども1人の政策を改めて,家族規模の拡大を認めることもできる。しかし,家族計画や女性の権利を認める適切な革命がなければ,それはただ,急速な人口増加を復活させるだけである。
http://www.oecdtokyo.org/observer/217218/217218-12.html