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キャセイパシフィック航空が保有するB747型機(ジャンボ)24機で、エンジン内でオイル漏れを起こす故障があったことが、5日までに分かった。キャセイは今年9月以降、ジャンボ機がエンジントラブルによる緊急着陸を繰り返しており、1日にはバンコクでB777−300型機でエンジンの部品が飛行中に脱落する事故を起こしたばかり。専門家からは同社の整備体制を疑問視する声が上がっている。5日付香港各紙が報じた。
キャセイによると、エンジンの不具合が見つかったのは9月5日に発生した香港発ロンドン行きCX251便(B747−400型機)のトラブルがきっかけ。同便は香港国際空港(チェプラクコク空港)離陸直後に右翼4号エンジンが火花を吹き、機長判断で同空港に引き返す緊急着陸を行った。乗客382人は無事だった。
同社で4号エンジンを調べたところ、エンジン内の吸入管に亀裂が見つかりオイル漏れを起こしていた。P型夾と呼ばれる部品の配置の不具合が原因と見られ、キャセイは部品を新品に交換。さらに同型機のエンジンを点検したところ、同様の不具合が計24機の27カ所で見つかったという。キャセイは、「全ての部品を交換し、不具合は解消した」などとしている。
■当局、指導を強化へ
ただしキャセイは9月の事故から2カ月以上あとの11月10、18両日にも、米ロサンゼルスとロンドンでも同様に離陸直後のエンジントラブルで空港に引き返す緊急着陸を行っている。機体はいずれもB747系機で、故障の原因はいずれも、エンジンのコンプレッサー内の部品故障だった。
発表が12月にずれこんだことについてキャセイは「条例に基づき当局には報告している。同型機のエンジンは4基あり、仮に1基が止まっても致命的な故障ではない」などとしている。
ただし香港政府民航処は「維持補修の徹底を強く求める」としており、キャセイに対する指導を強化する方針だ。
■タイ当局も事態重視
また今月1日にはタイのバンコク国際空港上空で、インド・ムンバイ行きCX751便(B777−300型機)の左翼エンジンのコンプレッサー前面にあるD導管と呼ばれる部品が抜け落ち、落下。地上に停車していた乗用車に激突する事故が発生している。
今回は乗客345人は無事で、地上でもけが人は出なかったものの一歩間違えれば大惨事につながりかねない空中からの部品落下。事態を重く見たタイ航空当局はキャセイに対し、徹底的な原因を究明を求める構えを見せている。タイの事故ではボーイング社も独自に調査を行うという。
■年3%=補修人員の補強
5日付大公報によると、キャセイで相次いだ故障、事故について香港理工大の馮紀応教授(機械工程学)は「部品だけでなく、維持補修の管理に問題があった可能性がある」と指摘している。馮教授によると、香港の航空整備士の人員増は年3%程度。慢性的な整備士不足が続いているといい馮教授は「空の安全のために、維持補修の人員も大切」とし、整備士の育成が急務の課題、と提言している。また馮教授はジャンボ機の故障については、部品メーカーの納入した部品の欠陥の可能性も指摘している。
<メモ>
B747−400型機
全長70.7m。推力約2万6,000kgのエンジン4基を備え、航続距離は1万2,000kmを超える。巡航速度は910km/hで国際線の標準機体の1つとされる。
B777−300型機
全長73.9m。推力約4万kgの高バイパス比ターボファンエンジンPW4090を2基搭載。搭乗人員は500人以上も可能で、航続距離は約4,500km。