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2010年問題」とは、日産自動車のカルロス・ゴーン社長が言い出したことだそうですが、要するに、それは、2010年の前後、つまり戦後のベビーブーム時代に生まれた、いわゆる「団塊の世代」のサラリーマンたちが集中して一斉に定年を迎えるということを指しています。
1949年当時の出生数・約270万人に対して2003年の出生数は約120万人という「超少子高齢化時代」が本格的に幕を開けることになります。その時点で、そのことから波及的に発生する諸問題の総称が「2010年問題」なのでしょうが、予想される最も重要な問題点を選ぶとすれば、次の三つ(●)です。
(1)構造的な「労働力人口不足」問題が発生
・・・対策を放置すれば、日本の持続的な経済発展力は確実に衰微に向かう。
(2)「国家財政破綻問題」が表面化
・・・現在は、すでに日本の財政赤字1,000兆円に向かって秒読み段階に入っている。
(参照) → http://ueno.cool.ne.jp/gakuten/network/fin.html
(3)年金等「日本の社会保障制度崩壊」の姿が現実化
本来であれば、「明治以降の歴史」に対する真摯な反省を基盤としつつ、これらの国家存亡にかかわる深刻な問題へ対処するための明確なシナリオを描き、先ずそれを日本国民に対して正直に示すことが日本政府のあるべき姿です。例えば、国家財政と社会保障制度の根本についての発想を大転換して、全国民に対する「基礎所得構想」の導入のようなユニークなアイデアを早急に国民の間で広く議論すべきです。「基礎所得構想」導入の前提となるのは、消費税負担増・各種所得控除廃止・超々累進的所得課税などですが、これらの条件は国民の徹底的な理解を得なければ実現できないことばかりです。
今、大切なのは身近に「着実に迫りつつある恐るべき現実」を政府も国民も自分の目を誤魔化すことなく直視することです。しかし、現在、日本政府がやっていることは、なぜか、このような基本的問題から敢えて国民の目を逸らすような彌縫策(愚弄政策?)ばかりです。また、不思議なことに殆どのマスコミも、このように根本的な問題意識から取材し、報道し、批判する誠実な姿勢(ジャーナリズム精神)を放棄しています。
それどころか、いい加減な「場当たり政策の『提灯』に灯を点す役割」に甘んじています。主要マスコミは、不信感を助長するだけの、そして“屁の役にも立たない”ような“新聞・テレビ等の内閣支持率調査”などは取り止めにして、相互の理解と信頼を深めるために、政府と国民がそれぞれのバランスがとれた役割について、相互の信頼関係を構築しながら十分議論ができるような場の提供と材料の提供について知恵を絞るべきです。
まさか“ヨン様”ブームじゃあるまいし、何がなんだか訳が分からないまま熱烈に“支持した人”が立ち去り、居なくなってから、青くなって国民とマスコミが大騒ぎしても後の祭りなのです。同様な問題意識を論じたURLが下記(★)にあります。また、天木直人が『メルマガ・メディア裏読み、12月13日号』の中で、同じ問題を異なった観点から論じていますので、該当する部分だけを下(★★)に転載します。
★捩れた「日米経済同盟」のツケを一身に背負わされた、お人好しの日本国民/
http://www.asyura2.com/0411/bd38/msg/146.html
★★『天木直人 12月13日 メディア裏読み』 (関連部分のみ転載)
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◆ イラクから帰国した自衛官の講演
◆ 米軍敗れたり
◆ 宝塚歌劇団を観劇する小泉、森、青木、扇
◆ 「2010年問題」に備えはあるか
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◇◆ 「2010年問題」に備えはあるか ◆◇
12日付の産経新聞「正論」で、多摩大学学長の中谷巌氏が標記の見出しで、日本経済の将来を憂えている。これが事実だとしたら、後世の日本人は小泉首相の5年半を呪う事になる。しかしそれではもはや手遅れなのである。中谷氏は要旨次のように警告している。
「日本経済は実は大変な問題を抱えている。・・・2010年前後に予想される劇的な事態は『確実』にやってくる。・・・2010年ごろに何が起きるか。まず家計の貯蓄率ゼロという事態が及ぼす経済的混乱である。30年ほど前の日本の家計は23%も貯蓄していた。しかし直近(02年)の貯蓄率は6.2%に過ぎない。・・・団塊の世代が退職年齢を迎え貯蓄を取り崩す頃にはゼロもしくはマイナスになる。・・・これは日本企業の設備投資を支える資金がなくなるということだ。・・・もっと困るのは国債を発行している日本政府である。日本国債の95%は日本人が買っている。しかし家計に国債を買う力がなくなる。高金利でないと外国人投資家に日本の国債は売れないという事態が起こる。たしかに米国の貯蓄率も低い(2〜3%)が米国は軍事力、政治力、経済力で世界を牛耳っている。・・・国債金利が急上昇すれば利払いだけで日本の財政はパンクする。利払いの為には、大増税をするか、国債の日銀引き受け(紙幣の増刷)しかない。前者は国民の不満を爆発させ、後者は超インフレを招く。・・・日本にとって必要なのは、あと数年以内に財政破綻回避のシナリオを完成させなくてはならないことだ。プライマリーバランス(国債利払いを除いた歳出、歳入を均衡させること)回復のための税制改革、歳出削減、地方分権などを盛り込んだ総合的プランをつくりマーケットの信任を取り付ける必要がある。現在のような目先の議論ではこの国の将来は危ない。先見の明あるリーダーの出現が不可欠な状況だ。要するに中谷氏は一日も早く小泉首相を引き摺り下ろし、物事のわかった首相が今の日本に緊急に必要であると言っているのだ。11日に徳島市で開かれたシンポジウムでエコノミストの紺屋典子氏が「本当の改革は小泉首相に辞めてもらうこと」と述べると会場から大きな拍手が起き」(12日付朝日新聞)、山口俊一自民党衆院議員が「小泉改革はごまかしばかりでけしからん」と発言すれば会場から「小泉さんの首をすげ替えるような覚悟でやって」と激励する女性も出たという(12日付毎日新聞)。やっとみんなが危機感を持ち始めたという事か。