現在地 HOME > 掲示板 > 戦争60 > 985.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
連邦制よりイラクからの独立…クルド自治区数万人デモ
読売新聞10月3日
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20041003id30.htm
【スレイマニヤ(イラク北部クルド人自治区)=緒方賢一】イラク北部クルド人自治区で2日、イラクからの独立に向けた住民投票の実施を要求するデモが一斉に行われた。
デモはスレイマニヤやアルビルなど各地で行われ、全体で数万人が参加したと見られる。フセイン体制の圧政から解放された自治区ではクルド民族主義が強まっているが、新体制発足後、住民が「独立」を掲げ、大規模行動を行ったのは今回が初めて。イラクの領土的一体を求める国内のアラブ人や周辺諸国が強く反発することは必至だ。
自治区南部の主要都市スレイマニヤでは、目抜き通りを5000人以上がデモ行進した。高校生以上の幅広い年代の男女が、赤、白、緑の横線と中心に黄色い太陽を描いたクルドの旗や横断幕を掲げ、「独立のため住民投票を」「キルクークの自治区編入を」などと叫んだ。
デモは国連に対し、独立の是非を問う住民投票を早期に実施するよう求めるもので、民間活動団体「クルド住民投票委員会」が主催した。呼びかけ人の中心で、著名な詩人シェルコ・ベカス氏は「独立を望む民意を国際社会に示すため国連に動いてもらいたい」と目的を説明した。同委員会では国連に提出する約200万人の署名を集めたという。
3月に署名されたイラク基本法では、イラク人口の15%近くを占めるクルド人は自治政府の下での大幅な権限が認められ、クルド語も公用語と定められた。中央政府からの予算配分も順調に行われており、テロが続くバグダッドなどとは違い、治安が維持され、復興も進んでいる。
さらにスレイマニヤとアルビルで分断状態にある自治政府は、来年1月までに行われる国民議会選挙後に統合することが決まっており、滑り出しは順調そうに見える。
しかし、基本法に盛られた連邦制では満足できず、独立を望んでいると話す住民は多い。デモ参加者の学生レビン・マジドさん(19)は「我々の自由と権利を守るには独立が必要」と話す。
ただ、クルドの分離独立をアラブ人が容認しないことは明らかで、クルドの主要政党もイラクの領土的一体性維持を表明している。民衆レベルで独立要求が高まっても、獲得した権限の枠内で独自に発展を目指すというのが、自治区指導者たちに共通する方針だ。
また、クルド人はトルコ、イラン、シリアにも居住しており、イラクで独立要求が高まれば周辺国を刺激する。通訳ファルマン・アブドルカリムさん(25)は「連邦制を受け入れたことで独立願望が消えたわけではないことを示すことが必要なんだ」と話した。
(2004/10/3/10:12 読売新聞 無断転載禁止