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【カイロ=岡本道郎】イラク武装勢力の攻撃による駐留米軍の死者数が6月末の主権移譲後、3か月連続で増加、発生場所もイスラム教スンニ派三角地帯を中心にほぼ全土に広がっている。
米軍が依然、「占領軍」として攻撃目標となっていることを示すと同時に、治安回復への険しい道のりを象徴している。
米民間研究機関グローバルセキュリティーによると、米兵死者数は6月44人、7月61人、8月71人と増加。9月も27日までで78人となった。スンニ派拠点の中部ファルージャでの包囲戦とシーア派指導者ムクタダ・サドル師派民兵との戦闘が同時発生し、147人が死亡した4月のピーク時には及ばないものの、米軍はなお武装勢力の最大の標的だ。
また、29日付米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が米民間調査機関の調査として報じたところによると、8月末から9月末までの30日間で多国籍軍や民間施設に対する武装勢力の攻撃件数は2368件に達した。1日平均約80件で、4月の同120件より少ないものの、注目されるのはその範囲だ。
バグダッド首都圏の997件を筆頭に、ファルージャなどアンバル県332件、ティクリートなどサラハッディーン県325件など広範囲で発生。三角地帯の主要都市は事実上、武装勢力の制圧下にある。南部でもナジャフなど主要都市で軒並み攻撃が発生、全18県で攻撃がなかったところはないという。
旧政権情報機関筋によると、ファルージャ空爆により民間人の犠牲者が続出、反米感情がさらに強まっていることに加え、シリアやイランなどから武器が大量に流入していることも大きな要因という。同筋は「国境の税関職員も武装勢力に脅され、武器の“通関”を認めている」と指摘する。
イラク人警察官の不足も深刻な問題だ。現在、米政府は治安確保に必要な警察官の数を13万5000人としているが、9月下旬の実数は約8万2000人程度で、目標達成まであと2年かかるという。
ただ、警察力が充実すれば武装勢力の活動も抑えられると期待する国民は多く、米軍やイラク治安部隊と武装勢力の死闘は、将来治安情勢が好転するかさらに悪化するかがかかった「極めて重要な綱引き」(イラク消息筋)と言えそうだ。
(2004/10/1/01:21 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040930id26.htm