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スーダン:ダルフール――うわべに隠された真実 [かけはし]【スーダンはサウジとイランを合わせたよりも多くの石油埋蔵】
http://www.asyura2.com/0406/war60/msg/774.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 9 月 30 日 20:37:46:Mo7ApAlflbQ6s
 


パトリック・スコット


英とスーダン
両政府の思惑

 最近、ジョージ・ブッシュとトニー・ブレアがスーダンのダルフール州の情勢に関連して述べた声明は、同州に住むアフリカ人の苦境への人道主義的懸念とはほとんど関係がない。
 イラクと同様、スーダンに対してもブッシュとブレアは、われわれに全く逆の関心を確認させる。七月に行われた月例の記者会見で、スーダンの危機について質問されたトニー・ブレアは、「われわれはこの問題を処理する道徳的責任を有しており、その処理のために可能なあらゆる手段をとらなければならない」と述べた。ブレア流の言葉を簡明な英語に翻訳すれば、ブレアのこの発言は、イギリスがこの地域への軍事侵攻に参加することを考慮しているという意味になる。
 ほぼ同時期の七月二十二日、米議会も全会一致で「国連安保理が行動できなかった場合、スーダンに対して多国的ないし単独の行動を取る」ようジョージ・W・ブッシュに求める決議を行った。
 ダルフールで武力紛争が存在すること、人びとが死んでいること、エスニッククレンジング(民族浄化)がなされていること、難民が存在すること、これらは疑いない事実である。アラブ系のジャニアウィード民兵が、スーダン政府から暗黙の支援を受けていることも疑いない事実である。
 国連は、三万人が死に、現在約百五十万人の難民が生まれているとの見積もりを行っている。しかしこうした統計は、近くのコンゴでの最近の国内紛争の犠牲者数のために過少視されている。コンゴでは、最も保守的な人びとでさえ、この地域の犠牲者数が二百万人になっているとしているのだ。
 最近、コンゴでのジェノサイドないし人道的危機に関する国際的宣言が発せられた。ダルフール州の住民(六〜七百万人)の多数はムスリムのアフリカ人農民であるが、牧羊生活を送っている少数派のムスリム・アラブ人遊牧民と共存している。
 二集団の紛争の背景の一部は、砂漠化の結果として水資源と耕作地を減少させているサハラ砂漠の拡大であった。しかしアラブ人が支配するスーダン軍事政権は、ダルフールを「アラブ化」し、同州の独立あるいは自治をめざすあらゆる運動を鎮圧する目的で、自らの利益のために紛争を拡大する役割を果たしてきたのである。


不足する人道支援と
石油をねらう米国

 ダルフールの凶行を非難するあらゆる声明において、西側政府が提供した人道的援助に関してなされたものはきわめて少ない。この三月に国連は、ダルフールの難民への人道的援助のために三億五千万米ドルの人道的援助を訴えるアピールを発した。これまでのところ、半分以下の額しか集まっていない。
 同様に国連食糧計画は、ダルフールの救援活動のために要求した一億九千五百万米ドルのうち、一億二千三百万米ドルしか受け取っていない。
 アメリカはダルフールへの人道援助のために二億二千万米ドルを約束した。この額は、アメリカがイラク侵略と占領に費やしている数十億ドル、さらにイスラエルへの財政的援助に費やしているそれ以上の額に比べれば大海の一滴にすぎない。
 アメリカの支配階級が、みずからの利害を擁護するためにどれだけのカネを準備しているかを考えてみよう。ジョージ・W・ブッシュは最近、四千百七十億米ドルの年次国防予算を認める法案に署名した。
 そこには、スーダン産の石油の問題があることは驚きに値しない。そしてこれが主要問題なのである。スーダンの埋蔵原油資源はほとんど手つかずのままである。
 一九九八年、ドイツの新聞「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」は、シェプロンの代表者によれば、スーダンにはサウジアラビアとイランを合わせたよりも多くの埋蔵石油が存在すると報道した。しかしアメリカのスーダンに対する経済制裁のために、アメリカの石油企業はスーダン政府から原油利権を獲得することができなかった。
 石油利権は、ヨーロッパの石油企業や、中国国営石油など他の国の企業に与えられた。それほど驚く事実ではないが、南部ダルフールにも埋蔵石油資源が存在しており、こうした埋蔵資源の利権は中国国営石油が保持している。

米英軍による
軍事介入反対

 現在おそらく、アメリカはイラクの軍事的泥沼にあまりにもはまり込んでいるので、近い将来、スーダンにイラク型の単独侵略を行う可能性を考えることはできないだろう。
 よりありそうなことは「コソボ型」の解決策である。すなわちアメリカ(とイギリス)が広範な軍事的連合を集め、帝国主義が支配するこの地域の飛び地としてダルフールを統治できるようにすることである。アメリカ政府もイギリス政府もこうした構想を秘めつつ、ダルフールに軍を送る準備を進めると述べた。
 イギリスでもどこでも、反戦運動はスーダンに対するいかなる形態の軍事侵攻にも反対する義務を負っている。こうした侵攻を正当化するために、どのような表面上の人道的理由が利用されてもである。ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラクと同様に、こうした侵略は、帝国主義的利益を増進するためにのみ行われるだろう。
 同時に、これまでのところ、きわめてけちけちとしか分け与えられていない、この地域のすべての難民のための無条件の人道援助のためにキャンペーンすることも必要である。(英「ソーシャリスト・レジスタンス」04年9月号)                

http://www.jrcl.net/web/frame04104z.html

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