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Baghdad Burning
バグダードバーニング by リバーベンド
... I'll meet you 'round the bend my friend, where hearts can heal and souls can mend...
友よ、私の心が失われあなたさえ見分けることができなくなったら、どうか私を偉大な文明をはぐくんだ、チグリス・ユーフラテスの胸元に連れて行って欲しい。そこで私は心を癒し、魂を再生させるでしょう。
2004年9月24日(金)
うそつき、うそつき・・・
昨日の夜、なにか面白い番組はないかとチャンネル・サーフィンしていた。ぼんやりとアル・アラビアにチャンネルを合わせたら、ブッシュのいかれた顔が画面にばっと出てきた。そう、ふつうだったら、ブッシュの顔をみたら即チャンネルを切り替えて、ブッシュほどは私を怒らせない番組を探そうとする。今回はアラウィのずんぐりした姿が現れたので、このまま見ることにした。ブッシュが新生イラクの‘指導者’なる輩の誰かと一緒にいるところは、いつも見ものだ。
ブッシュがしゃべり始めたので、これから数分、吐き気に耐える覚悟を決めた。ブッシュほど私を苛つかせるやつはいない。長く伸ばした爪で黒板を引っ掻く音、手で発泡スチロールをこする音、赤ん坊のかん高い泣き声、犬の吠え声、歯ぎしり、ポタポタたれる蛇口、やかましい警笛、これが全部いちどきに聞こえたと想像してみて。ブッシュの声がわたしの耳にどう響くかわかると思う。
目の焦点をゆるめブッシュの顔ではなく、戦争以来何千回と繰り返されたたわごとに集中しようと努力して、じっと聞いていた。ふだん私はテレビに向かって言い返したりしない。だが、ブッシュが出ていると、とてもがまんできない。私は言い返した。うそつきと決めつけバカものと吐き捨てながら、どうしてこんな男がここまでやってこられたのだろうか、こんな男が再選に向けて立候補するなんてことがあっていいのだろうかと考えていた。E(弟)も怒ってソファの私のとなりに座っていた。「こんなもの見てられるか」と言って、私が握ってここぞというとき振り回していたリモコンに飛びついてきた――短い争奪戦のすえ、リバーベンドの勝利。
ご存じのとおり、イラクの状況はころがり落ちるように悪化している。それで、ブッシュのスピーチライターは以前の原稿を再生利用せざるをえないのだ。昨日の演説を聞いたら、誰だって旧作からの寄せ集めをただコピーして貼り付けただけと思っただろう。私が気に入ったのはこの部分。「電力供給量は回復され開戦前の水準を上回りました」。Eだってこれには笑わずにはいられなかった。数日前、バグダードの大部分は24時間以上真っ暗だった。最近はましな日で大体12時間の通電といったところだ。ブッシュはここのところを取り違えたのだ(あるいはアラウィが間違えて教えたのだ)――つまり、電力供給量は開戦前の水準を大きく下回っているが、支払う電気料金は開戦前の水準をはるかに上回っている。イラクのみなさん、「水準を上回って」おめでとう!! 先月の電気料金請求書はいたかった。開戦前、イラクでは、電気料金は夏冬通じて月平均5千イラク・ディナールくらいのものだった(当時のレートで計算すると2ドル50セント)。それがいまや7万イラク・ディナールを超える・・・それも半日しか通じない電気に対して。
ブッシュがイラクの眩いばかりの変化についてお言葉を披露したあと、アラウィが登場した。 ブッシュがイラク国民の名を騙って演説するのと、アラウィがイラク国民になり代わって演説するのと――どちらが悪いかはっきり判断を下すことはできそうもない。昨日の演説はとりわけ判断をまごつかせるものだった。アラウィは米国議会議場に立ち議員を前におべんちゃらを連ねていた――戦争をして下さってありがとう、占領して下さってありがとう、何千ものイラク人のいのちを奪ってくれてありがとう。それも、このすべてをイラク国民を代表して言ったのだ。私の怒りに火がつき、今年百回目と思える逆上を経験した。さらにもう一人の亡命者が、ただ今現在わたしたちが苦闘している、酸鼻のきわみの大混乱をもたらしてくれてありがとうと、ブッシュ政権に感謝している。わが国政担当者たちは生活時間の90パーセントを国外で過ごしている(ところで、誰かわが大統領ガジ・アジール・アル・ヤワルの消息を知ってる人がいたら教えて――いちばん最近どこにいたって?)。治安はとんでもない状態だ。報道機関は次々に店じまいして引き上げていっている。それなのにわが愛すべき亡命者たちはアメリカ国民の前にバラ色のイラクを描いて見せている。わかるでしょ、これでブッシュを大統領に選んだ人たちが安心して眠れるってわけ。
アラウィは実に9回も“サンキュー”を言ったのだ。ほんとはもっと何回も言うべきだったのだ――少なくとも昨日死んだイラク人の2倍は・・・一昨日の死者数の5倍くらいはせめて。先月だけでも350人以上ものイラク人が、米軍の空爆か、戦闘か、爆発かで殺された・・・それなのに、サンキューをたった9回だけ?
選挙はもう並みのお笑いぐさだ。選挙を行うのに‘安全な’場所でだけ選挙を行うという論議がある。いまのイラクで一体何がどうだったら‘安全’といえるのだろうか。‘安全’って米軍に対する攻撃が少ない州のこと? それとも外国人に対する誘拐が起きていない地域のこと? それともイスラム共和国を選ばないで、アラウィを選ぶ地域のこと? こういう場所を拾いあげるのは誰か。いま現在、バグダードはひじょうに危険だ。毎日誘拐、殺人、爆発があり、スラム地域、サドル・シティは空爆されている・・・こんなバグダードで選挙が行われるだろうか? ブッシュが‘安全’地帯だけで選挙をしていいってことになったと想像してみて。そう、テキサスとフロリダで。どんなことになるか・・。
人質の問題はたまらない。誰もがイタリア人人質たちがどうなったか案じている。ほんとうに死んでしまったのか。そんなことがあるだろうか。テレビでイギリス人人質の家族を見るのはとてもつらい。この人たちはこのあとで永遠にイラク人を憎むのではないだろうか。CNNで放映された家族の訴えを見ながら、わたしは誘拐犯たちに寛大な対応をと求めていた。毎日何十人ものイラク人が誘拐されているが、誰も何者が背後にいるのかしかと知らない。あるイスラムグループだと名指しする人々もいるし、ある政治グループ、たとえばチャラビの一派だと言う人々もいる。わが首相、アラウィが、本人が認めたようにイラク国内での爆発や暗殺に関与していたことを考えれば、驚くほどのことではない。
ここをクリックすると面白い情報がある(訳注:Word Iqというサイトのアラウィのページにつながる。アラウィがCIAの支援を得たイラク国民合意を率いてサダム政権下で爆発事件を実行し、大量破壊兵器について虚偽の情報を提供し、政権についた6月に見せしめのために勾留イラク人6人を処刑したこと、英国に長く暮らし今も英国国籍をもつことなどが書かれている)。
まだ読んでいなかったら、ホアン・コールの「もしアメリカがイラクだったら」をぜひ読んで(ホアン・コール、「インフォームド・コメント」の9月22日の記事)。
http://www.juancole.com/2004_09_01_juancole_archive.html#109582366638394688
リバーによって掲示 午後3時6分
参考 「もし日本がイラクだったら」
(翻訳 池田真里)
http://www.geocities.jp/riverbendblog/
プロ野球がストをするしないがニュースのトップをにぎわしている今日このごろである。そんな平和日本が、もし、今のイラクのような状況だったならって、想像したことがあるだろうか?
まず、日本の人口はイラクの5倍以上なので、いろんな数字をイラクの5倍にする必要がある。先週一週間だけで、300人のイラク人がさまざまな暴力にまきこまれて殺された。その数字を日本にあてはめると、先週一週間で1500人の日本人が殺されたことになる。
もし先週、1500人もの日本人が車両爆弾や、空爆や、ロケット弾や銃撃の流れ弾で当たって殺されていたなら・・・・・それは地下鉄サリン事件による死者数の100倍にもおよぶ。しかも、それらの暴力は毎週、毎月と繰り返し続いていて、犠牲者は増大するばかりである。
また、それらの無残な死が、東京だけでなく、日本中で起きているとしたらどうだろう? 名古屋、京都、大阪、それに仙台、札幌、福岡、鹿児島・・・・・?
もし、皇居や国会議事堂や霞ヶ関の官公庁ビル街が、毎日のように迫撃砲弾の攻撃を受けているとしたらどうだろう? 政治家や官僚たちは一日中ビルの地下に避難していて、一般道を歩く勇気もなかったとしたら?
もし、東京にいる大新聞の記者やテレビのレポーターたちのすべてが、赤プリやニューオータニなどの高級ホテルに引きこもってしまったらどうだろう? 機関銃の流れ弾が危なくて、ホテルの外で取材できないし、その気力もないのだ。
またもし、元気のいいジャーナリストが、長野で起きている反乱を取材しようとするなら、自衛隊の戦車に乗せてもらうしか方法がなかったとしたら・・・・?
いま現在、イラクには推定2万5千人のゲリラがいて、襲撃をくりかえしている。
もし日本各地に、12万人の狂信的な愛国者たちが私設軍隊を組織して、機関銃やロケット弾など有りあまる武器を手にして、米兵や自衛隊員を襲っているとしたらどうだろう? そしてこれらの愛国者軍団が、横浜と神戸と大宮と岡山からすでに米兵を追い出し、自治区として手中に収めているとしたら?
米軍も自衛隊も、それらの自治都市にはもうお手上げで、市内に入ることさえできないとしたら・・・・?
もしも、この一年間で、外務大臣(アキラー・ハシェミ)、首相(イゼディン・サリム)それに法務大臣(アル・ハッキム)が暗殺されていたとしたら?
もし、日本中の都市が何千何万という殺人、強姦、誘拐、強盗などの犯罪の嵐に見まわれているとしたら?
もしも、米軍の戦車が京都を包囲して、愛国者たちが応戦している西本願寺のお墓を破壊し、ヘリが金閣寺の壁に銃撃を加えたとしたら?
またもし、米空軍の戦闘機が、彼らが「ギャングやテロリストの隠れ家」と呼ぶ民家を毎晩のように爆撃し、多くの老婆や子供たちを殺しているとしたら?
地対空ロケット弾が危なすぎて、JALやANAの民間航空機が一機も日本の空を飛んでいなかったら? かといって、道路を走るのは死を覚悟の移動手段で特に東名高速と首都高速は車泥棒と誘拐と道路脇爆弾の名所だらけだとしたら?
もし一日の半分以上が、停電だったとしたら? 35度Cを超える真夏にエアコンが止まり、雪のふりしきる極寒の夜にコタツに入れなかったとしたら? ガソリンを買うのに、半日以上、行列を作って待たなくてはならなかったら? いま5%で大騒ぎしている失業率が、40%に跳ね上がったら?
もし、米軍が自分たちの意のままに動くコイズミを日本の首相にすえたら? (あっ、もうそれは現実か)
そして、もし、もしもだ、ブッシュ大統領が選挙でわきあがっている米国民に向かって、「日本侵略は正しかった! 日本はどんどんと改善されており、民主化の進展を喜んでいる」と自慢したら・・・・・・?
http://www.geocities.jp/riverbendblog/panda.html