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社説:
日朝実務者協議 戦略練り直し主導権握れ
北朝鮮は日朝首脳会談の合意を反故(ほご)にしようというのか。
北京で25日から2日間行われた日朝実務者協議の結果を見る限り、そんな疑問を抱かざるを得ない。北朝鮮の対応は余りにも不誠実だ。このままでは、日本の世論の中に経済制裁を求める声が強まるのは当然だ。
実務者協議は5月の日朝首脳会談のフォローアップなどが目的で、8月に続いて開かれた。日本側は金正日(キムジョンイル)総書記が小泉純一郎首相に約束した安否不明の拉致被害者10人の再調査結果を速やかに明らかにするよう要求した。
しかし、前回に続き今回も事実上の「ゼロ回答」だった。北朝鮮は今回、口頭で10人のうち数人の入国後の足取りを明らかにしただけで、現在の消息については触れなかった。
「93年3月に自殺した」としてきた横田めぐみさんについては「93年10月まで入院記録があった」と訂正したが、その後の状況の調査結果は示さなかった。
拉致に関する150項目にのぼる質問書に対するきちんとした回答もなかった。
そもそも「早期に本格的な徹底した再調査をしたい」という金総書記の言葉は何だったのか。先の首脳会談で拉致被害者5人の家族の帰国・来日が実現したが、首脳会談から4カ月が過ぎたのに、10人の消息についてなお「調査中」だというのは納得できない。
北朝鮮側は「調査委員会に日本の関心事を伝える」と述べたというが、調査委がどんなメンバーで構成され、どのような調査をしているのかもただす必要がある。
小泉首相は首脳会談で北朝鮮が日朝平壌宣言を順守する限り、日本が経済制裁をしないと約束した。国際機関を通じて食糧25万トンと1000万ドル相当の医薬品の支援を決め、半分を送る予算を閣議で決めた。北朝鮮にはそうした日本側の誠意は通じないのか。
北朝鮮がミサイル発射の準備をしているとの情報があり、これに北朝鮮側が十分な説明をしないことも不信を増幅させている。
拉致問題は、行方不明者に関する拉致容疑での告発の動きが出るなど、広がりを見せている。
北朝鮮の核開発をめぐる6カ国協議は、11月初旬の米大統領選が終わるまでは開催される見通しがほとんどなくなった。日本は第3回実務者協議を11月までに開催するよう求めた。北朝鮮にとっても日朝協議は自らのメッセージを伝える貴重な窓口のはずだ。
第2次小泉改造内閣の発足で町村信孝氏が外相に就任。川口順子前外相が首相補佐官に就いた。政府の新旧外相を中心とした新たな布陣はこう着する北朝鮮問題を打開する糸口を作らねばならない。
新体制下で「対話と圧力」が有効に機能するよう戦略を練り直さねばならない。町村新外相は記者会見で日朝実務者協議の場所、出席者の見直しなどを提案した。日本側が主導権を握り拉致問題の前進を図るには、北朝鮮に乗り込んで長期戦で協議に臨むなど大胆な戦術をとる必要もあるだろう。
毎日新聞 2004年9月29日 0時10分
http://www.mainichi-msn.co.jp/column/shasetsu/news/20040929k0000m070150000c.html