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社説
2004.09.28
拉致問題 北が自ら制裁を招く
日朝実務者協議で、拉致問題については何の進展もなかった。北朝鮮は、情報を小出しにして、できるだけ引き延ばす戦術のようだ。被害者家族の会が求めるように、経済制裁の発動しかない。
北朝鮮は、「不明・死亡」という十人について、時間稼ぎをして、日本の世論があきらめるのを待っている、としか受け取れない。
北京での第二回日朝実務者協議は、五月の日朝首脳会談で金正日総書記が「白紙に戻して再調査する」と約束したのを受けてのものだ。
しかし北朝鮮は、横田めぐみさんが死亡したという「一九九三年三月」を、「同年十月までは入院していた」と訂正した程度だった。
この訂正でも、北朝鮮の当初の報告がいかにいいかげんかが分かる。十人について、日本側は二年前に、百五十項目の疑問点を示したが、ほとんど回答はない。
その理由として「拉致を実行した特殊機関が調査に抵抗している」と釈明する。最高実力者の命令が国内で無視されたということか。
北朝鮮に誠意は見られない。日朝首脳会談で、小泉純一郎首相が食糧や薬品を支援し、経済制裁法を発動しないと約束したことで、足元を見られたのではないか。
犯罪に対して見返りを出さないのは、再発防止のためにも守るべき原則だ。また経済制裁は、日本の有力なカードである。あらかじめ足かせをはめるのは拙劣だ。
二回目の首脳会談は、首相官邸が外交ルートからはずれた窓口を通じて設定したという情報がある。その背後には北朝鮮の大物工作員らの名前もちらつく。
小泉政権は、七月の参院選での実績づくりを急いだことで、外交の基本を損なうような譲歩を迫られ、のまざるを得なかったのではないか。結果として、拉致問題は停滞を余儀なくされている。
内閣改造により、外相には拉致問題に取り組んできた町村信孝衆院議員が起用された。この問題は、従来のように政府一元化で対処するのが必須条件だ。対北外交を再構築する必要がある。
政府は、北朝鮮に十一月半ばまでに次回の協議開催を求めているが、このままでは進展は望めない。
小泉首相は、経済制裁関連法の発動自制の前提として、「北朝鮮が日朝平壌宣言を順守していく限り」と金総書記に念押しした。
今回の協議を見ると、宣言にある「諸問題に誠意を持って取り組む」という文言がむなしい。北朝鮮が自ら制裁を招いている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20040928/col_____sha_____003.shtml