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9月25日 ◇◆ ブッシュ大統領も小泉首相も間違いなく戦争犯罪人だ ◆◇「米支持」ありきの報告書 ◆◇イスラエルの核保有を裏付ける証言 ◆◇古賀潤一郎、小野清子、安倍晋三、森善朗の疑惑報道に思う ◆◇
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□★□ 天木直人 9月25日 メディア裏読み □
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◇◆ ブッシュ大統領も小泉首相も間違いなく戦争犯罪人だ ◆◇
これは私の言葉ではない。10月8日号の週刊フライデーの記者がそう断じてい
るのだ。私もその通りと思う。このフライデーの記事は衝撃的だ。一年半前に
フライデーのインタビューににこやかに答えている美人のイラク女性の写真が
掲載されている。フダ・ハマッシュ博士というこの女性は旧フセイン政権のバ
ース党幹部で、生物化学兵器の開発責任者の一人であったという。イラク開戦
直後の03年4月4日に日本人で初めてこのフダ氏にインタビューした草薙厚子
さんはこう振り返っている。
「・・・彼女が大量破壊兵器を持っていない事を強く訴えるので、何度も『本
当ですか』と問いただしました。彼女は『アラーの神に誓って本当だ』といっ
ていました」
一年半前にフダ氏が語った言葉はまさに真実だった。ところが今彼女と再び
連絡を取り合うことはできない。なぜならば彼女は取材後に米軍に拘束され、
おぞましい虐待と拷問の数々で知られるようになったあのアブグレイブ刑務所
に監禁されたままだからだ。
9月16日にバクダッド市内で米国人二人と英国人一人が武装集団に誘拐され
た。彼らの要求は「アブグレイブ刑務所などに拘禁されているイラク人女性た
ちを釈放せよ」というものである。このうちの一人こそがフダ氏であるという。
フライデーの記事はこう読者に訴える。
「・・・米国自身が（大量破壊兵器が存在しなかった事を）認めた以上、イ
ラク国内の人々が決起し、罪なくして拘束されているフダ氏らの解放を求める
のは当然の反応だ。・・・ありもしない理由で戦争を始めたブッシュ大統領。開
戦以来イラク民間人の犠牲者は１万人以上とされる。米兵の死者も1000人を超
えた。（『大義なき戦争』を続けるブッシュ大統領とその協力者である小泉首相
の）両首脳は、失うべきではなかった命を、ウソをついてまで大量に奪った。『戦
争犯罪人』としての責任を、彼らはいったいどう取るつもりなのか。・・・」
◇◆ 「米支持」ありきの報告書 ◆◇
9月25日の朝日新聞一面は、― 情報力、自衛隊の50年―というシリーズの
五回目として、当時日本がイラクの大量破壊兵器の存在をどう見ていたのかに
ついて検証している。この内容は私にとって衝撃的であった。米国支持が最初
から小泉首相の頭にあったことは想像に難くなかったが、これほどまでにひど
かったとは。何のために私は小泉首相に「日本は米国を支持してはいけない」
と必死で公電を打ったのか。まったく馬鹿げたことをしたものだ。彼が私を首
にした理由がわかる。
朝日の記事はこう書いている。
「問題の核心は、イラクが保有する大量破壊兵器、生物化学兵器を廃棄しよう
としないこと、国連査察に無条件、無制限に協力しないところにあります」イ
ラク戦争が始まった1週間後の3月27日、小泉首相はメールマガジンでこのよ
うなメッセージを発し、「イラクの大量破壊兵器保有」を戦争支持の理由として
あげた。その後「イラクが保有する」と断言した根拠を国会で再三問われたが、
ついに首相は具体的な情報を示す事はなかった。
開戦の数ヶ月前、防衛庁情報部の分析部に「イラクが大量破壊兵器を保有し
ている可能性を報告せよ」との指示が下った。米軍からのイラク情報、欧米や
中東の防衛駐在官が収集した情報、報道資料、インターネット情報・・・これ
らを参考に作成された報告書は当初、大量破壊兵器について、「保有していると
言われているが、明確な証拠はない」となっていた。だが、情報本部の上層部
は「米国がイラクの大量破壊兵器保有の疑惑をアピールしている時に、この結
論は何だ」と怒った。報告書を検討する会議で、幹部の一人は自らペンをとっ
て「保有する可能性は否定できない」と書き改めた。
一方、小泉首相の関心は大量破壊兵器の有無には向けられていなかった。イ
ラク開戦時の緊急声明を発するまでの事務的手続きを説明する官邸のスタッフ
にこう言った。
「事務的なことはいい。米国の行動を支持すると言える材料を出来る限
り持って来てくれ。あとは自分で考える」
首相のもとには、イラン・イラク戦争や、クルド人に対するイラクの化学兵
器の使用、大量破壊兵器の威力を示すデータが届けられた。最初に結論ありき、
の情報収集だった。
この朝日新聞の記事を読んで本当に腹立たしい思いがした。「米国支持は間違
っている」という私の電報が総理のもとへ届けられなかった理由がわかった。
すべてがこの調子で、小泉首相のところへは小泉首相を喜ばせる情報しか届け
られていないとすれば恐ろしい事だ。小泉首相が自分の思い込んだ情報しか受
け付けないとしたら危険な事だ。郵政民営化にしても何にしても小泉首相の言
動を見ているとそうなのだろう。そういえば9月18日の東京新聞が、郵政民営
化の協議の報告を受けた小泉首相が「何を妥協している！」と竹中経財相を叱
責し、「麻生総務相と生田総裁を交代させることになるかもしれない」と漏らし
たと伝えている。何事も自分の気に入らない者は受け入れない。これでは外務
官僚も服従するほかはないのだろう。政治家も官僚も情けないではないか。ポ
ストがそんなに欲しいのか。信念というものがないのか。
◇◆ イスラエルの核保有を裏付ける証言 ◆◇
9月25日付の朝日新聞が、イスラエルの核兵器保有を暴露し国家反逆罪で投
獄され、18年ぶりに釈放されたイスラエル人のモルデハイ・バヌヌとの単独会
見の記事を大きく掲載している。これには驚いた。なぜならば、バヌヌ氏は今
年4月の刑期を終えて出所した後も、イスラエル最高裁の命令で外国メデアと
の接触が禁止されたまま、未だ軟禁状態であると私は理解していたからである。
バヌヌ事件について少し説明しよう。これはイスラエルのデイモナにある核
施設で約9年間、核管理の技術者として働いていたモルデハイ・バヌヌ氏が、
核弾頭の製造工場内部の写真60枚を盗み撮りし、英紙サンデー・タイムズに提
供。同紙は86年10月、「イスラエルが200発近い核弾頭を保有している」と一
面トップで報じ、イスラエルの核機密が暴露された事件である。
イスラエルの核兵器保有については、かつて米ケネデイ政権がイスラエルの
核開発に警告を発した事、69年にニクソン大統領がイスラエルのゴルダ・メイ
ヤー首相と「米国は一切口出しせず」の密約を交わしたことなどが明らかにな
っていたが、86年のバヌヌ告発はその疑惑を決定付けるものとなった。
しかし核兵器に関するイスラエルの政府の基本姿勢は、今日でもその存在を
肯定も否定もしない「あいまい政策」に徹している。原子炉を提供したフラン
スや、イスラエルとの完全な同盟関係にある米国は、イスラエルの核戦力を知
り尽くしているが沈黙を貫いている。それを認めれば核拡散条約に基づく国際
信義が崩れるからだ。これが国際政治の欺瞞である。
この二重外交を一人声高に世界に向かって叫んでいたのがサダム・フセイン
であった。そのサダム･フセインが米国によって排除されたのだ。
◇◆ 古賀潤一郎、小野清子、安倍晋三、森善朗の疑惑報道に思う ◆◇
最近の政治家は、すべて汚染されていると言っていいほど疑惑が次々と発覚
している。
このこと自体、国民にとって許しがたい事であるが、より深刻な問題は責任
追及の甘さと処罰の不公正さである。すなわち権力側にいる政治家が処罰をま
ぬがれ、権力を持たないものが過度に懲らしめられている現状である。
古賀潤一郎がついに辞職に追い込まれた。それにしても大学卒業の有無を偽
ったことがそんなに悪いことなのか。ロッキード事件じゃあるまいし、福岡県
警や地検が税金を使って何人もの捜査員を米国に派遣して追及することなのか。
学歴詐称であれば安倍晋三も小泉純一郎も詐称していたではないか。古賀を議
員辞職に追い込んで落選中の山崎拓を補選で勝たせるあからさまな工作だ。
それにしても小野清子参議院議員の秘書給与不正支払いには驚いたが、それ
を「問題ない」と開き直った小野清子議員の厚顔さにはあきれ返った。しかし
彼女が追及されるのは時間の問題であろう。関係者の証言がその犯罪を明らか
にしている。朝日新聞によれば元秘書が「勤務実態がない」、「発覚すると大変
だ」と何度も忠告しているのに「まったく聞き入れられなかった」と告白して
いるのである。そもそも自宅にいる永年の家事手伝い女性を公設第一秘書に10
年間もしてきたこと自体、それだけで秘書給与の詐取である。さらにその給与
も小野議員が管理していたというのだから私用に使っていた疑いさえある。秘
書給与疑惑については山本議員も、辻元清美も佐藤観樹も民主党議員は有罪に
なっている。これで小野清子議員が有罪にならなければ権力による隠蔽ではな
いか。しかも彼女は小泉内閣の国家公安委員長である。それだけでも内閣総辞
職に値する不祥事である。
そうかと思えば10月8日号の週刊フライデーで安倍晋三と森善朗の疑惑が追
及されている。すなわち安倍晋三は、出資法違反で逮捕された宝石販売会社「グ
ランドキャピタル」の矢吹寿雄元会長の広告塔となって、彼を首相官邸まで見
学させて偽マルチ商法の片棒を担いでいたのである。安倍の名前を使って顧客
を信用させ100億円もの金を騙し取った矢吹。その被害者の数は300人以上と
いう。安倍氏の責任は重い。
一方、森善朗元首相は、補助金詐取で幹部5人が逮捕された財団法人「世界
青少年交流協会」の会長である。詐取された約5億円の補助金は裏ガネとして
政界に還流したのではないかという疑いも浮上しる。逮捕された協会の鈴木副
会長は森元首相の大学時代からの友人であるという。森元首相も、会長として
の責任を問われて「責任はありますよね」と答えているのであるから小泉首相
と違って正直な人だ。
日歯連の一億円疑惑については橋本、青木、野中議員の限りない疑惑が不問
に付されたばかりである。一体今の自民党の不正はどこまで広がっているのか。
この悪を野党第一党である民主党が追求できなければ政権をとる資格は全くな
いと言っておきたい。
http://homepage3.nifty.com/amaki/pages/ns.htm
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。