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イラク拉致、一時「賛成94%」アルジャジーラ電話調査
カタールのアラビア語衛星放送局アルジャジーラが、人気の討論番組の中でイラクで相次ぐ拉致事件への賛否を視聴者に尋ねたところ、電話による回答では「賛成」が94%に達した。インターネットでの調査を合わせれば、最終的に7割前後に落ち着く見通しだ。民間人を人質に取り、首を切断する残虐さに、被害者を出した各国では反発が広がっている。だが、アラブ世界では「米国がイラク人殺害を続ける以上、当然の反撃」とする考え方への支持が根強いことを示している。
調査は21日、討論番組「反対意見」の放映中に行われた。同番組では政治、社会問題について、考え方の対立する論者が85分間にわたって激論を交わす。
質問は「イラク人は占領に抵抗するため、人質を拉致する権利を持つか」。同局によると、放映中に電話で531件の回答(アラビア語)が寄せられ、賛成が94%を占めた。大半が中東諸国だが、英、スウェーデン、スペイン、ハンガリー、オーストラリアに在住するアラブ系の人々からも回答があったという。
番組の論者は、イラクの旧フセイン政権に対する反体制活動家だったカリーム・バドル氏と、政治雑誌編集者でエジプト人のタラート・ルメイハイ氏だった。
バドル氏は「あらゆる拉致は認められない」と主張。それに対し、ルメイハイ氏は「人間として人質の殺害や首の切断には賛成できない」としながらも、「米軍は一方的に多数の無実のイラク人を殺害している。拉致もひとつの抵抗方法としてやむをえない」「拉致グループは、米軍協力者とそうでない者とを区別しており、米軍に関係ない市民は解放している」と反論した。
番組の中で賛成94%の結果について感想を聞かれたバドル氏は、戸惑った表情を見せたまま答えなかった。
一方、同局は番組の放映中から23日夜(日本時間24日未明)までインターネットでの回答(アラビア語)を受け付けている。
同局によると、ネットでの回答に限れば、23日昼現在で総数約4500に対し、賛成が65%前後。23日朝、イラクの子供を支援する人道援助団体のイタリア人女性2人の殺害情報が流れたのを境に、反対が急に増えているという。
イスラム教で民間人女性の殺害が禁じられ、アラブメディアが強い非難を交えて報道していることも影響しているらしい。同局は、電話と合わせた最終的な拉致「賛成」は、7割程度にまで減るとみている。
アルジャジーラは、中東全体で約3500万人、全世界で約4000万人以上が視聴しているとされている。 (09/24 00:59)
http://www.asahi.com/international/update/0924/001.html